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PROGRAM/放送作品
(吹)宇宙人ポール
映画ファンをニヤリとさせる名作SFのパロディ満載!宇宙人とオタクの奇妙な旅を描く爆笑コメディ
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などの名コンビ、サイモン・ペッグ&ニック・フロストが脚本と主演を兼任。下ネタ全開の陽気な宇宙人を魅力的に描きつつ、往年のSF映画へのオマージュの数々でニヤリとさせる。
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COLUMN/コラム2015.04.08
なに、この普通人クオリティ!〜『宇宙人ポール』
この作品には今ハリウッドで「普通の人」を演じさせれば天下一品のジェイソン・ベイトマンも出演しているのだけど、二人と比べると彼すらもスターのオーラに満ち満ちているように見えてしまう。なぜ、これほどまでにドン臭く、オーラに欠けた(失礼!)二人が、SFコメディ大作の主演俳優の座に上りつめたのだろうか? 謎を解くにはそこから歴史を10年以上遡らないといけない。 二人が出会ったのは1999年に英国のロンドンで撮影された『SPACED ~俺たちルームシェアリング~』の現場でだった。「友人同士の男女が、カップルだと格安で借りれるアパートに正体を偽って入居したら、そこがオタクの巣窟になってしまった!」というプロットを持つこのシュエーション・コメディ番組は、それまでもいくつかのテレビ番組に出演していた当時29歳のコメディアン、ペッグにとって、企画、脚本、主演の三役を手がけた勝負作だった。 「監督は以前の仕事で知り合って親友になったエドガー・ライトに任せたから大丈夫。問題は自分が演じるSFオタクの主人公ティムの親友でミリタリー・オタクのマイクを誰に演じさせるかだ……」悩めるサイモンの前に現れたのが2才年下のメタボなコメディアン、ニックだったというわけだ。各話に織り込まれた膨大な「オタクあるある」や映画やテレビ番組のパロディがバカウケして、『SPACED』は英国でカルト人気を獲得。固い絆で結ばれたサイモン、ニック、エドガーの三人は映画進出を決意する。 こうして2005年に公開されたのが、サイモン(主演、脚本)ニック(主演)エドガー(監督、脚本)による『ショーン・オブ・ザ・デッド』だった。舞台はサビれた地方都市。サイモン扮する主人公ショーンは、いい齢こいてプレステに夢中なダメ人間だ。だが街中にゾンビが出現したことによって、生きるための戦いに巻き込まれていく。ジョージ・A・ロメロが創始したゾンビ映画にオマージュを捧げながら、米国の都会ではなく英国の田舎が舞台なこと、一般人が銃を所持していないためクリケットのラケットで戦うといったオリジナルとの「落差」によってこの作品は極上のコメディに仕上がっている。 でも落差で笑わせながら、元ネタの精神は守っているところが『ショーン・オブ・ザ・デッド』のスゴいところだ。ロメロの『ゾンビ』(78年)でゾンビの巣窟になるのはショッピング・モールだが、こちらでゾンビが押し寄せてくるのはパブだ。ロメロが『ゾンビ』で米国のモール文化を批判していることに呼応して、ライトは夕方になると必ずパブに行く英国人を皮肉っているのだ。 同じことは演出面にも言える。本作はゾンビ映画として実に真っ当に撮られているのだ。ゆっくりとしか歩けないゾンビたちにヘマを犯した人間が捕まって食べられそうになる際のスリリングさは相当なもの。『ゾンビ』の正式なリメイク作『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『ワールド・ウォーZ』といった近年のハリウッド産ゾンビ映画では、ゾンビは走れる設定に改変されてしまっている。たしかにそっちの方がアクション・シーンは作りやすいのだが、ゾンビ本来の恐ろしさは『ショーン・オブ・ザ・デッド』の方にこそある。 こうした「パロディではあるけれど、ジャンル映画として見ても最高に面白い」いう映画のコンセプトは、トリオ第二作でポリス・アクションのパロディである『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』(07年)でさらに進化を遂げている。サイモン扮する元エリート警察官のニコラスは、左遷で飛ばされた先の田舎町が平和すぎてやる事がない。ニック扮する同僚ダニーから「ロンドンでは銃撃戦をしているのか?」と訊かれて「そんなものはハリウッド映画の中だけだ」と苦い顔で否定してみせる。だが物語はそこから思いがけない方向に転がっていき、銃撃戦はもちろん、カーチェイス、爆発がテンコ盛りの『リーサル・ウェポン』や『バッドボーイズ』も真っ青のド派手なクライマックスへと雪崩れ込んでいくのだ。 この作品はアメリカでも大ヒット。エドガーはハリウッドに招かれ、カルトコミックの実写化作品『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(10年)をマイケル・セラ主演で撮っている。一方でサイモンとニックがアメリカで作った脚本&主演作が、この『宇宙人ポール』だった。 ストーリーは、オタクの祭典「コミコン・インターナショナル」を見にいくためにアメリカにやってきたコミック・オタクのグレアムとクライヴが、墜落したUFOが隠されているという都市伝説で知られるネバダ州の空軍基地「エリア51」付近をドライブ中に、宇宙人のポールと遭遇してしまうことから始まる。つまり今作でネタにされているのは、『未知との遭遇』や『E.T.』といった宇宙人コンタクト物である。 もちろんそうした作品にあるハート・ウォーミングなテイストも今作には満載。特に父から誤った教育を受けてガチガチのキリスト教原理主義者に育てられた女性ルースが、ポールから宇宙の真実を教えられて自立を果たすパートは泣ける。ポールは自分の痛みと引き換えに人間のキズを治療する超能力を持っているのだが、その自己犠牲的救世主的な能力設定には、サイモンとニックによる「イエス・キリスト観」が込められているようにも思える。一見お気楽なように見える『宇宙人ポール』、実は深い作品なのだ。 また監督のグレッグ・モットーラをはじめ、ポールの声優を務めたセス・ローゲン、そしてビル・ヘイダーやクリステン・ウィグといった助演陣は現代アメリカのコメディ・シーンのトップに立つ面々であり、彼らと大西洋を超えて仕事をしたことは、サイモンとニックにとって大きな経験になったはずだ。 この作品の後、ふたりは英国に戻ってエドガーとリユニオン。やはり宇宙人が登場するものの、こちらは侵略SFムービーのパロディである『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(13年)を作り上げた。『ショーン・オブ・ザ・デッド』以来のパブへの偏愛とセカンド・サマー・ラブへのオマージュに満ちたこの作品は大ヒットを記録したものの、三人はこれで三部作完結を宣言。以降はそれぞれの道を歩みだしている。 サイモンは以前からハリウッドきってのヒットメイカー、J・J・エイブラムスに才能を認められ、彼が監督/プロデュースした『ミッション・インポッシブル』や『スタートレック』といった大作シリーズに出演を続けていたのだが、先日『スタートレック』の次回作で脚本を手がけることが発表された。『スターウォーズ』新シリーズを手がけることになったエイブラムスの代わりに『スタートレック』を任されたのかもしれない。『SPACED』のティムが聞いたら嬉しさのあまり卒倒してしまいそうな出世ぶりである。一方、『パイレーツ・ロック』や『スノーホワイト』でイイ味を出していたフロストも故郷英国でプロデュース、原案、主演の三役を務めた社交ダンス・コメディ『カムバック!』(14年)を発表している。 西海岸とロンドンに遠く離れてしまった二人だが心配無用。『カムバック!』にはしっかりサイモンがゲスト出演していたりする。サイモンとニックはこれからも普通人クオリティの顔を並べて、大スクリーンで暴れてくれるはずだ。■ © 2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED
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宇宙人ポール
[PG12]映画ファンをニヤリとさせる名作SFのパロディ満載!宇宙人とオタクの奇妙な旅を描くコメディ
『ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!』などの名コンビ、S・ペッグ&N・フロストが脚本と主演を兼任。下ネタ全開の陽気な宇宙人を魅力的に描きつつ、往年のSF映画へのオマージュの数々でニヤリとさせる。
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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
[PG12]大人になれない男が無謀なハシゴ酒に挑戦!エドガー・ライト監督がSF映画に捧げるコメディ
生粋の映画オタクであるエドガー・ライト監督が、盟友サイモン・ペッグ&ニック・フロストと手がけるB級コメディ3部作の最終作。往年のSF映画に捧げたオマージュの数々や90年代UKロックのオンパレードが楽しい。
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(吹)スノーホワイト/氷の王国
邪悪な女王には最強の妹がいた!魔法の鏡をめぐる壮絶な戦いを描く『スノーホワイト』の続編ファンタジー
グリム童話「白雪姫」をダークファンタジー活劇としてアレンジした『スノーホワイト』の続編。邪悪な女王ラヴェンナを前作に続きシャーリーズ・セロン、その妹“氷の女王”をエミリー・ブラントが妖艶に魅せる。
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スノーホワイト/氷の王国
邪悪な女王には最強の妹がいた!魔法の鏡をめぐる壮絶な戦いを描く『スノーホワイト』の続編ファンタジー
グリム童話「白雪姫」をダークファンタジー活劇としてアレンジした『スノーホワイト』の続編。邪悪な女王ラヴェンナを前作に続きシャーリーズ・セロン、その妹“氷の女王”をエミリー・ブラントが妖艶に魅せる。
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ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!
[R-15]凸凹警官コンビがド派手な銃撃戦を魅せる!刑事映画のパロディ満載で描くアクション・コメディ
『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督が、盟友サイモン・ペッグ&ニック・フロストと再タッグ。過去の刑事映画へのオマージュを散りばめ、映画オタクぶりを発揮する。ド派手な銃撃戦も必見。
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ファイティング・ファミリー
世界最大のプロレス団体WWEで一躍スターに!女性レスラーの支えとなった家族の絆に迫る感動の実話
プロレス一家に生まれ、世界最大のプロレス団体WWEで一夜にして成功を収めた“ペイジ”ことサラヤ・ナイトのシンデレラ・ストーリーを映画化。プロレスに対するペイジの情熱や葛藤をフローレンス・ピューが好演。
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ショーン・オブ・ザ・デッド
[R15+]鬼才エドガー・ライトの出世作!傑作『ゾンビ』にオマージュを捧げた愛すべきホラーコメディ
エドガー・ライト監督の記念すべき長編第1作にして出世作。名作『ゾンビ』を下敷きに、英国流のユーモアを施した愛すべきホラーコメディに仕上げている。サイモン・ペッグとニック・フロストの名コンビぶりも妙味。