1980年代末から5年間程買っていた『ミュージック・ライフ』誌が出てきて
パラパラ懐かしく捲っていた時のこと。
思えば、90年とかってガンズ・アンド・ローゼス、MR.BIG、モトリー・クルーとかが表紙を飾っていたんですよね。
91-92年頃になると、なんか暗い雰囲気を持つ人達がネルシャツきて(むしろこの手の音楽の方が僕は主食だったりしますが)、汚いジーパン履いて紙面を賑わせていました。アソコを極端に誇張した革パン、鋲を打ったジャケットを羽織った人の比率は極端に減っていきました。
いきなり過去の音楽として葬り去られてしまった感じで、臭いものには蓋をするような音楽シーンの変動は、当時中学生だった僕にとても衝撃的でした。
今、読み返してみて、政治に対する怒りとか、偽善的平和を願って歌に託してみたりだとか、そんなものは微塵も感じさせず、酒だ、女だ、パーティーだ、と声高らかに歌っているこんなバカ・ロックは、極めて健康的だと僕は感じます。
前置きが長くなりましたが、そんなハード・ロック/ヘヴィ・メタル賛歌を掲げる映画『ロック・スター』が、ザ・シネマに登場します。『あの頃ペニーレインと』に近いのかな。記者からの視点からだったペニーレインに対し、こっちの方はバンド・メンバー自身の映画ですけれど。
あらすじは簡単。スティール・ドラゴンっていうアメリカ屈指のHMバンドがありました。彼らの人気はアリーナクラスの会場でも超満員。トリビュート・バンドをするほど崇拝しているマーク・ウォールバーグ君がひょんな事からそのバンドのヴォーカリストになりアメリカン・ドリームを叶えるのだけれど、まあスターともなると、色々ごたごたもあるわけで、っていうお話。
ストーリー的にはそんなに大したことはないのですが、何しろ『BURRN!』誌を読んで成長した人達にはたまらない面子がてんこ盛り登場なのです。
なんたって、架空のHMバンド、スティール・ドラゴンのメンバーが
Guitar/ザック・ワイルド(ご存知元オジーのG)
初代Vocal/ジェフ・スコット・ソート(イングヴェイ、タリスマンのVo)
Drums/ジェイソン・ボーナム(ツェッペリンのボンゾの息子で当然Dr)
Bass/ジェフ・ピルソン(ドッケンのB)
なんです。こんなロックな人達が普通に演技しています(笑)
酒、女、ドラッグ、パーティーとバックステージではハチャメチャです。
バイクでホテルの中乗り回したり、見ていてニヤニヤできます。
加入したてのウォールバーグ君に
「お前の役目はファンの夢を生きる事だ」
って!21世紀には中々お目にかかれない名言です。
挿入歌もデフ・レパード、KISS、モトリー・クルー他80年代のヒット曲満載でお送りいたしております。是非ご覧になっていただいて、大いに興奮して下さい。
余談ですが、バンドの音はB級メタルバンド、スティールハートに似ていると思ったのは僕だけでしょうか?映画にもちらりと出てくるし、曲も彼らが作っているのかなぁ。『BURRN!』誌読者だったR40世代の熱いご感想おまちしております。
9月下旬にはジューダス・プリーストも来日しますし、9月はメタル三昧ですね。■
(編成部 しじみ)