みなさん、こんにちは。

池澤春菜と申します。

12月の特集「世界三大ファンタジー」のナビゲーター役を務めさせていただきました。
自分でも大好きなこの三作品、これを機に少しでも多くの皆様にお届けできたら!!

でも、スペシャル番組は15分、とても作品の魅力を語りきれるわけがない……と、いうことで、こちらに場を借りて、トコトンコッテリ語らせていただきます!!

まずは、言わずと知れた「ナルニア国物語」。

C.S.ルイスの手による、七作品からなるナルニア国にまつわる物語。時々名前がC.W.ニコルとごっちゃになるのは、ナイショ。

第六巻の「魔術師のおい」でナルニアの創造を、そして第七巻の「さいごの戦い」でナルニアの終焉と再生を描く、不世出の児童文学です。

子供に対する優しい目線。

世界には善も悪もあるが、最後は必ず善が勝つ、という明確な観念。

物言う獣と、フォーン、ユニコーンといったファンタジー世界の生き物たち。

そして、圧倒的な存在感のアスラン。

読めば読むほど、心に明るく温かいものが満ちてくる、そんなお話。

あぁ、ナルニアのある世界に生まれてきて良かった!!!!!

子供の頃、寝る前にナルニアを読んでは、夢の中でナルニアに行くのが一日の一番の楽しみでした。

「ライオンと魔女」は正に目の前でナルニアの扉が開かれるような、入門編にはピッタリの一冊。初対面の人とはお茶、どんな緊急事態でもお茶、イギリスの方にとって(ビーバーにとっても)お茶がどんなに大切かが良くわかる一冊でもあります。お茶がなくては夜も明けぬ。

「カスピアン王子のつのぶえ」は「ライオンと魔女」のなんと1000年後。あのビーバーご夫妻も、タムナスさんも、もはやチリも残っておりませぬ……むごい。でも、新登場のカスピアンは、素敵に頑張る少年です。なんとシリーズ最多の四作品に登場!!

「朝びらき丸 東の海へ」は、そのカスピアンが少し成長して、東の海へ探求の旅に出る物語。

「銀のいす」は作品中では、どちらかというと地味目の印象。だって荒野に、巨人の国に、地底国。そして、三人いる主要登場人物の一人の名前が「泥足にがえもん」。でも、このにがえもんさんのキャラ、ジワジワ来る中毒性アリ。

「馬と少年」は唯一、ナルニアのお隣カロールメンの子供が主人公。異国的な雰囲気溢れる、作品中でも少し色彩の変わった一作です。自惚れ屋さんのものいう馬ブレーが最高。

「魔術師のおい」は、ナルニア創世編。大人になっても駄目な人はダメ、との印象を幼い私に植え付けた一作でもあり。善良な馬車屋さんと、彼の馬イチゴの伏線には、仰天です。

「さいごの戦い」で、ナルニアは一度終焉を迎えます。でもなくなってしまうわけではなく、箱庭のように展開されていたナルニアの世界の蓋が一度閉じられるような終わり方。そしてまたいつの日か、箱を開ければ、そこにはちゃんとナルニアはあるはずです。

七作品どれも捨てがたいけれど、一番のお気に入りは「朝びらき丸 東の海へ」。

もうあの、異国情緒溢れる青い表紙を見ただけで、今でもわき上がるパブロフの犬的なトキメキ。

どちらかというと、ていうか完璧にイヤな子のユースチス(子供心になんて言いにくい名前かと)が、見事にギャフンと言わされて改心する様にもスッとしますし。

各島の特徴ある魅力、船の生活。

ちょっと大人になったカスピアン王子の「つのぶえ」時代とは打って変わった統率力。「お前、あんなに初々しかったのに……」と、その成長っぷりに一抹の淋しさを覚えたものです。

リーピチープは微笑ましくも、凛々しいし。

そうして最後にたどりついた、海の果て……ここの描写が圧巻!! 西の人は「東」にこんなにも憧れを持っているんですねぇ。

現在映画は「カスピアン王子のつのぶえ」まで公開されているので、この「朝びらき丸」がもう、楽しみで楽しみで。

リーピチープはやっぱり、ふるCGなのでしょうか……?

ちなみに。余談ではありますが、C.S.ルイス、お友達でもあった「指輪物語」の作者、トールキンに第一巻を朗読して聞かせたところ、「サンタクロースが出てくるなんて変だよ!!」と言われ、しばらく凹んで続きがかけなかったそうです。

あ、危ないところでした……トールキンったら余計なこと言って!!



私にとっての善きもの、明るいもの、幸せなものが何もかも詰まっているナルニア。

文中で箱庭と例えましたが、正にそんな感じ。蓋を開ければ、そこはナルニアの箱庭。のぞき込んでいると、外界の憂さなんて綺麗サッパリ忘れて、この世界にひたすら没頭できちゃいます。

原作を読んだことのある方は、また違った描き方をされている映画を楽しんでみてください。
まだ原作を読んだことのない方は、ぜひこの機会に原作も読んでみて下さいね。

で、以下「指輪物語」「ゲド戦記」と書き進めていこうと思ったのですが……とても字数が足りない!!
以下次号……でも、良いですかね?

良いって事に勝手にして……待て、以下次号!!!■

『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』© Disney Enterprises. All rights reserved