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PROGRAM/放送作品
いつか眠りにつく前に
死を目前にしてあふれ出すのは封印してきたはずの40年前の過去…人生のぬくもりに満ちた感動作
監督は、「海の上のピアニスト」「マレーナ」などで撮影を務めてきたラホス・コルタイ。メリル・ストリープとヴァネッサ・レッドグレーヴは、それぞれ娘も出演して、ビッグな二組の母娘共演が話題となった。
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COLUMN/コラム2018.12.29
反ナチスに身を捧げた女性闘士ジュリアは本当に存在したのか、それとも…!?『ジュリア』
「反骨の劇作家」とも呼ばれたアメリカの女流劇作家リリアン・ヘルマン。’30年代に『子供の時間』や『子狐たち』といったブロードウェイの舞台戯曲を大ヒットさせて有名人となり、『ラインの監視』(’40)や『逃亡地帯』(’66)など映画の脚本家としても活躍。『子供の時間』は『噂の二人』(’61)として、『子狐たち』は『偽りの花園』(’42)として映画化もされた。そんな彼女の名声を一層のこと高めたのが、1952年5月21日に開かれた下院非米活動委員会の公聴会で読み上げた声明文だ。 第二次世界大戦前の一時期アメリカ共産党に加入し、ソビエトのスターリン政権を強く支持していたリリアン。長年のパートナーであるミステリ作家ダシール・ハメットも共産党員で、労働者運動や公民権運動の熱心な活動家だった。なので、おのずと赤狩りの時代になると反米的な要注意人物としてマークされ、下院非米活動委員会の公聴会へ呼び出されることとなる。友人・知人の共産主義者を告発しろというのだ。しかし、リリアンはこれを断固として拒否。「たとえ自分を守るためでも友人を売り渡すことは出来ない」「社会の風潮に迎合して良心を捨てることは出来ない」との声明文を読み上げたのだ。その結果、ハリウッドのブラックリスト入りし、しばらく映画界での仕事を出来なかったリリアンだが、一方でその高潔で勇気ある行動により、多くの人々から尊敬を集めることとなった。まあ、そもそも彼女の主戦場はブロードウェイの演劇界であるため、ハリウッド映画界のブラックリスト入りはさほど大きなダメージでもなかったのだが。 そんな女傑リリアンは、生涯で3冊の自伝本を出版している。『未完の女』(‘69年刊)、『ペンティメント(邦題:ジュリア)』(‘73年刊)、そして『眠れない時代』(’76年刊)だ。その中の『ペンティメント』は、リリアンが自らの人生で出会った様々な人々についての想い出を綴った短編集。そこに登場したリリアンの幼馴染とされる女性ジュリアのエピソードを映画化したのが、巨匠フレッド・ジネマン監督のアカデミー賞3部門受賞作『ジュリア』(‘77)だった。ここであえて「とされる」と表現したことの意味は、後ほど詳しく説明させて頂こう。 物語の舞台は1930年代。同居する恋人ハメット(ジェイソン・ロバーズ)の勧めで戯曲を書き始めたリリアン(ジェーン・フォンダ)だが、スランプに陥って執筆がなかなか進まなかった(当時のリリアンは映画会社MGMで、映画化候補の小説や文学のあらすじを要約する仕事をしていた)。そんな彼女が思い出すのは、幼なじみの大親友ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のこと。大富豪の令嬢として生まれ育ったジュリアは、少女時代から聡明で知的で意志が強く、引っ込み思案なリリアンにとって憧れの女性像そのものだった。 長じてイギリスのオックスフォード大学で医学生となったジュリアは、労働者の人権や貧困などの社会問題に強い関心を持つようになり、やがてフロイトに学ぶためウィーンの医大へ転入すると反ナチスの地下運動に傾倒していく。一方、ハメットの勧めで作品を仕上げるためパリへ赴いたリリアンは、そこでジュリアの医大がナチスに襲撃されて多数の死傷者が出たとの報道を知り、急いでウィーンへと駆け付ける。そこで彼女が見たのは、大怪我をして病院のベッドに横たわるジュリアの姿。ところが、すぐにジュリアは手術のため病院から移送され、そのままプッツリと消息を絶ってしまった。 その後、戯曲『子供の時間』の大ヒットで一躍有名人となったリリアンは、モスクワで開催される演劇祭へ招待され、パリからウィーン経由でソビエト入りすることとなる。ところが、パリのホテルでジュリアの同志ヨハン(マクシミリアン・シェル)がリリアンに接触し、経由地をウィーンではなくベルリンに変更して欲しいと申し出る。反ナチ組織の活動資金5万ドルをベルリンにいるジュリアへ届けるためだ。ユダヤ人であるリリアンにとって必ずしも安全とは言えないが、しかし彼女は最愛の親友のため、意を決して運び屋役を引き受けることにする。かくして、厳しい監視体制の敷かれたナチス支配下のベルリンへと夜行列車で向かうリリアンだったが…。 年老いたリリアンの回想形式で描かれる、リリアンとジュリアの瑞々しくも切なく哀しい友情ドラマ、そして激動する戦前ヨーロッパを舞台にした緊迫のサスペンス。リリアン役のジェーン・フォンダは、最初の夫ロジェ・ヴァディムとの間に出来た長女にヴァネッサと名付けるほど、ジュリア役のヴァネッサ・レッドグレーヴに憧れて崇拝していたらしく、それがそのまま劇中のリリアンとジュリアの関係に重ね合わせることが出来て興味深い。ハメット役ジェイソン・ロバーズの渋い枯れた味わいも素晴らしいし、フレッド・ジンマン監督の折り目正しい演出にも風格がある。リリアンの軽薄な友人アン・マリー役のメリル・ストリープ、少女時代のジュリア役リサ・ペリカンと、これが映画デビューだった女優2人も印象深い。しかし何よりも、マッカーシズムに対抗した女性闘士リリアン・ヘルマンが、活動家の友人のためとはいえ、実は反ナチ活動にも貢献していたというエピソードは少なからぬ驚きであろう。
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PROGRAM/放送作品
ヤンクス
第二次世界大戦に翻弄されながらも一時の愛を交わした男女を切なく描くヒューマン・ドラマ長編
『真夜中のカーボーイ』のジョン・シュレシンジャー監督が、米兵と英国女性の国境を越えた愛を繊細に描く。ロマンチックな青年米兵を演じる若き日のリチャード・ギアや、名女優ヴァネッサ・レッドグレーヴに注目!
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欲望(1966)
67年カンヌ映画祭パルムドール受賞。最後の“巨匠”ミケランジェロ・アントニオーニの野心的な実験映画
サスペンスとして始まりながら、途中で、映画としてストーリーを物語ることを止めてしまう、という実験的試み。最後の“巨匠”ミケランジェロ・アントニオーニが60年代に放った、映画史上屈指の重要作だ。
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ジュリエットからの手紙
「ロミオとジュリエット」の物語から新たな感動が生まれる──1通の手紙がつなぐ至福のロマンス
「ロミオとジュリエット」のモデルとなったジュリエットの生家に世界中から毎年届く“ジュリエット・レター”をモチーフに織りなすラブロマンス。世界遺産の街ヴェローナから自然豊かなトスカーナまでの旅も美しい。
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英雄の証明
シェイクスピア悲劇を現代風に大胆アレンジ。名優レイフ・ファインズが初監督に挑んだ異色ドラマ
監督初挑戦のレイフ・ファインズが、シェイクスピアの最後の悲劇「コリオレイナス」を映画化し、現代風に大胆アレンジ。手持ちカメラを用いた手法や、原作のセリフをそのまま引用した会話劇など才気豊かな演出が秀逸。
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PROGRAM/放送作品
恐怖ノ黒洋館
親が死に実家に戻った男が味わう怪奇体験。監督の実体験をもとにした、唯一無二の不気味インテリア・ホラー
登場人物はほぼ一人。そのかわり全編の舞台となる一軒家の、不気味だがどこか魅力的な、異様な存在感を放つ調度品を執拗に撮り続ける異色作。最後に明らかになる原題「ロザリンド・リーの遺志と遺言」の意味とは!?
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PROGRAM/放送作品
ディープ・インパクト
巨大彗星の衝突が迫る中、極限下で織りなす群像ドラマに涙が止まらない…パニック・スペクタクル大作
監督を務める予定だったスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮に回り、『ピースメーカー』のミミ・レダー監督が演出。地球滅亡の危機の中、究極の決断を迫られる人々の人間模様を感動的に織りなす。
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PROGRAM/放送作品
ジュリア
唯一無二の親友同士が育んだ絆は永遠に…生涯にわたる友情を名女優の競演で綴るヒューマンドラマ
女性劇作家リリアン・ヘルマンの自伝的著書を『地上より永遠に』のフレッド・ジンネマン監督が映画化。アカデミー助演男優賞(ジェイソン・ロバーズ)、助演女優賞(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)、脚色賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
(吹)ミッション:インポッシブル 【日曜洋画劇場版】
往年の人気TVシリーズ「スパイ大作戦」がトム・クルーズ主演で蘇る!大ヒット・スパイアクション第1弾
トム・クルーズが主演と製作を兼任し、往年の人気TVシリーズ「スパイ大作戦」を映画化。宙吊りでCIA本部に侵入する場面をはじめ、映像の魔術師ブライアン・デ・パルマの才気が派手なアクションで光る。