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PROGRAM/放送作品
悪魔の棲む家(2005)
呪われた地下室から殺人鬼がやってくる!惨劇再び!恐怖倍増!死ぬほど怖い新バージョン!
ホラーの名作であるオリジナル版を、当時よりも進化した撮影技術を駆使して創りあげた恐るべきリメイク作品。悪魔の棲む血塗られた地下室の謎が暴かれ、実際にあった超常現象の恐怖が描かれる。
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COLUMN/コラム2015.12.15
チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?
売れない俳優だけど独身生活を謳歌しているミッチと、敏腕弁護士だけど子どもの世話に追われているデイヴ。すべてが正反対だけど大親友の二人は、ひそかに互いの生活を羨んでいた。ある夜、酔っ払ってベロベロになった二人は、噴水の前で「人生を交換したい!」と同時に本音を口に出してしまう。すると一瞬あたりは真っ暗闇に。気づいた時、二人の体は本当に入れ替わっていた。元に戻ろうとしても、魔法の噴水は改修工事で撤去されて跡形もない。仕方なくミッチ(中身はデイヴ)とデイヴ(中身はミッチ)は互いになりきって生活するのだが ……。 正反対の立場のふたりの体が、不思議なパワーで入れ替わってしまうというプロットの、所謂<入れ替わりコメディ>は、お堅い母親とヤンチャな娘が入れ替わるジョディ ・フォスター主演作『フリーキー・フライデー』(77年、のちにリンジー・ローハン主演で03年に『フォーチュン・クッキー』としてリメイク)から、男女が入れ替わる大林宣彦の『転校生』(82年)まで、これまで様々な作品が作られてきた。 『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』はこうした伝統を受け継ぎながらも、ある種このジャンルの<究極形>とも呼べる作品だ。そう言いたくなる理由のひとつは、本作のスタッフの過去の仕事にある。 監督のデヴィッド・ドブキンは、最新作こそシリアスな裁判ドラマ『ジャッジ 裁かれる判事 』(14年)だったけど、元々は多くのコメディ映画を手がけてきた人物だ。その中の一本『ブラザーサンタ』(07年)は、あのサンタクロースにグウタラな兄貴フレッドがいたという設定のもと、彼が弟の代わりに世界中の子どもたちにクリスマス・プレゼントを届ける立場になってしまうというものだった。つまりフレッドはサンタと入れ替わるのだ。 脚本家のジョン・ルーカスとスコット・ムーアも入れ替わりコメディを手がけている。それはあの『ハングオーバー!』シリーズ(09〜13年)。この三部作の事実上の主人公は歯科医のスチュワートだが、小心者でキマジメな彼は親友の独身さよならパーティーで泥酔した翌朝、自分の歯が無くなっていることに気づく。おぼろげな記憶を辿りながらスチュワートは、自分が普段とは正反対のワイルドな一夜を過ごしたことを知る。つまりこの物語では破天荒な男が小心者と入れ替わっていたということになる。そしてスチュワートは、もうひとりの自分を知ることを通じて成熟した男へと成長を遂げるのだ。 このことでも明らかなように、別の人物と入れ替わるという体験は、他人を理解することによって本来の自分を発見する体験でもある。こうしたちょっと哲学的なテーマをギャグと一緒にイヤミなく語ってくれるところにこそ<入れ替わりコメディ>の魅力がある。このジャンルで既に十分な成果を挙げてきた作家たちが、満を持して関わった『チェンジ・アップ』では、そんな<入れ替わりコメディ>の魅力が全編に溢れている。 『チェンジ・アップ』がこのジャンルの究極形であるもうひとつの理由は、キャスティングだ。というのも、主演俳優の二人ほど<遊び人><マジメ人間>というパブリック・イメージを持っているハリウッド俳優はいないからだ。 遊び人のミッチを演じるライアン・レイノルズの劇場映画初主演作は、『アニマルハウス』の製作で知られるパロディ雑誌ナショナル・ランプーンが手がけた『Van Wilder』(02年)というコメディだった。ここで彼が扮したのは、遊びすぎで留年しまくっていたことがバレて親からの仕送りを打ち切られてしまった大学生。だが彼は長年のキャンパス生活で培った合コン・スキルを活かしてビジネスで大成功する。 このアナーキーな作品によって同性の圧倒的支持を獲得したレイノルズは、長身とマッチョなボディを武器に、『ラブ・ダイアリーズ』(08年)や『あなたは私のムコになる』(09年)といった恋愛モノで異性のファンもゲット。また『グリーン・ランタン』(11年)や『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』(13年)といったコミック原作の大作に次々と主演を果たし、16年には自ら企画から深く携わった『X-メン』シリーズのスピンオフ作『デッドプール』が公開予定だ。 一方のマジメ人間デイヴに扮したのはジェイソン・ベイトマンである。もともと彼は、あの伝説的なテレビドラマ『大草原の小さな家』にレギュラー出演していた天才子役だった。しかしハリウッド・スターにしてはあまりに華がない普通の顔をした大人に育ってしまったためか、成人後のキャリアはパッとしないものだった。 だが三十歳を超えて出演したテレビ・コメディ『ブル~ス一家は大暴走!』(03年〜)がベイトマンの運命を変えた。ここで彼が演じたのは、奇人変人だらけの一家にあって唯一マトモな主人公。「なんで僕だけがこんなツラい目に遭うんだ。でも僕が耐えるしかない。」そんなやるせない感情を、諦めきった表情と長いキャリアで培った演技力によって表現しきったベイトマンは一躍<普通人の代表選手>となったのだった。 この当たり役で得られた彼のキャラクターは、ハリウッドに進出して主演した『モンスター上司』(11年)や『泥棒は幸せのはじまり』(13年)といった映画においても全く変わっていない。ベイトマンの本領は、奇人変人に振り回される悲しき小市民を演じるときに最大限に発揮される。 そんなレイノルズとベイトマンだが、実は私生活でも大親友らしい。なんでも『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』(07年)で共演したことをきっかけに意気投合し、再共演に相応しい脚本を待っていたのだとか。ふたりの間に本当に深い交流が存在するからこそ、中盤以降の<互いになりきった演技>が破壊力満点なものになっていることは間違いない。 こうしたシーンでは前述の通り、彼らの<本来の自分>の姿が顔を覗かせているのも興味深い。いつもと正反対のハチャメチャな言動を繰り広げるベイトマンからは、長い低迷期にもメゲなかった神経の図太さが感じられるし、レイノルズのいつにない繊細な演技は、アラニス・モリセット、元妻のスカーレット・ヨハンソン、そして現夫人のブレイク・ライヴリーといった気が強そうな美女たちが何故彼にメロメロになったのかという長年の謎を解き明かすものになっている。 最後に、こうした二人に振り回されるデイヴの妻を演じたレスリー・マンについても触れておきたい。一般的には『素敵な人生の終り方』(09年)や『40歳からの家族ケーカク』(12年)といった夫ジャド・アパトーの監督作におけるヒロイン役が代表作とされている彼女だけど、『ダメ男に復讐する方法』(14年)や『お!バカんす家族』(15年)といった夫以外の監督作での脇に回って披露するキレキレのコメディ演技も素晴らしい。 そんなレスリーが、夫以外の監督作で珍しくヒロインを演じていたのが『セブンティーン・アゲイン』(09年)というティーン・コメディだった。この作品で彼女が扮していたのは、冴えない夫を家から追い出した主婦。ある日、彼女のもとに出会った当時の夫そっくりのピカピカの少年が現れる。実は彼こそが不思議なパワーで姿を替えられてしまった夫その人だったのだ。そんな事情を知らないレスリーはトラブルに巻き込まれていくことになる。そう、彼女が他人と入れ替わった夫と遭遇するのは『チェンジ・アップ』が初めてではないのだ。 © 2012 Universal Studios. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
ラブ・ダイアリーズ
父が語る3人の女性との恋愛遍歴…本当の母親は誰?謎解きも恋模様も楽しめるラブ・コメディ
『ブリジット・ジョーンズの日記』などを輩出した“ラブコメの名門スタジオ”ワーキング・タイトルが贈るハートフル・コメディ。父の恋愛を振り返る回想場面と、家族の絆がこもった父娘のやり取りが絶妙に交錯する。
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COLUMN/コラム2013.02.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年3月】山田
という、ポルナレフ状態に追い込まれた一人の男を描いたシチュエーション・スリラー。間違いなく「嫌な死に方ベスト5」にランクインするであろう圧死、窒息死の恐怖からの脱出を試みるというのがこの映画のあらすじなのだが、舞台は終始徹底して棺桶の中、登場するのは主人公ポールただ一人と、あとは携帯電話、ライターぐらい。しかし、この映画のスゴイところは、「人が焦りながら電話するのを、ただひたすら見続けて何が面白いか」とこれっぽっちも思わせないところ。観ている者を最後まで飽きさせない計算された展開で、緊張感はノンストップ。まさにアイディアひとつ!きっとものすごい低予算映画なのだろうな!と感心しておりましたところ、製作費は約2.5億とのこと。意外と高かった © 2009 Versus Entertainment S.L. All Rights Reserved
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PROGRAM/放送作品
ブレイド3
最終章に相応しくオールスターキャストが結集した吸血鬼SFホラーアクション三部作完結編!
ウェズリー・スナイプス、クリス・クリストファーソンのレギュラー・メンバーに加え、ジェシカ・ビール、『グリーン・ランタン』のライアン・レイノルズ、『プリズン・ブレイク』のドミニク・パーセルと豪華キャストが加わった完結編!
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COLUMN/コラム2013.02.24
2013年3月のシネマ・ソムリエ
■3月2日『昼顔』 ヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた鬼才L・ブニュエルの異端的名作。昼はマゾヒスティックな欲望に囚われた娼婦、夜は貞淑な人妻という二面性を持つ女性の物語である。馬車から引きずり下ろされたヒロインが森で縛られ、鞭で打たれるオープニングなど、倒錯的な官能描写が随所に。現実と妄想の境界を取り払ったブニュエルの演出が冴え渡る。当時23歳のC・ドヌーヴの美しさは眩いほどで、恍惚の表情やイヴ・サンローランの衣装をまとった気品も圧倒的。“淫ら”な内容でありながら、優雅な雰囲気にも酔える逸品だ。 ■3月9日『ジェイン・オースティンの読書会』 世話好きの女性バーナデットが愛犬を亡くした友人を励まそうと、ジェイン・オースティンの読書会を企画。こうして男性ひとりを含む個性豊かな6人のメンバーが集結する。全米ベストセラーになった同名小説の映画化。多様な人生の機微が詰まったオースティンの6つの小説の内容に、悩み多き男女6人の個人的事情が重なっていく設定が面白い。教え子との禁断の恋に揺れる教師役E・ブラントなどキャストも魅力的で、オースティンの愛読者ならずとも楽しめる。大人向けのロマンチック・コメディというべき佳作である。 ■3月16日『[リミット]』 地中に埋められた棺桶の中で目を覚ました青年のサバイバル劇。全編の舞台を棺桶内に限定し、画面に映る登場人物はひとりだけという究極のシチュエーション・スリラーである。 トラック運転手の主人公はイラクでの仕事中に何者かに襲われ、生き埋めにされてしまった。携帯電話で外部に連絡し、必死に救助を求める姿が息づまるスリルを呼び起こす。監督は「レッド・ライト」も好評を博したスペインの俊英R・コルテス。緻密な脚本、変化に富んだカメラワークも秀逸で、緊張が頂点に達する結末までまったく目が離せない。 ■3月23日『ヘンダーソン夫人の贈り物』 1937年、夫の莫大な遺産を相続した未亡人が古びた劇場のオーナーになり、英国初のヌードレビューを上演する。実話にもとづく笑いと涙たっぷりのヒューマン・ドラマである。ロンドン空襲時にもショーを上演し、戦場に赴く若い兵士たちを勇気づけたウィンドミル劇場。その感動秘話を、名匠S・フリアーズが軽快かつ陰影に富んだ演出で見せていく。 “007”シリーズのM役でおなじみの大女優J・デンチが、豪胆にして心優しいヘンダーソン夫人を好演。劇場支配人役のB・ホスキンスとの掛け合いもコミカルで味わい深い。 ■3月30日『ルパン』 “ルパン”シリーズの生みの親、モーリス・ルブランの生誕100周年記念作品。フランス映画界が「カリオストロ伯爵夫人」を下敷きにして完成させたアドベンチャー大作である。駆け出し時代の若き怪盗ルパンが身を投じた秘宝争奪戦。希代の悪女たるカリオストロ伯爵夫人との確執、美しき従妹クラリスとの恋など、盛りだくさんのエピソードが展開する。R・デュリス演じるルパンは日本の人気アニメのそれとはかなりイメージが異なるが、無鉄砲で情熱的な魅力を発揮。豪華な装飾品や変装シーンなどの凝ったギミックも満載だ。 『昼顔』© Investing Establishment/Plaza Production International/Comstock Group 『ジェイン・オースティンの読書会』© 2007 Sony Pictures Classics Inc. All Rights Reserved. 『[リミット]』© 2009 Versus Entertainment S.L. All Rights Reserved. 『ヘンダーソン夫人の贈り物』©MICRO-FUSION 2004-1 LLP 2005 『ルパン』© Investing Establishment/Plaza Production International/Comstock Group
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PROGRAM/放送作品
[リミット]
地中の棺に閉じ込められて動けない…奇抜なシチュエーションで描く、見るだけで息苦しい密室スリラー
巧みなカメラワークや携帯電話の会話をアクセントに、棺の中だけで展開するワン・シチュエーション・スリラー。『デッドプール』のライアン・レイノルズが、極限状況で孤軍奮闘する主人公を圧巻の一人芝居で熱演。
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COLUMN/コラム2009.08.01
アナタ顔出しOK? それともNG? お好みにあわせて選ぶ『悪魔の棲む家』
30超えた男が言うのもなんだけど、僕は高い所とホラー映画が苦手だ。この意見に同意してくれる人はきっと少なくないはずだが、高いところも、ホラー映画もどうしてワザワザ体験したいのかがよく分からない。百歩譲って、高いところはまだ理解できる。気持ちいいとか景色が良いとか。でもホラー映画好きは? 単純に恐いのが好きってことなんだろうか? 少しでもその性質を理解すべくあれこれ調べていると、灯台もと暗し。思わぬところにヒントがあった。アイドルとホラー映画について書かせたら右に出る者はいない、編成部・飯森さんのブログである。「ワタクシどもホラー映画好きなんてのは因果なモンでして、まぁ、たとえて言や、辛いもの好きと似たようなもんです。もう、味覚が狂っちゃってますから。普通の人ならカネくれても食いたくないような、体に毒ってなぐらい真っ赤な色した罰ゲーム級刺激物を、喜んで「美味い美味い」と食う、変な人たちなワケですわ。」なるほど。やっぱりホラー映画好きは変な人らしい。マッサージでよく言う「痛気持ちいい」とか、平城遷都1300年記念事業の公式マスコットキャラクター"せんとくん"に使われる「キモカワイイ」みたいなものだろうか? でも「恐いもの見たさ」という言葉もあるぐらいだから、「恐けりゃ恐いほど満足」する性質ってことなんだろう。完全なMである。ともかく。普段はホラー映画をほとんど観ない僕が、このたび恐れ多くもホラー映画二本立てにチャレンジすることになった。今回、当チャンネルで放送する『悪魔の棲む家』は1978年に出版された『アミティヴィルの恐怖』というノンフィクション(?)を映画化した作品なのだが、この本はニューヨーク州で実際に起こった出来事を基にしたという触れ込みで、当時はかなり売れたらしい。映画は1979年に製作されたいわゆるオリジナル版と、2005年のリメイク版の二作品がとくに有名だが、実はリメイク版が製作されるまでに、6本も続編が作られているようなので、相当コアなファンがいるようだ。でもまあ、それもそのはず。1973年公開の『エクソシスト』以降、映画界は空前のホラー・オカルト映画ブームを迎えることになり、『オーメン』『悪魔のいけにえ』をはじめ、70年代には良質なホラー映画が雨後の竹の子のごとく登場した。『悪魔の棲む家』もまさにその一角。ホラー映画黎明期とでも言うべき時代に作られた、ホラー映画史を語る上で欠かせない金字塔である!と、色んな資料にある。(すみません、なんせホラー映画、苦手なモンですから)二作品を比較すると、ストーリーはオリジナル版、リメイク版ともにほぼ同じ。 湖畔に建つ瀟洒な家で、長男が家族を惨殺する事件が起きる。そして数年後。いわくつきの家に、結婚したばかりのラッツ一家が引っ越してくる。彼らは子連れの奥さんと、新しいお父さんからなる一家なのだが、過去の惨事を知りつつ、お値打ちな価格に負けて家を購入したことから、予想もしない悲劇に襲われてしまうのである。さて、この『悪魔の棲む家』。オリジナル版とリメイク版のもっとも大きな違いは何だと思います? このヒントも前述したブログ「異説!珍説!! 『ダーク・ウォーター』カラムーチョ仮説とは!?」にあるのですが、読んでいない方のためにはしょって説明すると、ホラー映画において、幽霊の顔や姿が見えるか否かはヒジョーに重要なポイントで、それらがハッキリ見えちゃうと、かえって恐くないという理論があるらしい。僕はホラー映画をあまり見ないので、そのときは「ふーん、そうなんだ」とテキトーに読み飛ばしたのだが、『悪魔の棲む家』を続けて見て、図らずもその理論を体験することになった。つまり、『悪魔の棲む家』のオリジナル版とリメイク版のもっとも大きな違いは、幽霊が見えるかどうか、にあるのだ。 二作品共通の恐怖ポイントに、ラッツ一家の末娘、チェルシーだけに見えるジョディという幽霊の存在がある。ジョディは、例の事件で被害にあった女の子のことで、オリジナル版では誰も座っていないはずのロッキングチェアが揺れたり、ドアが突然開いたりと、割とオーソドックスな形でその存在を観客に伝えるのだが、リメイク版では弾丸の痕が痛々しい、いわば惨殺されたて(?)の姿で登場。これは恐い。幽霊は見えないほうが恐いのだ!という理論を否定するワケじゃないけど、『悪魔の棲む家』に限って言えば、僕はリメイク版、つまり幽霊が見えるほうが恐かった。映画全体としても、リメイク版のほうが話がすっきりとしていて、映像のテンポもいい。でもオリジナル版がつまらないかというと、そうじゃない。ホラー映画史に名を刻む傑作だけに、派手さはないが着実に恐怖を煽ってくる、まさに正当派ホラーという印象。どちらも僕のようなホラー映画初心者にとっては、かなりいい入門編となった。しかも、二作品を比較して観ることで、思わぬ発見もあった。それは『悪魔の棲む家』を見比べることで、自分は幽霊が見えるほうが恐いのか、はたまた見えないほうが恐いのかを、リトマス紙的に調べることができたのである。これを知っておけば、今後の人生に大きな影響を与える・・・ほどではないにせよ、少なくともホラー映画鑑賞の際の有力な情報にはなる。たとえば映画館で、「これは(幽霊の)顔出しアリだから恐くなさそう。じゃあ今日は違うやつにしよう」といった具合に、その日の気分にあわせて、間違いのない作品選びができるわけだ。(←ホントか!?)『シャイニング』を観たときも、僕は双子の女の子の幽霊が出てきたときが一番恐かったのを鑑みると、どうやら僕は顔出しNGのようだ。そんなわけで、ホラー映画のリトマス紙として観るも良し、ホラー映画初心者が入門編として観るのも良しな『悪魔の棲む家』。もちろん、これをきっかけにホラー映画好きになれば、これまで知らなかった新しい世界が広がります。マニアも、初心者もぜひ一度おためし下さい。■(奥田高大) 『悪魔の棲む家(1979)』©1979 ORION PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.『悪魔の棲む家(2005)』©2005 UNITED ARTISTS PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
(吹)デンジャラス・ラン
[PG12]国を敵に回した元スパイとの危険な逃避行。デンゼル・ワシントン主演のサスペンス・アクション
デンゼル・ワシントンが伝説のCIA諜報員を熱演したサスペンス・アクション。元工作員をアドバイザーに迎え、CIAの内情をディテールまでリアルに再現。新鋭ダニエル・エスピノーサのハリウッド初監督作。
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NEWS/ニュース2012.07.10
アクションスター列伝【ヴァンパイア対決】結果発表!
『ブレイド2』&『ブレイド3』(ウェズリー・スナイプス)人間とヴァンパイアの混血 ブレイドに扮するウェズリー・スナイプス。人間に害するヴァンパイアを抹殺するため戦い続けるヴァンパイアハンター。 VS 『ニア・ダーク/月夜の出来事』(ジェニー・ライト)吸血鬼の少女メイに扮するジェニー・ライト。セクシーな振る舞いで今夜も生き血を求め、男を誘う。 最強のヴァンパイアはどっちだ!?いざ、対決! 『トワイライト』シリーズや『アンダーワールド』シリーズの最新作、リメイク版『フライトナイト』にジョニー・デップ主演の『ダークシャドウ』、岩井俊二監督の新作『ヴァンパイア』など、今年は吸血鬼映画が花盛り。ここでも、やはり吸血鬼を戦わせないといけない! というワケで、吸血鬼なのにヴァンパイアを憎む異能のヒーローの活躍を描いた『ブレイド』シリーズPart2&3のウェズリー・スナイプスと、美少女ヴァンパイアと青年の危険な恋を描く『ニア・ダーク/月夜の出来事』のヒロイン、ジェニー・ライトの対決である。 マーベル・コミック原作の『ブレイド』シリーズでスナイプスがふんする主人公ブレイドは、ヴァンパイアと人間の混血で、吸血鬼を撲滅することに命を懸けている戦士。2作目では同族の血をも求める凶悪な新種スーパー・ヴァンパイア、3作目ではヴァンパイア族の無敵の始祖を相手に、それぞれ壮絶な死闘を繰り広げる。その戦いぶりは、もう豪快そのもので、刀を振るい、ブーメラン型のナイフを放っては、ヴァンパイアをシュワッと粒子化して消滅させる気持ち良さ。カラテの有段者であるスナイプスらしく、肉弾戦の見せ場もふんだんで、頭部よりも上に決まるスピード感たっぷりのハイキックだけでなく、滞空式ブレーンバスターまで見せつけるのだから、これはもう超・総合格闘技と呼びたい。トレードマークのサングラスもクールで、オレ様指数の高い活躍にエキサイトさせられる。■一方の『ニア・ダーク/月夜の出来事』は『ハート・ロッカー』でアカデミー賞を射止めた女流監督キャスリーン・ビグローのデビュー作として知られている。 ビグロー監督といえば同作はもちろん、『ハート・ブルー』や『K-19』などの女性らしからぬ超・硬派な作品で知られているが、描かれる女性キャラも精神的にタフだ。本作でジェニー・ライトが演じるヒロイン、メイは一見、ショートカットのキュートなヴァンパイア。荒くれ者ぞろいの吸血鬼集団の中ではか弱くも見えるが、愛する男を守るためには仲間を敵に回す覚悟がある。それだけでなく、彼のためなら命を懸けて、日光の下にも飛び出す一途さ。こんなにも想われる男は幸せ者だ。さて勝敗だが、ガチでぶつかったら、そりゃあもうスナイプスの圧勝だろう。しかし牙を剥いてくる敵には容赦しない男の中の男ブレイドにも人間味があって、ワケありの可憐な女子を、たとえ彼女がヴァンバイアであってもボッコボコにするはずがない。それはどう考えても、“俺様”の美学に反するじゃないか。とういうわけで、ジェニー嬢がスナイプスに勝ちを譲られる、という結末で締めたい。 以上のように、【ヴァンパイア対決】を制したのは、「ニア・ダーク/月夜の出来事」のジェニー・ライト! 明日7/11(水)のアクションスター列伝は【アジア人対決】!こちらもお見逃しなく!■ ©2002 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.「ブレイド3」 ©MMIV NEW LINE PRODUCTIONS,INC. (c)MMV NEW LINE HOME ENTERTAINMENT,INC.ALL RIGHTS RESERVED.