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PROGRAM/放送作品
スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
まるでゲームのようなバトル!英国コメディの雄E・ライト監督がオルタナ系のカナダのコミックを映画化
『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ホット・ファズ』、『ワールズ・エンド』でコメディファンを唸らせるエドガー・ライト監督が、日本のマンガ、ゲーム等に多大な影響を受けているカナダの有名コミックを映画化。
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COLUMN/コラム2017.05.16
21ジャンプストリート
新米警察官のシュミットとジェンコ。ふたりは高校時代それぞれイケてないグループとジョックス・グループに属していたため犬猿の仲だったものの、卒業後に入学した警察学校で偶然再会して意気投合、今では大の親友だ。そんなふたりに、高校生になりすまして学内のドラッグ・ルートを突き止める潜入捜査が言い渡された。トラウマを思い出して浮かないシュミットと「黄金時代再び!」と張り切るジェンコだったが、潜入先の高校のカーストで頂点に立っていたのは何故か文化系だった。慌てて当初の予定と逆転して潜入捜査にあたるものの、現役時代とスクールカーストが逆転したことでシュミットとジェンコの仲はギクシャクしてしまう。そのせいで一向に捜査は進まず、署長(アイス・キューブ!)は怒り狂う。はたしてふたりは犯人を逮捕できるのだろうか? 『21ジャンプストリート』は、ジョニー・デップが80年代に主演していた同名テレビドラマの映画化作品だ。デップ扮する若手刑事が高校に潜入して事件を解決していくこの青春ドラマは、彼を一躍ティーンの人気者に押し上げた。ある時期までのデップにカルトなイメージがあったのは、同作で得たイメージを払拭するためにトンがった映画ばかりに出演していたからだ。そんな伝説のドラマの映画化に際して製作、原案、主演の三役を任されたのは、デップとはまるで正反対のイメージを持つジョナ・ヒルだった。 83年ロサンゼルスに生まれたヒルは、幼い頃から演劇と映画にハマり、ニューヨークの映画学校に進学。そこでジェイク・ホフマンという男と親友になった。ある日、ヒルは自作の劇をバーで上演。これを偶然観に来ていたジェイクの父ダスティン(そう、あの名優の)が面白がって、自分の出演が決まっていたデヴィッド・O・ラッセル監督作『ハッカビーズ』(04年)のオーディションを受けるように進言。これが映画デビュー作となった。なおヒルとジェイクは後に『もしも昨日が選べたら』(06年)と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(14年)でも共演している。 続いてヒルは、ジャド・アパトー監督、スティーブ・カレル主演の『40歳の童貞男』(05年)のオーディションに合格し、クレーマーっぽい客を好演。これをきっかけにアパトーの監督作『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』(07年)やスティーブ・カレルの主演作『エバン・オールマイティ』(07年)にも出演し、アパトー・ギャングに欠かせないバイ・プレイヤーになっていった。 そんなヒルに全てを賭けたのが、アパトー・ギャングにおける兄貴分セス・ローゲンだった。彼は、自ら製作と脚本を手がけた半自伝コメディ『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07年)の主人公”セス”役にヒルを指名したのである。「意中の女子(ちなみに演じていたのは当時全くの無名だったエマ・ストーン!)の家で開かれるパーティに酒を調達してくればヤラせてもらえるかもしれない」そう思い込んだヒルが暴走を繰り広げる同作は大ヒットを記録し、学園コメディの新たな古典となった。 その後もヒルは、ギャング仲間のジェイソン・シーゲル主演作『寝取られ男のラブ♂バカンス』(08年)やアパトー監督、アダム・サンドラー主演のお笑い賛歌『素敵な人生の終り方』(09年)、マザコンのニートに扮した『僕の大切な人と、そのクソガキ』(10年)、アニメ声優に挑戦した『ヒックとドラゴン』(10年)で脇を固めつつ、ロックスターに振り回されるレコード会社の社員に扮した主演作『伝説のロックスター再生計画!』(10年)をスマッシュ・ヒットさせたのだった。 アパトー関連作以外の出演作としては、ベン・スティラー主演の『エイリアン バスターズ』(12年)や、KKKに扮したタランティーノ作品『ジャンゴ 繋がれざる者』(12年)もあるものの、やはりそれぞれブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオの参謀格を演じた『マネーボール』(11年)と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』が代表作だろう。この二作で彼はアカデミー助演男優賞にノミネートされている。 こうした俳優としての名声の一方で、クリエイターとしてのヒルは、『ベビーシッター・アドベンチャー』を彷彿とさせる一夜物コメディ『ピンチ・シッター』(11年)でのプロデュース経験をあったものの、その才能は未知数だったといっていい。しかし『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』の脚本家マイケル・バコールと組んで作り上げたストーリーは、本人曰く「『バッドボーズ』ミーツ・ジョン・ヒューズ」なぶっ飛んだものだった。 学芸会やホームパーティ、そしてプロムといったティーンムービーのお約束シチュエーションが全部出てくるところもスゴいけど、素晴らしいのはそこにヒネリがあること。『ロミーとミッシェルの場合』(97年)や『25年目のキス』(99年)など、主人公が高校に舞い戻ることになるコメディは普通、主人公が高校時代の立ち位置に引き戻されるものなのだが、この作品の場合、ふたりのカーストは現役時代と逆転してしまうのだ。 生まれて初めて勝ち組になって浮かれるヒルもちろんだけど、下層カーストに落ちたチャニング・テイタムが、現役時代だったらバカにしていたであろう化学部員のギークたちと友情を育むシークエンスはマジで泣かせる。ふたりは高校時代をやり直すことで、ティーンの頃には得られなかった大切な何かをつかんでいく。だからこそ終盤、シュミットがジェンコに語りかける名セリフ「俺とプロムに行ってくれるか」が笑いとともに魂にぐぐっと効いてくる。 それまでぶっきらぼうなマッチョ役ばかりを得意にしていたテイタムが、俳優として覚醒したのは本作からだろう。その効果が顕著だったのが、プロデュースも兼ねた主演作『マジック・マイクXXL』(15年)。前作『マジック・マイク』(12年)自体、男性ストリッパーをやっていた頃の経験を売り込んで作ってもらった持ち込み企画だったのだが、この続編では『21ジャンプストリート』で得たコミカルな要素やブロマンス・テイストが大幅に導入された快作に仕上がっている。 アニメ『くもりときどきミートボール』(09年)をきっかけに本作の監督に抜擢されたフィル・ロードとクリストファー・ミラーの演出も、これが実写がはじめてとは思えない的確さだ。大ヒットした本作の後、このコンビは14年に続編『22ジャンプストリート』と『LEGO MOVIE』(ヒルとテイタムも声優として出演)をダブル・ヒットに導き、来年には若き日のハン・ソロをフィーチャーした『スター・ウォーズ』スピンオフ作が公開予定だ。 『21ジャンプストリート』のもうひとつの魅力は、何気に豪華な助演陣。ふたりが潜入する先の高校生を演じるのは後のアカデミー主演女優ブリー・ラーソンとデヴィッド・フランコ。校長役はこの年に放映開始された『New Girl / ダサかわ女子と三銃士』でブレイクすることになるジェイク・ジョンソンだ。この頃はまだテレビの人気者だったニック・オファーマンやエリー・ケンパーの姿も見える。 そしてあえてサプライズをバラそう。ジョニー・デップが相棒役だったピーター・デルイーズとともにオリジナル版のキャラクターとして登場するのだ! 長年デップはこの番組を黒歴史と捉えていると聞いていたので、それを覆す本作でのハジケっぷりにはビックリさせられた。というわけで、どこで彼が登場するかも楽しみにしながら観てほしい。 21 JUMP STREET © 2012 Columbia Pictures Industries, Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc.. All Rights Reserved
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PROGRAM/放送作品
21ジャンプストリート
[R15相当]学生時代、脳ミソ筋肉体育会系と非モテおたくの2人が新人警官となりコンビで高校潜入捜査!
1988年から91年まで放送され、ジョニー・デップの出世作となったTVシリーズをリブート。ピープル誌「最もセクシーな男」に選ばれたチャニング・テイタムとコメディ俳優ジョナ・ヒルの凸凹ぶりが笑いを誘う。
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COLUMN/コラム2014.10.07
映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』と、アメコミ映画の現在
■あれから4年 映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』は2010年にアメリカで公開された(日本では翌年公開)。いまから4年ばかり前になる。だが、いわゆる“アメコミ映画”は、この4年のあいだに大きく様変わりした。2012年に映画『アベンジャーズ』が大ヒットすることで、コミックのキャラクターを使った超大作映画が、毎シーズンの目玉としてハリウッドに完全に定着したのだ。 いまや盤石の地位を固め、ますます活況を呈するアメコミ映画だが、その一方で、最近すっかりなりをひそめてしまったジャンルもある。スーパーヒーロー(もしくは、そのパロディ)じゃなく、“SF”や“アクション”といったはっきりしたジャンルでもくくれないコミックを原作にした映画である。あえて分類するなら、“青春”や“文芸”路線とでも呼べばいいのだろうか。かつては2001年の『ゴーストワールド』や、2005年の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』といったコミックの映画化が、細々ではあるが良作を生んでいた。しかし『スコット・ピルグリム』以降、そんな流れには新しい動きがなかなか見られないまま現在に至っている。そう考えると『スコット・ピルグリム』という作品は、時代の転換点に立っているような気がしてくるのだ。コミックとしても、映画としても……。 ■オルタナティブ・コミックとマンガ 映画の原作となったコミック『スコット・ピルグリム』シリーズの著者は、カナダ人のブライアン・リー・オマリー。作品は2004年から2010年にかけて、インディ系の出版社オニ・プレスより、全6巻の描きおろし単行本として刊行された(日本版はヴィレッジブックスより、全3巻で発売)。まずこのコミックが生まれるに至った背景を考えてみよう。 1990年代あたりから、インディ系コミックブックの世界で、日常生活における心理の機微をあるときには繊細に、またあるときにはユーモラスにつづる作品が注目を集めるようになった。表面的な絵柄こそさまざまだったが、こうした派手なアクションやわかりやすいギャグを売り物にしない作品は、当時の音楽の流行に合わせるかのように、“オルタナティブ・コミック”と呼ばれるようになる。そんな流れを代表する作品の一つが、先述の『ゴーストワールド』である。1990年代も後半になると、“オルタナティブ・コミック”を刊行するインディ出版社が増えた。『スコット・ピルグリム』を刊行したオニ・プレスもそんな会社の一つだった。 また、1990年代後半といえば、日本のマンガが本格的に北米進出を果たした時期でもあった。それ以前から『AKIRA』や『子連れ狼』といった、いかにも“日本的”な名作は紹介されていたし、アニメ/マンガ的な絵柄のアメコミだってあった。だがその頃、少女マンガをはじめとして、それまでとは比べ物にならないほど多種多様なマンガが英語圏でも読めるようになり、2000年代に入ると、アメリカの出版社で“アメコミ”ではなく“マンガ”の新人賞すら開催されるまでになったのだ。 2000年代前半には、“オルタナティブ・コミック”もメジャーな出版社から刊行され、ベストセラー・リストに名を連ねるようになっていた。つまり、ことさらに“オルタナティブ(もう一つの)”という言葉を使わなくてもいいくらいに、コミックを使って日常を描く手法が普及した時代、そして“アニメ”、“ゲーム”に続く日本のサブカルチャーとして、“マンガ”が定着した時代に『スコット・ピルグリム』は生まれた、ということになる。 ■映画によるコミック表現の極致 2004年にコミック『スコット・ピルグリム』の第1巻が刊行されると、間もなく映画化の企画が持ち上がった。監督を任されたのは、長編映画第1作『ショーン・オブ・デッド』を完成させたばかりのイギリス人エドガー・ライト。しかし、その頃はコミックがどんな結末を迎えるか、まだ原作者自身にもわかっていなかった。単行本の刊行はおよそ1年に1冊。撮影に入るまでには長い時間がかかり、そのあいだにライト監督は長編第2作『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』を完成させている。 映画制作にあたって、原作者と監督は密にやり取りをした。オマリーは初期の創作メモを提供したので、コミックに使われなかった要素が映画に登場することになった。また、脚本と原作の制作が並行していたので、コミックの後半には、脚本に使われたセリフが取り入れられることもあった。2009年になって、ようやく映画の撮影に入るのだが、コミック最終巻の刊行は映画の公開とほぼ同時期。映画の結末はギリギリの段階で、原作に合わせて変えられた。ここまで原作と映画が相互に影響し合った例も珍しいだろう。 こうして完成した映画版『スコット・ピルグリム』は、“コミックの映画化”の一つの到達点とでも呼べる作品になった。物語が進むにつれて、両者の展開は異なっていくものの、映画における多くの場面や出来事が、原作を踏襲している。撮影はカナダの、コミックに登場した土地で行われた。原作者が位置を忘れていたような場所も、コミックに使った資料写真をもとに探し当てられた。さらに、Tシャツの柄などは当然として、擬音を始めとするマンガ的な記号表現すら画面上で再現されている。オマリーが映画のためにわざわざ記号を描きおろす場合もあったらしい。 興行的には製作費すら回収できずに終わってしまったが、映画版『スコット・ピルグリム』は、2003年の『アメリカン・スプレンダー』や2005年の『シン・シティ』以来の、野心的なアメコミ映画となった。そんなエドガー・ライトがマーベル・コミックスのB級ヒーロー『アントマン』を監督すると聞いて、コミックファンの誰もが期待に胸を躍らせたものだった。だが……。 ■そして現在 今年の5月、エドガー・ライト監督の『アントマン』降板が発表された(彼の脚本は使用される予定)。正式な理由は公表されていない。だが、“マーベル・シネマティック・ユニバース”立ち上げ時からの企画だった同作、その後ユニバースが大成功を収め、拡張していくなか、次第に描ける内容に制約が生じたのではないだろうか。スーパーヒーローのシニカルなパロディ映画『スーパー!』を撮ったジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が、今夏アメリカで一番のヒット作となったことを思うと、なんとも切ない気持ちになる。ちなみに『アントマン』の後任は、『チアーズ!』、『イエスマン “YES”は人生のパスワード』のペイトン・リード監督である。 一方、『スコット・ピルグリム』以降のアメコミ映画の状況は、冒頭で書いたとおり。やはりいまのハリウッドでは、“物語”より“キャラクター”に需要があるのだろう。せめて『ゴーストワールド』原作者の、ダニエル・クロウズによる新作『ウィルソン』の映画化に何か進展があれば……と願うばかりである。 とはいえ、そんな現状も映画『スコット・ピルグリム』を楽しむのには関係ない。『ショーン・オブ・デッド』、『ホット・ファズ』、『ワールド・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』とジャンル映画を巧みに異化してきた監督が、“アメコミ映画”を一つのジャンルとみなして、手法を深め、徹底的に作り込んで娯楽度を高めた作品だ。クリス・エヴァンス(元ヒューマン・トーチ/現キャプテン・アメリカ)、ブランドン・ラウス(元スーパーマン/現アトム)、トーマス・ジェーン(元パニッシャー)といった、ムダに豪華なスーパーヒーロー俳優のゲスト出演にあらためて驚くもよし、ベック、ダン・ジ・オートメーター、コーネリアス、ナイジェル・ゴッドリッチといった面子によるローファイ、8ビットの入り混じった充実の音響を味わうもよし。約1200ページにおよぶコミックを、見事な手際で113分に圧縮した、高密度の映画をぜひ堪能してほしい。■ ©2010 Universal Studios. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
(吹)21ジャンプストリート
[R15相当]学生時代、脳ミソ筋肉体育会系と非モテおたくの2人が新人警官となりコンビで高校潜入捜査!
1988年から91年まで放送され、ジョニー・デップの出世作となったTVシリーズをリブート。ピープル誌「最もセクシーな男」に選ばれたチャニング・テイタムとコメディ俳優ジョナ・ヒルの凸凹ぶりが笑いを誘う。
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COLUMN/コラム2017.03.20
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2017年4月】たらちゃん
今やハリウッド1のセクシーガイの名をほしいままにしているチャニング・テイタムと、親しみやすい風貌と確かな演技力で話題のジョナ・ヒルという、第一線を走るスターコンビを主演に、往年の人気テレビシリーズを映画化した本作。公開されるや否や全米1位の興行成績を記録、今や映画ファンの間でも「絶対に笑える1本」と名前が挙がることも多い作品です。 頭はいいが全てにおいてドン臭いシュミット(ジョナ・ヒル)と、ルックスと運動神経は抜群だが筋金入りのおバカのジェンコ(チャニング・テイタム)は、高校以来の親友同士。互いに助け合い、何とか二人とも警官になるという夢を叶えた。しかし待っていた現実は憧れていたようなクールな日々ではなく、地味な捜査ばかりを任されてばかり。ついつい調子に乗って派手なことをやってみるものの逆効果で大失敗の連続。そんなある日、二人のあまりのおバカさを見かねた上司が、「21ジャンプストリート」という部署に左遷する。学校で子供たちを取り巻く麻薬犯罪を阻止するべく、潜入捜査を命じられた2人は、数年ぶりに「高校生」として生活することに…。 とにかく、本作の魅力はどこまでも突き抜けた「学生テンション」。限界を突破するまで飲んだり、法律を破るスレスレ(すでにアウト?)まで暴れたり、見境なくやりたい放題しまくる2人の様子には抱腹絶倒です。現役高校生に交じって、何とか溶け込もうとするものの、とにかくやることなすこと全てが悪い方向へ行き、トラブルしか招きません。他の作品ではシリアスな演技を見せている人気者2人が、ここぞとばかりに嬉々としておバカコンビを演じているのを見たら、もはや清々しくなってしまいます。名シーンは数多くあれど、特に誤って服用してしまったクスリでラリっているのを、必死に隠そうとするシーンは映画史に残る「ベストくだらない」シーン。幻覚の中で、虹や雲の上でキャッキャと飛び跳ねる、文字通り『お花畑状態』の2人は必見です! 脇を固めるキャストもとっても豪華!今やオスカー女優となった『ルーム』のブリー・ラーソンや、ジェームズ・フランコの弟としても知られる若手実力派デイヴ・フランコも最高ですが、特筆すべきはラッパーから俳優に転身したアイス・キューブ!ジェンコとシュミットの鬼上司を演じています。常に眉間にしわを寄せながら終始キレつづけ、2人をFワードで罵りながらムチャぶりを与える様子は、きっと爆笑間違いなし。本作で名個性派俳優として再ブレイク、新作『Fist Fight』も現在大ヒット中の注目株です。 疲れたときほど、思い切りバカバカしいものを見て笑いたいですよね。そんなとき、ハリウッド製コメディはアメリカンジョークや政治風刺などがどうしても日本人には難しくて、選ぶのが難しいですが…。本作はだれが見ても楽しめる、超絶分かりやすいおバカっぷり!安心してご覧いただけます!もう戻れない学生時代のあの頃、やり直しをきかせようと、捜査に遊びに全力で熱くなる2人の姿を見たら、きっとうらやましくなるはず。皆さんもハチャメチャしていたあの学生時代を思い出して、全てを忘れてハッチャけてみてくださいね。続編も、本作よりさらにレベルアップしていますので要チェック!■ 21 JUMP STREET © 2012 Columbia Pictures Industries, Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc.. All Rights Reserved
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ザ・ギャンブラー/熱い賭け
ギャンブルに溺れた教授が決死の大勝負に!マーク・ウォールバーグが渾身の役作りで挑む破滅のドラマ
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のルパート・ワイアット監督が1974年作『熱い賭け』をリメイク。作品に惚れ込み製作も務めたマーク・ウォールバーグが約27kg減量し、ギャンブルに憑かれた男を熱演。
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COLUMN/コラム2014.05.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年6月】駒騒 貫八
ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」へのオマージュとして知られ、ホラーとコメディとラブストーリーのミックスを試みた映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」。ゾンビ映画好きならご存知の方も多いでしょう。今回紹介させていただくのは、その監督である”映画オタク”エドガー・ライトの2010年の作品。物語の舞台はまだ雪が残るトロント。どこか冴えないバンドのベースを務めるスコット・ピルグリムはゲイの同居人や年下の彼女らと共に、バンド同様冴えない生活を送っていた。しかし、ある日パーティーで出会った(その前に夢の中で会っている)ラモーナに一目惚れをしてから、彼の生活は良くも悪くも激変していく…主演はマイケル・セラ。カナダの若手俳優で、出演作「JUNO/ジュノ」はまだ記憶に新しい。そして彼の同居人役のキーラン・カルキン。カルキンと聞いてあのいたずらっ子を思い浮かべる人も多いと思いますが、その通りマコーレー・カルキンの弟でございます。彼ら二人の台詞の掛け合いも見所の一つ。他にも「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス、アカデミー賞助演女優賞にノミネート経験のあるアナ・ケンドリック、ウェス・アンダーソン作品常連メンバーのジェイソン・シュワルツマンといったそうそうたる面々が名をつらね、日本ではお馴染みの斉藤慶太・祥太も邪悪な元カレ軍団の一員として出演している。冒頭からエドガー節が炸裂します。デジタル化したユニバーサルのロゴ、RPGを思わせるナレーション、軽快なSE(サウンド・エフェクト)によって観客たちをゲームの世界に誘う。どこかで聞いたことのあるゲーム音楽(ゼルダの伝説)、ゲームのステージを連想させる展開、ストリートファイターや鉄拳を彷彿とさせるファイトシーン、ライフゲージ等の演出は観る者にあたかも自らが仮想現実の世界にいるような錯覚をも起こさせる。またこの映画には他にも様々な要素が詰まっています。バックに笑い声が入るホームドラマのようなシーンがあったり、ボリウッドを思わせるダンスシーンがあったり、原作が漫画なこともあり擬音文字が宙を舞ったり。それでいてリアルなところはリアル。過度な演出とリアル、そのギャップがまた僕らを夢中にさせます。前述したように、主人公はバンドマン。そのせいもあってかこの映画は音楽が非常に豪華。レディオヘッドのプロデューサーとしても名高いナイジェル・ゴドリッチを音楽監督に迎え、ブロークン・ソーシャル・シーン、ローリング・ストーンズ、T・レックスらが楽曲を提供、主人公のバンド「Sex Bob-omb」が演奏する曲はベックが作詞作曲している。是非音楽にも”注耳”したい。やりすぎ感がたまらない。いかにもエドガー・ライトな作品ではないでしょうか。この作品、1回観ただけでは味わいきれない面白さがあります。何度も観てほしいです。毎回新しい気付きがあるでしょう。マイケルの可愛いTシャツには注目です。 ©2010 Universal Studios. All Rights Reserved
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PROGRAM/放送作品
ルーム
衝撃の監禁事件──だが真の試練は事件後に待ち受けていた。被害者母子の過酷な戦いを描く感動ドラマ
オーストリアで実際に起きた監禁事件から着想を得たベストセラー小説を映画化。監禁部屋での異常な生活と事件後の社会復帰に苦闘する被害者女性をブリー・ラーソンが熱演し、アカデミー主演女優賞を受賞。
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COLUMN/コラム2014.05.25
2014年6月のシネマ・ソムリエ
■6月1日『ロリータ』 ロリータ・コンプレックスの語源となったナボコフの小説を映画化。巨匠S・キューブリックが『スパルタカス』と『博士の異常な愛情?』の間に発表した異色恋愛劇だ。 中年の文学者が下宿先の未亡人の娘ロリータに心奪われ、人生を狂わされていく。物語は原作に忠実だが、ヒロインの年齢設定などが変更され、モノクロで撮影された。 規制が厳しかった時代の作品ゆえに性描写は一切なく、犯罪映画風の冒頭に続いて、人間のエゴをえぐる破滅的なドラマが展開。脇役P・セラーズの怪演も見逃せない。 ■6月8日『砂漠でサーモン・フィッシング』 中東イエメンの砂漠に川を造り、鮭釣りができるようにしたい。大富豪からそんな壮大なプロジェクトの実現を依頼された、英国人水産学者の奮闘を描くコメディである。 原作はポール・トーディの小説『イエメンで鮭釣りを』。イメージアップをもくろむ英国政府の思惑も絡む物語はシニカルなユーモア満載で、恋愛映画としても楽しめる。 堅物の学者に扮したE・マクレガーと、投資コンサルタント役のE・ブラントの機知に富んだ掛け合いが魅力的。夢や理想といったテーマを爽やかに謳い上げた珠玉作だ。 ■6月15日『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』 『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』の俊英E・ライトが放ったラブ・コメディ。理想の女の子と交際するため、彼女の元カレ7人と対決する青年の物語だ。 ポップカルチャーから多大な影響を受けた監督の漫画やロックへの偏愛が爆発。主人公が次々と出現する元カレとのバトルを突破していく展開は、まさにゲームのよう! 凝った視覚効果や編集テクを駆使し、ファミコンのチープな電子音まで導入。マニアックな小ネタとギャグも詰め込んだ映像世界は、これぞ究極のオタクワールドである。 ■6月22日『パーフェクト・センス』 人間の嗅覚や聴覚といった五感が順次失われていく奇病が世界中で蔓延。そのさなかに恋に落ちたシェフのマイケルと感染症学者スーザンの身体も異変に見舞われていく。 CGによるディザスター描写に依存せず、人類存亡の危機を描いた英国製の終末映画。五感の喪失という現象が一般市民の日常を混乱に陥れる過程をリアルに映し出す。 世界が静寂と暗闇に覆われていく悲劇的な物語が問いかけるのは、愛と希望というテーマ。他者を“感じる”ことの尊さを感動的に映像化したラブストーリーでもある。 『ロリータ』TM & © Warner Bros. Entertainment Inc. 『砂漠でサーモン・フィッシング』©2011 Yemen Distributions LTD. BBC and The British Film Institute All Rights Reserved. 『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』©2010 Universal Studios. All Rights Reserved. 『パーフェクト・センス』© Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010