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COLUMN/コラム2018.05.10
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』 6/2 (土) 字幕、3 (日) 吹き替え
最初に、あらすじから。 近未来。人類は機械軍に滅ぼされかけたが、英雄ジョン・コナーが現れ反撃に転じ機械軍を逆に壊滅寸前に追い詰めた。機械軍は、タイムマシンでジョン・コナー誕生前にさかのぼりその母サラ・コナーを殺せば歴史改変で一発逆転できると、暗殺用アンドロイド「ターミネーター」を84年に送り込む(ここまで『ターミネーター』第1作目と全く同じ展開)。 (ここからが怒涛の新展開)だが84年に現れた途端ターミネーターは、もともとその時代で待ち構えていた同型ターミネーターと、屈強な女戦士サラ・コナーに襲撃される!! 一方、未来のジョン・コナー司令官は母親が84年に殺される事態を阻止するため、腹心の部下カイル・リースをその時代にボディガードとしてタイムマシンで送り込むが、そこでカイル・リースも、姿を変えられる液体金属型ターミネーターT-1000の待ち伏せ攻撃を受ける。 一体全体、何がどうなっているのか!? このように、しょっぱなから構成の妙で魅せる本作。懐かしの第1作をなぞる冒頭パートで若い頃のシュワが出てきて、思わず目を疑う。どうやって撮った!? しかも若いシュワvs年取ったシュワの格闘シーンまであるのだが(本当にどうやって撮った!!!!!)、若いシュワは実はフルCGなのだ。『ターミネーター4』(2009)でも終盤で若いシュワが出てきて刮目したが、あれはボディビルダーの身体に若いシュワの顔だけデジタル合成したもの。それでも大したものだったが、本作はフルCG(下画像)。これが、CGだと意識して見ていても全く見分けがつかない超絶クオリティ(本当に下画像↓はCGなんです!)。特撮会社ムービング・ピクチャー・カンパニー公式垢がYouTubeに上げている動画を見ると、何も無い空間にCGで若いシュワがマッピングされていくプロセスをつぶさに確かめることができ、恐い!このテクノロジーがあれば、ある人物が実際にはやっていない犯罪的行為をやっている映像だって余裕で捏造できるのでは…?これってスカイネット級にヤバくないか…?『コングレス未来学会議』(2013)の世界はもうすぐそこだ。 本作は2015年の映画で、2017年という“超近未来”が後半の舞台。タイトルにもなっている「ジェニシス」とは架空の商品名で、その2017年に発表されるという設定の、スマホ・タブレット・コンピュータ共通のAI型OSみたいなもの。カーナビにも軍のネットワークにも、ありとあらゆる物にIoT的にインストールされている。こいつが、人類を滅ぼす! Genesisとは旧約聖書のド頭、「はじめに神は天と地とを創造された」から始まる、日本語だと「創世記」のことだ。SFファンには『スター・トレック』旧シリーズのIIとIIIで耳馴染みがある。あのシリーズにおいては「ジェネシス計画」という、月のような岩石だらけの不毛な惑星を一発で緑・水・大気が存在する居住可能惑星にテラフォーミングする秘密計画の暗号名だった。 しかし本作は、スペルが違う。正しくはGenesisだが本作はGenisysだ。本作のタイトルも当初は正しいスペルでいく予定だったが、途中でモジった「ジェニ・シス」表記に変更された。「シス」はSYSなので「システム」の「シス」だろう。「ジェニ」のGENIは、軽く調べたが確実なことは分からなかったものの、「genius(天才)」のgeniではないかとの一意見がネット上にあった。Genesisを「天才システム」とも読める間違ったモジり方でGenisysと表記したのではないだろうか。 ここからはキャスト・スタッフの話。本作でサラ・コナー役を演じるのは、「ゲーム・オブ・スローンズ」で大人気、“焼けずのデナーリス”ことエミリア・クラーク。ちなみにTVシリーズ「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」ではサーセイことレナ・ヘディがサラ・コナー役だった。ターガリエン家とラニスター家がサラ・コナー役を取り合っている?デナーリスが歳とるとサーセイ顔になるのか?という楽しみ方もGOTファンならできるが、もちろん「ゲーム・オブ・スローンズ」を見ていない人だって、そんなこと一切気にせずとも楽しめる内容であることは言うまでもない。 本作の監督さんはTV畑の人で、まさにその「ゲーム・オブ・スローンズ」も演出している。映画は本作と『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』ぐらいしか撮っていない。TVドラマ監督ということは一般論として、独特の持ち味とか作家性を前面に出すタイプではなく、雇われ監督だけど手堅い仕事をし、エンタテインメント商品としてカッチリ仕上げて納品してくる、優れた職人さんだということ。これは「ターミネーター」シリーズがフォーマットとしてすでに完成されていることの証しだ。腕のある人になら誰に任せたとしても回していけるということ。映画だとヨーロッパ・コープ映画のような、マーベル映画のような、盤石のフォーマットだと言える。 イ・ビョンホンが液体金属型ターミネーターT-1000役でチラッと登場するが、『G.I.ジョー』(2009)以降順調にハリウッドでもキャリアを重ねていってくれていることは、人ごとながら、韓国人ほどではないかもしれないが、日本の映画ファンとしても、これはかなり嬉しい!『JSA』以来20年ぐらい日本の映画ファンもずっと注目し続けてきた俳優なので、そんな彼の国際的な活躍は、半分我が事のように嬉しい。「ハリウッドよ、気づくの遅かったね」って感じだ。 イ・ビョンホンだけでなく、カイル・リース役とジョン・コナー役(『エベレスト』のジェイソン・クラーク扮演)の2人はオージーで、シュワはオーストリア(「ラ」が無い方)出身、エミリア・クラークは英国人ということで、ちょい役JKシモンズを除く主要キャストは全員が非アメリカ人だが、にもかかわらず典型的な娯楽ハリウッド大作に見える。 それはスカイダンス・メディアというプロダクションの持ち味もあるかもしれない。スカイダンス社は「ミッション:インポッシブル」、「G.I.ジョー」、「新スタトレ」、「ジャック・リーチャー」などパラマウント社の人気娯楽アクションシリーズを製作している、That’sハリウッドなイメージのプロダクションだ。とは言えしかし、よく考えると、多国籍スタッフ・キャストが英語で娯楽映画作りすることこそが、ハリウッドの伝統そのものであり、その伝統に正統に連なる典型なのだとも言える。 来年には新作もくる。キャメロンがプロデュースで『デッドプール』の監督、シュワとリンダ・ハミルトンがまさかの再共演で、2019年公開予定とのこと。その前に本作を見ておいてほしい!■ © 2018 Paramount Pictures. 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存
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COLUMN/コラム2012.12.22
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年1月】飯森盛良
蝶になった夢を見た人の疑問。「もしかしたら自分は蝶で、人間になった夢を見ているのではないか?」…いわゆる「胡蝶の夢」というこの哲学的テーマを、数々の傑作SFが取り上げてきました。本作まさにそれ。結局、夢オチなのか現実だったのか曖昧に終わりますが、実はよく見ると劇中に答えが隠されてます。たとえば本編開始15分後頃、リコール社で施術を受けるシーン。ほらほら、モニターに何が映ってます? シュワは何のコース選びました?シュワの女の趣味は?さらに、映画はどう終わりましたっけ?ハッピーエンドのキスシーンから白くフェード・アウトしていきますよね。映像のお約束では「白いフェード・アウト」の意味するところとは…?本作、ぜひ録画して確認しながらご覧ください! © 1990 STUDIOCANAL
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NEWS/ニュース2012.07.02
アクションスター列伝【救出対決】結果発表!
『コマンドー』(アーノルド・シュワルツェネッガー)元特殊作戦部隊コマンドーのリーダーに扮するアーノルド・シュワルツェネッガーが誘拐された娘を救出する。 VS 『ブレイクアウト』(チャールズ・ブロンソン)腕利きパイロットに扮するチャールズ・ブロンソンがメキシコで無実の罪を着せられた実業家を救出する。華麗なアクションで救出ミッションを達成するのはどっちだ!?いざ、対決!肉体派アクション・スターと言えば、1970年代はチャールズ・ブロンソン、80年代ならアーノルド・シュワルツェネッガー。『ブレイクアウト』VS『コマンドー』の救出バトルは、世代を超えたマッチョ俳優対決となった! 『ブレイクアウト』でブロンソンふんするセスナ機パイロットは、美貌の人妻に雇われ、無実の罪でメキシコの刑務所に投獄されたその夫を救出しようとするのだが、なにぶん計画が行き当たりバッタリなもんだから、最初は失敗が続く。自分よりはるかに背の高い相棒ランディ・クエイドを女装させて、看守の目を引けるワケがないだろうに……うかつすぎるぜ、ブロンソン! それでもめげないテキサス魂、軍用ヘリを装ってムショの中庭から救出するという荒技に打って出る。こんな具合に、物語そのものはオフビート・タッチでユーモラス。ブロンソンとヒロインを務める当時の愛妻ジル・アイアランドのほのかなロマンスも盛り込まれていて、テキサス~ラテンののどかな雰囲気さえ漂わせている。 ■ 対する『コマンドー』はむしろシリアス。シュワルツェネッガーふんする元コマンドー隊員は目の中に入れても痛くない、さらわれた愛娘を中米の元独裁者から救おうとするのだから、その切実な気持ちが理解できるし、見ているコチラもアツい闘争心がわいてくる。そんな期待に応えるかのように、主人公は特殊部隊のスキルを活かして一直線に突っ走る。民間人の女性も私的な戦いに巻き込み、ショッピングモールの警備員や警察官をも蹴散らし、さらには敵陣で軍隊を軽く掃射。これをたったひとりでやってのけるなんでフツーに考えると“ありえない”としか思えないのだが、演じるのがシュワだから強引な説得力が宿るというモノ。肩に担いだロケット弾をぶっ放しても反動さえ感じさせない、頼もしすぎる安定感も妙に納得だ。 “華麗なアクションで救出ミッションを達成するのはどっちだ?”という基準からすると、死者や破壊を最小限にとどめたブロンソンの方がスマートで好感も持てる。出演当時54歳という実年齢の経験も、そんな器用な立ち回りに説得力をあたえていると言えるだろう。その点、ひとりの娘を救うにしては壊しまくり&殺しまくりのシュワ(当時38歳)は事を大きくしてしまうという点で不利と言えば不利だが、彼の力技の方がスカッとするのも事実で、悪党を容赦なく蹴散らす姿も痛快そのものだ。アクション映画にカタルシスを求めるとしたら、後者の方が断然、上だろう。というわけで、ここは『コマンドー』に軍配を上げておきたい。以上のように、【救出対決】を制したのは、「コマンドー」のアーノルド・シュワルツェネッガ明日7/3(火)の 『アクションスター列伝』 は【対テロリスト対決】!こちらもお見逃しなく!■ © 1985 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.Copyright © 1975 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.01.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年1月】飯森盛良
シュワ映画の中でこれがイチバン好き!凶悪犯(にデッチ上げられた実は冤罪政治犯)をなぶり殺すTVショーに全米が狂喜、娯楽番組に世論操作される恐怖の未来警察国家が舞台だ。この番組、ステージ突破アトラクション型の「たけし城」的構成。ただし各面に中ボスがいて、個性的なキメ技で“凶悪犯”たちを責め殺す。“凶悪犯”のひとりシュワはこの中ボスを倒し面クリしながら最終面に進んでいく。バカな設定の中ボスども(ラスボスだけカッコいい)、そして真のラスボスでもある番組司会者キリアン、ビリー隊長+チャック・ウィルソン÷2風ダイエット番組インストラクター(引退した前のラスボス)など、全登場人物が濃ゆくキャラ立ちしている、奇跡の傑作だ! ™ & Copyright © 2011Paramount Pictures Corporation. All rights reserved
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NEWS/ニュース2011.09.14
【最強男トーナメント】準決勝・第二試合、結果発表!!
準決勝の第二試合。こちらは、一回戦でシルヴェスター・スタローンをローキックによって戦闘不能に追いやったジャン=クロード・ヴァン・ダムが準決勝進出を決めているが、そのヴァン・ダムと対戦する選手は敗者復活枠ということで、この時点ではその相手は発表されていない。一回戦で負けた選手のうち、敗者復活で登場するのはアーノルド・シュワルツェネッガーか、ザ・ロックか、それとも直前の戦いでヴァン・ダムに敗れたスタローンのリベンジマッチとなるのか?ヴァン・ダムは先に入場し、セコンドのヒョードルと試合に向けての最終確認を行っている。そんな中場内の照明が暗転し、スモークの向こうには超人ヘラクレスのような美しい肉体が。そして流れるお馴染みのテーマソングが鳴り響く。ブラッド・フィーデル作曲の『ターミネーター』のテーマ曲だ!スモークの奥から現れたのは、一回戦で格闘技未経験ながら優勝候補のチャック・ノリスを追い詰めた、アーノルド・シュワルツェネッガーである!一回戦ではノリスのミドルキックを受けてマットに沈んだシュワちゃんだったが、長年演じたターミネーター役が骨の髄まで染み込んでいるのか、他の一回戦敗退者が戦闘不能状態に陥っていたのに対し、シュワちゃんだけはすっかり復活。まさに倒しても倒しても復活する不死身のターミネーター・シュワちゃんとなっていたのだ。さらに前戦で経験値を積んだシュワちゃんは、より危険なファイターへと変貌を遂げている。いかにヴァン・ダムとはいえ、苦戦は必至との予想もある。しかし準決勝の相手がシュワちゃんだと分かった瞬間、ヴァン・ダムの目が鋭いものへと変わった。そう、このトーナメントに出場している選手で、ヴァン・ダムとシュワちゃんだけはヨーロッパ出身。シュワちゃんはまともに英語を喋れないままヨーロッパからハリウッドに進出し、アクション映画俳優として一時代を築いたのちに政界へ進出し、カリフォルニア州知事にまで上り詰めた、ある意味ヴァン・ダムが目指すキャリア像を体現する男である。シュワちゃんのようになりたくてもなれなかったヴァン・ダムの闘争本能は完全に火が着き、一回戦のシルヴェスター・スタローン戦で受けたダメージなど忘れたかのような状態に。両者は心身ともにベストコンディションの状態で、準決勝第二試合のゴングが鳴った!過去のキックボクシングでの実戦経験から、心は熱くなっていても頭は冷静なヴァン・ダムは、決していきなり大技になどいかない。と言うよりシュワちゃんの巨体を見ると、一撃で倒すことなど不可能なことは明白だ。ヴァン・ダムはシュワちゃんの周囲をサークリングしながら、ローキックで様子を見る。格闘技初心者のシュワちゃんはローキックを避けることはできないが、一回戦でのヴァン・ダム対スタローンを見ていたので、対策は練っているようで、脚を上げてダメージを減らしていく。しかし燃え上がったヴァン・ダムの闘志はさらに神経を鋭くさせていき、時折見せるシュワちゃんの高速タックルを次々とかわし、ローキック、ミドルキック、ハイキックを次々と打ち込んでいく。捕まえることが出来なければ、いくら怪力のシュワちゃんといえどもヴァン・ダムにダメージは与えられない。逆に無敵の肉体を誇るシュワちゃんも、ダメージは少ないものの、攻撃をすべてかわされているためにスタミナを急速にロスしていってしまった。この追いかけっこ的攻防は次のラウンドでも続き、肉体的ダメージ以上にスタミナを失ったシュワちゃんは、ついに棒立ち状態になってしまう。ここでヴァン・ダムの伝家の宝刀、股割りハイキックが炸裂!アゴを正確に射抜いたヴァン・ダムのハイキックは脳を揺さぶり、シュワちゃんはついにダウン!ダウン時に目の光(赤くはない)が失われていることに気付いたレフェリーによって、即座に試合はストップされた。羨望のまなざしを向けていた先達を倒したヴァン・ダムは歓喜を爆発させ、「州知事に勝ったから、これでオレも州知事だー!」などと意味不明の叫びを上げながら控室へと引き上げていった。これでスティーヴン・セガール対ジャン=クロード・ヴァン・ダムの決勝戦が確定したのだ。以上の結果通り、準決勝・第二試合はジャン=クロード・ヴァン・ダムが勝利し、決勝戦に進むことに。次戦、いよいよ決勝戦は、9月21日(水)23:00-25:00/25:00-27:00スティーヴン・セガール『暴走特急』 VS ジャン=クロード・ヴァン・ダム『ユニバーサル・ソルジャー』2作目「ユニバーサル・ソルジャー」の本編終了後に、こちらのブログにて試合レビューを公開!作品鑑賞と合わせてお楽しみください!!
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NEWS/ニュース2011.09.08
【最強男トーナメント】一回戦・第二試合、結果発表!!
一回戦の第二試合は『ボディビル史上最大の肉体を持つ、脅威のマッスルボディ』アーノルド・シュワルツェネッガー対、『ブルース・リーも恐れた、アメリカ空手史上最強のミドル級王者』チャック・ノリスの対戦だ。ノリスは空軍の兵士として韓国に赴任した際に唐手道(タンスドー)を学び、帰国後に1964年から1974年までの長きに渡って世界空手選手権ミドル級王者に君臨した超本格派。友人であるブルース・リーの『ドラゴンへの道』で本格的に映画俳優として活動を開始し、『地獄のヒーロー』『野獣捜査線』で世界的アクションスターとなったが、本職は格闘家。特に『ドラゴンへの道』で見せたミドルキックと後ろ回し蹴りは驚異だ。対するシュワちゃんは格闘技経験は無いものの、20世紀最高のボディビルダーと称された肉体と、その体躯から生み出されるパワーはトーナメント出場者の中でも飛びぬけている。ともにアクションスターとしての地位を確立し、同じ肉体派の共和党員である両者がついに白黒をつけるときが来たのだ!技のノリスか?パワーのシュワちゃんか?準決勝に進むのはどっちだ!?開始早々組み付こうとするシュワちゃんだったが、機敏なフットワークでタックルを避けるノリス。このフットワークは『ドラゴンへの道』で戦いの中でブルース・リーから学んだものだ。そのまま後ろ回し蹴りを放つノリス!しかしシュワちゃんの頑強なボディにはまったく効かない!身長差10cm、体重差30kgという体格の差が、このような形で露呈し、動揺するノリス。そんな動揺がフットワークにも影響し、ついにシュワちゃんが動きの鈍ったノリスを捕まえることに成功する。ここでシュワちゃんは“州知事ベアハッグ”を披露!格闘技経験の無いシュワちゃんでも、持ち前のパワーをフル活用できる必殺技だ。ノリスは絶体絶命、ここまでか?しかしシュワちゃん、なぜか集中力を欠いている……。なんと客席にいる元夫人のマリア・シュライパーさんがシュワちゃんを睨みつけているではないか!何かやましいことが多いのか、急速にソワソワしだしたシュワちゃん。その迷いが隙を生み、完璧と思われていた州知事ベアハッグに隙間が!そんなシュワちゃんの一瞬の隙をついて、ノリスはついに脱出に成功する。絶体絶命の危機を脱し、ふたたび距離をとることに成功したノリスは、怒涛の反撃を開始!顔面に正拳突きを連打し、ローキック、ハイキックを連打!映画では一方的に敵を痛めつけることの多いシュワちゃんだけに、この連続攻撃はさすがにこたえたようで、徐々に防戦一方の展開に。そこに右ミドルキックがシュワちゃんの脇腹を直撃!悶絶して倒れるシュワちゃん!さらに追い討ちをかけようとしたノリスと倒れこんだシュワちゃんの間に、レフェリーが割って入り、試合終了!1ラウンド4分42秒、チャック・ノリスの勝利となった。勝利者インタビューで、格闘技初心者でありながら、自分をここまで追い詰めたシュワちゃんに賛辞を送るノリス。大歓声を背に受けてトーナメント準決勝に進むため、早々にケージを後にした。一方、敗れたシュワちゃんは脇腹を押さえながらも、マイクを握り「今回は一瞬の油断で逆転されてしまった。このあとのトーナメントでのチャックの健闘を祈るけど、また是非戦いたいね」と悔しさをにじませながら、最後に「アイル・ビー・バック」とお約束のセリフを残し、今後も格闘技を続けることを匂わせていた。退場時はSPと弁護士に守られながら、マリアさんの陣取るサイドとは真逆の方向に逃げるように去っていったことは言うまでも無い。 以上の結果通り、一回戦・第二試合はチャック・ノリスが勝利し、準決勝に進むことに。次戦、一回戦・第三試合は、9月8日(木)21:00-23:00/23:00-25:00シルヴェスター・スタローン『クリフハンガー』 VS ジャン=クロード・ヴァン・ダム『ユニバーサル・ソルジャー』2作目「ユニバーサル・ソルジャー」の本編終了後に、こちらのブログにて試合レビューを公開!作品鑑賞と合わせてお楽しみください!!
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COLUMN/コラム2008.06.12
6月の吹き替えの日は
まえにここのブログで「昭和の洋画吹き替えを無形文化財に指定せよ」という記事を書いてから、視聴者の皆様よりたくさんのご意見・ご要望をいただいてます。ありがとうございます! 「よくぞやってくれた!っていうか、いっそ吹き替え専門チャンネルになって」という激励(?)もあれば、「吹き替えなんて邪道だから字幕版だけでよい!」というご意見もあります。 結論として、ザ・シネマとしては、吹き替え専門にはなりません。けど、吹き替え特集に力は入れ続けます。 吹き替え版しかやらない、という作品が原則ないよう心がけてますので(ごくごくまれな例外中の例外はご勘弁ください)、吹き替え否定派のかたは、字幕版の放送のほうでお楽しみください。 また吹き替え肯定派のかたは、今後も特集「吹き替えの日」にご注目ください。その筋のひと的に価値ある吹き替え版を、これからも厳選してお届けします。 っていうか、その筋のエッジなひとたちのあいだで高まった吹き替え再評価の気運って、いま、広く一般ピープルのあいだにも「むかしは映画って夜9時からテレビの洋画劇場で見てたよなー、あの頃の吹き替えって懐かしいよなー」的な昭和ノスタルジアとして波及してるんですよね。 字幕のオリジナリティも良い。吹き替えの妙も捨てがたい。要はケース・バイ・ケースなのでは?という柔軟な立ち位置にザ・シネマはいますが、この気運がますます盛り上がればよいと願っており、吹き替え再評価ブームの一翼を担えれば、と思ってます。 そこで早速、またしても「6月20日は吹き替えの日」という24時間特集を組みます! 今度のラインナップは、 『レッドブル』…シュワ=玄田哲章 『ロックアップ』…スタも玄田哲章 『レッドソニア』…シュワ=今度は屋良有作 『インナースペース』…(後述) 『ユニバーサル・ソルジャー』…ヴァンダミング=山ちゃん、ドルフ・ラングレン=大塚明夫 『テキーラ・サンライズ』…(後述) というアクション系6タイトルです。 とくにご注目いただきたいのが、『レッドソニア』。これについては以前書いたとおり。 さらに追加で書くと、この映画は『コナン・ザ・グレート』の番外編だとまえに触れましたけど、正伝『コナン・ザ・グレート』でヒロインの女剣士バレリアをアテてた戸田恵子が、異伝『レッドソニア』ではヒロインの女剣士ソニアを担当してます。なるほど、『コナン』シリーズでの戸田恵子は、正義のヒロイン女剣士担当声優ってワケなんですね。 ちなみに、正伝『コナン・ザ・グレート』のヒロイン女剣士役サンダール・バーグマンは、異伝『レッドソニア』では悪の女王役です。ヒロインやった女優が今度は悪役で起用された。こういうキャスティングの遊びって、番外編ならではのお楽しみですよね。ただ、逆に言うと、戸田恵子はサンダール・バーグマンFIXの声優扱いをされなかった、ってことです。 個人的には、そうであって欲しかった!そうすれば正伝と異伝がきれいに日本語の声でもつながったのに、というらちもないマニア願望をいだかずにはいられない僕です…(すでにシュワ声優が玄田哲章と屋良有作で違っちゃってますから、その時点でつながらないのですが…)。 次に注目は『インナースペース』。DVDは、なんと『クライマーズ・ハイ』の原田眞人監督が吹き替え演出を担当、デニス・クエイド=上杉祥三、マーティン・ショート=野田秀樹、メグ・ライアン=斉藤慶子という、ある意味サプライズ人事ですが、まぁ、これに関しては各自、DVDでお楽しみください。 今回ザ・シネマで放送しますのは、見ようと思っても見れないレアなテレビ版です! こっちのバージョンですと、デニクエ=谷口節、マーティン・ショート=堀内賢雄、メグ・ライアン=佐々木優子と、手堅い人事になってて安心です。 さらに!きわめつけは『テキーラ・サンライズ』。あさ10時からはメル・ギブ=神谷明版、よる10時からは野沢那智版にて放送!(我ながらこんなマニアックな企画よくやるわ…) この映画でのメル・ギブソンは、ヤクのディーラーという「二枚目なヤバいひと」の役なんですが、メルギブの二枚目感は神谷明に、ヤバいひと感は野沢那智に、僕ならそれぞれ軍配を上げたい。ぜひ、聴き比べてみてください。 さらにさらに、『レッドブル』のジェームズ・ベルーシ=富山敬、『ロックアップ』のドナルド・サザーランド=家弓家正といった脇も、見逃せない(聴き逃せない?)配役です。 というわけで、全国の吹き替えファンの皆々様、6月20日も、ザ・シネマ吹き替えの日、ご堪能ください! コアな吹き替えマニアではない一般ピープルの皆様も、この日は、一昔前のテレビ洋画劇場、荻昌弘が、水野晴郎が、高島忠夫が、そして淀長翁が(むろん木村奈保子もですが)、夜ごとシネマの世界へと誘ってくれた、あの時代の夜の、あの雰囲気に囲まれて、幸福なノスタルジーに浸りきってみてはいかがでしょう? それにしても、いゃー、昔のテレビ洋画劇場って、本っ当にいいもんですね! 【特報!】そして盛夏8月、すごい品ぞろえで「吹き替えの日」を実施予定!詳細後日!! 乞う御期待!!!■