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PROGRAM/放送作品
プリズナーズ
[PG12]誘拐された娘のため一線を越える…他人事ではない!ヒュー・ジャックマン主演の衝撃サスペンス
『DUNE/デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、少女誘拐事件を通じて人間の闇を照らし出す問題作。愛娘のため法を破って暴走していく父親役ヒュー・ジャックマンの熱演が圧巻。
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COLUMN/コラム2017.05.03
今ハリウッドが最も注目する映画監督、ドゥニ・ヴィルヌーヴとその作品。最新作『メッセージ』に至る彼の映画とは。
※ヴィルヌーヴ監督の過去作のネタバレが含まれます。未見の方はご注意ください。 ドゥニ・ヴィルヌーヴが『メッセージ』という、変則的ではあれどポジティブなメッセージを持った映画を撮った。ただそれだけのことが大事件に思えるのが、ヴィルヌーヴという才気と野心に満ちた映画監督の作家性と言える。それほどまでにヴィルヌーヴは、強烈で、苛酷で、風変りな映画を作り続けてきたのだ。 『灼熱の魂』で自ら命を絶った母親の苛酷すぎる人生、『複製する男』の迷宮の如き精神世界、『プリズナーズ』でヒュー・ジャックマンが見せた狂気じみた暴走、『ボーダーライン』の法律などお構いなしの歪んだ正義。映画を観てスカッとしたい、ロマンチックな展開にキュンとしたい、腹を抱えて笑いたいなんて気持ちは鉄槌で粉々にされるのがオチだ。もちろんそんな目的でヴィルヌーヴ作品を選ぶ時点で、取り返しのつかない間違いを犯してしまっているわけだが。 とはいえ、ヴィルヌーヴを“わかっている”顔で語るのは危険極まりないことでもある。このカナダ人監督は、観客に解釈の余地を残すタイプの映画作家で、スト―リーを理解する上で重要な要素さえも韜晦のベールに包んでしまう。もはや“よくわからない”ことすらトレードマークになっているにも関わらず、最注目の気鋭監督としてハリウッドで受け入れられている現状は“奇跡”と呼んでいいだろう。 ではヴィルヌーヴの作品はなぜ、どこか観客を突き放したような印象を受けるのか。本人の発言を追ってみると「何度観ても考えさせられ、それでも答えがわからない『2001年宇宙の旅』が大好きだ」と言っていて、乱暴に言えば結論を提示しないオープンエンディングを好む監督ということになる。一方で「どんな題材でも観客に身近な物語として感じて欲しい」とも発言している。 過去作に当てはめてみると、精神的に極限まで追い詰められるような状況を描き、あなたにも起こることかも知れませんよと観客に物語への参加を促しつつ、「すべての答えは風の中さ」と嘯くような作風……いや、かなり歪曲しているのは承知の上ですが、当たらずとも遠からず、ではないだろうか。 もうひとつ、一般的な作劇と異なる要素として、ヴィルヌーヴの映画は主人公が一定しないケースが非常に多い。『灼熱の魂』の主人公は誰かと問われれば、2人の子供に遺書を残した母親と、その遺言によって見知らぬ兄と父を探す旅に出る子供たち、ということになる。しかし物語が終わってみると、冒頭にだけ登場した小さな刺青のある少年こそが、誰よりも重要な人物だったとわかる。 『プリズナーズ』の主人公はヒュー・ジャックマン扮する、娘を誘拐された父親だ。父親は釈放された容疑者の青年を拉致監禁して、娘の居場所を聞き出そうと苛酷な拷問にかける。しかしこの事件は、娘を想うがゆえの常軌を逸した暴力とは別のところで、別の刑事がひょっこり解決してしまう。 『プリズナーズ』はジャンルとしてミステリーの形式を取っていて、『灼熱の魂』は精神的な意味でのミステリーだ。そしてどちらの映画も、複雑に絡み合った糸を解きほぐし、ひとつの筋道にたどり着く類の作品ではない。ヴィルヌーヴの映画に明快な解はない。観終わった時に「これって誰の物語だったのだろう?」と思考を促され、検証すればするほど語られていない物の大きさに愕然とするのである。 『複製された男』は、同じ流れにありながらとんでもない変化球だ。ある大学講師が自分と瓜二つの見た目の役者が存在していることを知り、興味を持って接触しようとする。しかし役者の方が性質の悪い男で、大学講師は美しい恋人を差し出すように脅迫を受けるのだ。 単純化を試みると、『複製された男』は物語自体が「妻(もしくは恋人)には文句ないけど浮気もしてみたい!」という分裂した気持ちのメタファーである。ミもフタもない言い方だが、2人の男は分裂したひとつの人格で、劇中で描かれるストーリーは男の精神世界か妄想ということになる。われわれは見たものすべてを疑ってかからなくてはならない類の作品なのだ。 そしてやっかいなことに、随所に挿入される空撮の目線が誰なのかがよくわからない。神、と言ってしまうのは短絡的すぎる。原作小説に登場する3人目の自分なのかも知れないが、とにかくこの痴話じみた葛藤の物語を、まったく第三者の目線から見下ろしている何者かがいる。ここでも「じゃあこれは誰の物語か?」という疑問が頭をもたげてくるのだ。 前作『ボーダーライン』でヴィルヌーヴと主演のベニチオ・デル・トロは、デル・トロが演じたアレハンドロという男のセリフを9割がた削除した。このアレハンドロこそが原題でもある「SICARIO」であることが終盤で明らかになるのだが、物語の形式上の主人公はエイミー・ブラント扮するFBI捜査官ケイトであり、アレハンドロは登場する分量も少なければ、セリフに至ってはほんのわずか。しかし最も尺を割いているケイトは最後まで傍観者以上の役割を与えられない異様さが、作品のテーマにも繋がってくる仕掛けだ。 ヴィルヌーヴはアレハンドロをまるで脇役であるかのように描写し、クラマイックスで一気に主役交代を成し遂げる。得意の主人公のかく乱だ。ちなみにアレハンドロが愛する妻と娘を亡くしているという設定は実は序盤で示唆されている。メキシコの街フアレスで、車に乗っているアレハンドロの顔から町の壁に貼られている「行方不明者」の張り紙にフォーカスが移動する。共演者のジェフリー・ドノヴァンによると、その行方不明者こそがアレハンドロの妻なのだという。 この伏線に気づく観客はほとんどいないだろうし、気づくにしても2度目以上の鑑賞でなければ不可能に近い。そして気づいたとしても、アレハンドロは貼り紙に一瞥もくれていない。視界の端に入っていて、表情を押し殺して苦悶に耐えているのだ、と想像することはできるが、これも想像でしかない。こういう小さな要素を繋ぎ合わせ、自分なりの答えを探り当てることがヴィルヌーヴ作品の鑑賞法なのである。 そんなヴィルヌーヴが「ダークな作品が続いてさすがに疲れた」と言って撮った『メッセージ』も、素直にハッピーな映画などではない。謎の宇宙船が地球に現れ、未知の地球外生物の言葉を解析しようとする言語学者の物語であると同時に、大切な人を亡くした喪失感にまつわるとてもパーソナルなヒューマンドラマでもある。ただし自分の感情に折り合いをつける方法が「宇宙人の言語体系を通じて既成概念を転換させる」ことなので、やはりゴリゴリの知的SFと呼ぶべきかも知れない。 『メッセージ』の主人公は明確にヒロインのルイーズであり、珍しく単独主人公の作品になっている。が、敢えて言うとこの映画の主人公は「言語」と「概念」である。ついに人間だけでなく概念が主人公になってしまった。この概念と『スローターハウス5』との相似は映画ファンには気にならずにはいられないところだが、ヴィルヌーヴは筆者とのインタビューで「その映画は知らない」と明言したし、原作者のテッド・チャンは小説を執筆してから『スローターハウス5』を知ったというから、偶然の一致以上の答えが出ないのはいささか残念ではある。 そしてヴィルヌーヴの次回作はかの『ブレードランナー』の続編、『ブレードランナー2049』。『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングが主演を務めるだけでなく、前作からデッカード役のハリソン・フォードも再登場する。つい短絡的に「また主人公が複数いる!」と飛びつきそうになるが、そこはヴィルヌーヴ。こちらの予想など鼻で笑うような斜め上をいく怪作に仕上がることを期待したい。■ 『メッセージ』5月19日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー配給:ソニー・ピクチャーズ
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PROGRAM/放送作品
複製された男
[R15+]顔も声も瓜二つの男…一体何者?『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が悪夢の迷宮へ誘う
『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの同名小説を映像化。瓜二つの男2人の対面をジェイク・ギレンホールが一人二役で熱演し、ミステリアスな不条理劇に没入させる。
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NEWS/ニュース2017.10.30
『ブレードランナー 2049』の公開にあわせ、ハリソン・フォードほかキャスト、監督が来日!都内でおこなわれた来日記者会見を完全レポート!
▼登壇ゲスト :ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 日時:2017年10月23日(月) 場所:ザ・リッツ・カールトン東京 司会:伊藤さとり 通訳:戸田奈津子、鈴木小百合 沢山の報道陣の熱気と作品の世界観を現したパネルが印象的な記者会見会場。盛大な拍手と共に、和やかな雰囲気でハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が登壇。 司会:ようこそお越しいただきました。ひと言ずつご挨拶をいただければと思います。素晴らしい映像世界を作り上げてくださいました、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督からお願いします ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督:本当に、日本に来られて非常に光栄に思います。この作品を皆さんと一緒にシェアできるということ、とても今興奮しております。司会:どうもありがとうございます。最強の女性レプリカントのラブ役を演じましたシルヴィア・フークスさんです。シルヴィア・フークス:私は初来日なので、今とても幸せですし、本当にエキサイティングな気持ちです。東京に初めて来て、まさに『ブレードランナー』の世界に入り込んだような、そういう感覚にとらわれています。司会:ライアン・ゴズリング扮するKの恋人ジョイをチャーミングに演じられました、アナ・デ・アルマスさんです。アナ・デ・アルマス:皆さんこんにちは。東京は2回目です。19歳の時だったと思いますけれども、小さなスパニッシュ映画祭がございまして、その時に来ました(2009年「ラテンビート映画祭」で初来日)。また帰ってこられて、本当にうれしい。この映画のことをいろいろお話ししたいと思います。司会:最後に、再びデッカードを演じられました、9年ぶりの来日となるハリソン・フォードさんです。 ハリソン・フォード:私も、また日本に戻ってこられて大変うれしく思っております。台風も追い払ってくださいまして、本当にありがとうございました。昨日の台風は、大変興味深い経験でした。今回この『ブレードランナー』の続編を持ってこられたことを大変うれしく思っております。最初の『ブレードランナー』が、日本での反響がとてもよかったことを覚えており、非常に幸せに思っておりました。この続編を日本の皆さまが、楽しんでいただけることを願っております。 司会:どうもありがとうございました。代表質問をさせていただきます。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督に質問です。『ブレードランナー2049』で描かれている世界観でこだわった部分を教えてください。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督:オリジナルの『ブレードランナー』は2019年という設定でした。我々はその時代に近づいてきていて、最初の映画で描かれた世界とはかなり違う世界になっております。ですから、ある意味パラレルワールド的な別の世界観、最初の『ブレードランナー』の繋がりとして、30年後の世界を今回は描いています。そこにスティーブ・ジョブズは存在しません(笑) 実際の現代社会よりも遥かに厳しい気候や過酷な生活の中で、建築物や乗り物、テクノロジーが進歩した世界を描いています。私にとって一番興味深いのは、未来についてこの映画が語っていることではなく、現在について語っていることです。 司会:ハリソン・フォードさんに質問です。前作から35年ぶりにデッカードのオファーが届いた時の率直な気持ちを教えてください。 ハリソン・フォード:撮影が始まるたぶん4年前だったと思いますが、リドリー・スコットから「デッカードをもう一度やる気があるか?」という電話がありました。「ストーリー次第だけど、とてもやりたい」という気持ちを伝えました。その後、リドリー・スコットから、ハンプトン・ファンチャー(本作の原案を担当)のオリジナル短編を元に書いたシナリオが送られてきました。デッカードがエモーショナルな次元で非常によく書かれており、とても共感できるキャラクターであり、これならいけると思い出演しました。 司会:シルヴィアさんとアナさんにお伺いしたいと思います。『ブレードランナー』への出演オファーを受けた時の気持ちを教えてください。 シルヴィア・フークス:最初のリアクションはプロデューサーのオフィスで、本当に大きな声で叫んだ後、号泣しました(笑)。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ハリソン・フォード、ライアン・ゴズリング…こういう方々と仕事ができるという喜びがありました。そしてこの作品が、私にとって人間的にも女優としても大変重要な映画でした。この方々とこの映画の世界に入り込めるチャンスを掴んだということで圧倒されました。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督:オファーを彼女に伝えた張本人なのですが、彼女の叫び声があまりにも大きくて、耳がちょっと痛かったなと。プロデューサーに「彼女、死んじゃったの?」と(笑) アナ・デ・アルマス:エモーショナルな部分で貴重な経験ができました。ナーバスにもなりましたし、この映画の世界の一部に自分がなるということで、非常にドキドキする部分もありました。皆さんが期待するような演技をできるようにというプレッシャーがありました。素晴らしいキャスト、クルーの方たちと一緒にお仕事をできるということも、非常に胸がワクワクする経験でした。私が演じた「ジョイ」というキャラクターも非常に興味深い女性ですし、一体どういう人間なのかという好奇心も駆られ、非常にやりがいのある役でした。この映画はオーディションからリハーサル、撮影の5か月間、そのすべての期間が私にとって本当に実りある時間でした。 記者1:ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督に質問です。日本のアニメーション監督にも影響を及ぼした前作『ブレードランナー』ですが、監督が35年前にご覧になった時のその衝撃をお聞かせ下さい。また、監督された作品にどんな影響がありましたか?ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督:ある意味『ブレードランナー』以前と以後で、だいぶ違うと思います。リドリー・スコット監督の照明の使い方、また雰囲気の作り方、まったく見たことのない世界観。私の映画にも非常に影響を与えていますし、私の友だちや、同世代の監督たちはこの『ブレードランナー』から非常に影響を受けていると思います。 記者2:ハリソン・フォードさんに質問です。昨日は丸一日オフだったということですが、どのように過ごしましたか?また、どこか行きたい場所はありますか? ハリソン・フォード:雨だったので、近くのショッピングモールを歩いたり(笑)。ホテルの部屋がとても高層だったので、この2日間、雲に閉じ込められて全然外が見えなくて、今朝になってやっと景色が見えました(笑) 東京と京都はもう何度も来ています。京都だけで5度くらい。もし機会があれば地方を自分で運転しながら、ドライブ旅行をしてみたいです。もっと日本のいろんなところに行きたいですね。 記者3(フジテレビ、軽部さん):『ブレードランナー』とハリソン・フォードさんに敬意を表して、こういう衣装(デッカードの衣装をハリソン・フォードに見せて)で来たのですが、いかがでしょう? ハリソン・フォード: (OKサインを出す) 記者3(フジテレビ、軽部さん):ありがとうございます。ハリソン・フォードさんは、『スター・ウォーズ』のハン・ソロも30年以上、『インディ・ジョーンズ』も随分時間を経て、また同じ役を演じていらっしゃいます。今回のデッカードも35年ぶりということですが、同じ役を長い時間を経てもう一度演じるというのは、どういう気持ちで、どんなことを感じますか? ハリソン・フォード:やっちゃいけないですか?(ニヤリ)各作品とも凄くファンがいる映画ですね。そういう機会を楽しみに待っている人がたくさんいる。それに応えて、自分が昔演じたキャラクターをもう一度繰り返して、ハン・ソロが30年後にはどうなっているか、デッカードが35年後にはどうなっているか、その時の流れがどういう影響を与えているか、人生をどう生きてきたかということを演じることは、俳優として非常に興味深いことでもあります。それでそういうことを繰り返しているということになるんだと思います。 記者4:前作公開当時、生まれていない若者もこの作品に触れると思います。彼らに対しての何かメッセージはありますか? ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督:『ブレードランナー2049』は、これだけ観ても十分わかるように意図して作られております。そうは言っても、本当にオリジナルを観てほしい。オリジナルは、本当に美しくパワフルな映画で、サイエンス・フィクションとしても金字塔的な作品ですから、両方観てほしいという思いです。最近SFは戦争ものが多い。そういう中で、『ブレードランナー』の世界観というのは、SFを啓示ものとして扱っていますし、謎を解いていくというミステリーなんです。ですから、すごくエモーショナルなものもあります。ハリソン・フォード:今の監督のコメントを聞いて、彼こそ続編を作る正しい監督だったということがおわかりになったと思います。彼はキャラクターからこの作品にアプローチして、感情というものに非常に注意深く描いている。それが作品に対する正しいあり方だと思います。最初の作品はやはり観てほしい。映画をひとつの織物としますと、前作を観るともっと大きな織物が観られる体験できると思います。本作だけでも非常に壮大なスケールですし、満足のいく経験ができます。それに加えて、もし前作を観ればちょっと違った経験も感じることができるんじゃないかと思います。記者5:シルヴィアさんとアナさん、ハリソン・フォードさんと初めてお会いした時の印象、教えてください。それを受けてハリソン・フォードさん、ひと言お願いします。 シルヴィア・フークス:この役の準備のために、ハードなトレーニングをしなくちゃいけなかった。とにかくお腹がすくので、丁度ケータリングのテーブルのところで、色んなモノに食らいついていたんです(笑)。そこにハリソン・フォードさんが素敵なイヤリングをしてクールな感じで来まして、「明日のシーンのことなんだけど…」と言われて、もうごはんを飲み込めなくなってすごく大変な思いだったのを覚えています(笑)。最初のシーンはすごく小さな空間だったのですが、彼を見ると「ハン・ソロだ! インディ・ジョーンズだ!」と思ってしまうので、なるべく彼を見ないように地面を見ていました(笑)。でも彼が、私が彼の方をチラッと見た時、急にジョークを言ったんです。「ある時、バーに犬がいてね」と始まって、それからずっと私を笑わせてくれました。その日はいろんなシーンの合間合間で、彼のジョークがあって。とても温かい人柄と、そしてクリエイティビティーを大事にされる方です。ですからとにかく笑って楽しい雰囲気でした。アナ・デ・アルマス:いつだったかしらと記憶が定かでなくて。ラスベガスにある彼のアパートのシーンだった気がします。ジョイという役の衣装がいつもミニスカートとセーター(笑)。とてもセクシーなので、ライアン・ゴズリングもとても気に入ってくれました。寒い衣装なので、ハリソンはそれを気遣ってくださって「寒くないかい?」とか「そのブーツ、大丈夫?」とか「これ、貸してあげよう」とか、非常にいつも気遣って心配してくれました。「覚えている?」と聞いたら、「全然覚えてない」と(笑)。ハリソン・フォード:とにかく楽しい現場でした。一日一日とても長い時間をかけての撮影ですし、シーンも複雑なので難しい映画なのですが、雰囲気はとても和気あいあいとしていて、私の記憶の中で、この映画の撮影中は楽しかったというものです。 記者6:全世界45か国以上で、初登場No.1を獲得した反響をどう思われているか教えてください。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督:私たち全員そうですが、この映画を制作するプレッシャーは凄く感じていました。もちろん最初のオリジナルの『ブレードランナー』というのが名作中の名作ということで、その続編を作るというのは、私たちにとってものすごく興奮することであり、そして同時に非常に緊張感、恐怖を覚えました。最高のものを作るべく、ベストを尽くしました。そして今、映画の神様に感謝をしたいと思います。これだけ世界中で反響を呼び、そして非常にヒットしているということで、本当に私は心から感謝をしていますし、誰も私の車の下に爆弾を置かないということは安心できます(笑)。この映画に関わったアーティストたちは、ほぼ全員が『ブレードランナー』ファンでしたし、ですから我々全員が非常に敬意を払って作品作りをしよう、我々の中のこの記憶とか思い出をリスペクトしようという気持ちでした。ハリソン・フォード:この映画は、確かに世界中でヒットしております。それも、いろんな文化が違うところで、ちゃんとヒットしているわけです。それは私にとっては興味深い。話自体はカリフォルニアとラスベガスが舞台ですが、やっぱりこの映画が伝えたいのは、場所じゃなくてキャラクターであり、キャラクターのストーリーなんです。人間とは何かとか、人間は運命をコントロールできるのかとか、そういうどんな文化も超えた人間の自然に抱く質問に答えようとする映画、人間のエモーションに関して答えようとする映画で、そういう意味でこの映画は文化圏を超えたインターナショナルな映画と言うことができると思います。この映画が成功したとすれば、成功の鍵はそこにあると。真の意味で「インターナショナル」ということだと思います。シルヴィア・フークス:この映画を撮っていた時には、まるで本当に小さい独立系の映画のある自由とか信頼を、監督が与えられてくれました。監督は本当に俳優を信頼してくださって、何でもやらせてくれる環境を作ってくれるんですね。ですから、これだけのクリエイティビティーと創造性を出すことができました。これだけアウトハウス的な制作をして公開されると、非常に大きな映画で、それでまた成功しているということはこれ以上ない幸せですし、私たちが一生懸命やったものがこれだけ多くの人たちに温かく迎えられている、そして世界中の人にこの作品が通じているというのがとてもうれしいことです。アナ・デ・アルマス:付け加えることはもうないのですが、とにかくあらゆるところでヒットしていることは本当にうれしいことです。人々の心にタッチしているという、そういう映画でございまして、それはとてもうれしいこと。それはクリエイティブな面でも、それからエモーショナルな面でも人々を動かしているということだと思います。素晴らしいことだし、本当にスペシャルな映画だと思います。そういう映画に携われたことに非常にハッピーに思っております。司会:どうもありがとうございました。 フォトセッション後、会見終了となりました。■ 『ブレードランナー 2049』原題:Blade Runner 2049上映時間:163分製作総指揮:リドリー・スコット監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ロビン・ライト、ジャレッド・レトー、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、カーラ・ジュリ、マッケンジー・デイヴィス、バーカッド・アブディ、デイヴ・バウティスタ 2017年/アメリカ/2D・3D配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント2017年10月27日(金)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー■公式サイト:http://www.bladerunner2049.jp/
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PROGRAM/放送作品
ブレードランナー 2049
[PG12]SF映画の金字塔がさらなる進化を遂げる!傑作『ブレードランナー』の35年ぶりの続編
『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、1982年の傑作『ブレードランナー』の世界観を継承した続編を圧巻の映像美で完成。前作の主演ハリソン・フォードも再登場。アカデミー撮影賞と視覚効果賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
(吹)ブレードランナー 2049
[PG12]SF映画の金字塔がさらなる進化を遂げる!傑作『ブレードランナー』の35年ぶりの続編
『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、1982年の傑作『ブレードランナー』の世界観を継承した続編を圧巻の映像美で完成。前作の主演ハリソン・フォードも再登場。アカデミー撮影賞と視覚効果賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
(吹)メッセージ(2016)
異星人が示すメッセージの意味は?『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴが放つ感動SF
人気SF作家テッド・チャンの短編をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映像化。地球へと飛来した異星人の言語解読に女性言語学者が挑む緊迫したSFを、静かな感動へと昇華させる。アカデミー賞音響賞(編集)を受賞。
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PROGRAM/放送作品
メッセージ(2016)
異星人が示すメッセージの意味は?『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴが放つ感動SF
人気SF作家テッド・チャンの短編をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映像化。地球へと飛来した異星人の言語解読に女性言語学者が挑む緊迫したSFを、静かな感動へと昇華させる。アカデミー賞音響賞(編集)を受賞。
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PROGRAM/放送作品
ボーダーライン(2015)
[R15+]麻薬戦争の最前線で女性捜査官が見た衝撃の実態とは?善と悪の境界が揺らぐ社会派サスペンス
『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が描く社会派サスペンス。麻薬カルテルを壊滅するためアメリカとメキシコの国境街へ飛び込んだ女性FBI捜査官の目線から、無法地帯というべき麻薬戦争の実態を映し出す。
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PROGRAM/放送作品
DUNE/デューン 砂の惑星
宇宙の命運を懸けた壮大な戦いが始まる!『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴが伝説のSF小説を映画化
1984年にデヴィッド・リンチも映画化した伝説のSF小説を『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映像化。壮大な世界観を描く映像美が圧巻で、アカデミー賞で撮影賞など3部門を受賞。豪華俳優陣にも注目。