検索結果
-
PROGRAM/放送作品
グリーン・デスティニー
愛に生きた英雄たちの苦悩と激闘を名匠アン・リーが壮大に描く、美しきアクション・ロマンス大作
後のオスカー監督アン・リーが、中国圏の伝統ジャンルである武侠映画に初挑戦。中国全土でロケを敢行し、ワイヤー・アクションや愛のドラマをスケール満点に展開する。外国語映画賞ほかアカデミー賞4部門を受賞。
-
COLUMN/コラム2017.07.05
ホウ・シャオシェン監督の真骨頂、“感じる”新感覚武侠映画『黒衣の刺客』〜07月19日(水) ほか
“侠”とは、強きをくじき弱きを助ける仁義の世界に生きる人々を指す。日本ではヤクザとイコールで結ばれがちだが、“侠”は職業ではなく本来は生き様のことである。 侠の歴史は春秋戦国時代までさかのぼる。司馬遷の歴史書『史記』には数多くの侠客が登場し、国家を揺るがす刺客が大活躍している。春秋戦国時代を終わらせた中国初の統一国家・秦が滅びた後、漢帝国を立ち上げたのは侠客出身の劉邦。さらに後漢末期に登場し、三国時代の一翼を担った『三国志演義』の主人公・劉備玄徳もまた、関羽と張飛と共に世の混乱を憂いて立ち上がった侠客であった。 時は下り、唐の時代には今回ご紹介する『黒衣の刺客』の原作となった伝奇小説『聶隠娘』が生まれ、宋代になると傑作武侠小説『水滸伝』が登場。武術を極めた侠客が、悪政に立ち向かう姿に大衆は喝采を送った。 近代に入ると娯楽色をさらに強めた作品が多く登場。『江湖奇侠伝』『羅刹夫人』などの作品が人気を博す。そして第二次世界大戦後、香港の新聞記者である金庸が登場。処女作の『書剣恩仇録』から『越女剣』まで15作品は、すべて世界的なベストセラーとなり、武侠小説界最大のスター作家となった。また『白髪魔女伝』の梁羽生、『多情剣客無情剣』の古龍は、金庸と合わせて武侠三大家と称されている。 三大家の大ブームに乗って、香港映画界では黎明期から多くの武侠映画が登場した。クワン・タッヒン主演の『黄飛鴻』シリーズは戦後すぐの1949年から制作が開始され、様々な映画人によってギネス記録になるほどシリーズ化されている。金庸の『碧血剣』は1958年、『書剣恩仇録』『神鵰侠侶』は1960年といった具合に次々と映画化。さらに新興のショウブラザース社では1960年代からキン・フー監督とチャン・チェ監督という2大巨匠が独自の世界観で武侠映画全盛期を築いていく。 キン・フー監督は『大酔侠』(66年)で頭角を現し、『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』(67年)では香港最大の大ヒットを記録。さらに『侠女』(71年)でカンヌ映画祭を席巻し、『山中傳奇』(79年)で台湾アカデミー賞(金馬奨)をゲットした。 チャン・チェ監督はさらに娯楽寄りの武侠映画を連発。ジミー・ウォングを主演に据え、金庸作品にインスパイアされた『片腕必殺剣』(67年)がメガヒットを記録してシリーズ化され、『ブラッド・ブラザース 刺馬』(73年)や『五毒拳』(78年)といったカンフー系武侠映画まで、多くのカルト的人気作品を監督した。 70年代に入ると日本の『座頭市』シリーズなどの日本の時代劇が香港をはじめとするアジア全域で大ヒットし、その影響で残酷描写やトリッキーな武侠映画が多く生まれた。 カンフー映画全盛の80年代には、還珠楼主原作、ツイ・ハーク監督の出世作『蜀山奇傅 天空の剣』(83年)が公開。カンフー+ワイヤーアクション+VFXという画期的な作品は世界各国で支持された。ツイ・ハークは90年代にも『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで、黄飛鴻武侠映画を復権させ、『残酷ドラゴン~』のリメイク作『ドラゴン・イン/新龍門客棧』(92年)、『秘曲 笑傲江湖』を原作とする『スウォーズマン』シリーズ(90年~)など多くの作品をヒットさせている。 さらに90年代後半には、武侠漫画原作という新しい形態の武侠映画が登場。武侠+ワイヤー+CGIという『風雲 ストームライダーズ』(98年)は、馬栄成の原作の人気も相まって世界中で大ヒットしている。 そして00年代に入ると画期的な映画が公開される。アン・リー監督の『グリーン・デスティニー』(00年)だ。王度廬の武侠小説『臥虎蔵龍』を原作とする本作は、世界各国の映画賞を総なめにし、第73回アカデミー賞では非英語映画であるにも関わらず、作品賞をはじめとした10部門にノミネートされて4部門を受賞する快挙を成し遂げた。本作が画期的なのは、元々“父親三部作”で知られる文芸映画の巨匠として評価されていたアン・リーが、アクションたっぷりの武侠娯楽大作を制作したことにある。アン・リー自身、幼少時から武侠映画の大ファンであり、武術指導の大家ユエン・ウーピンを武術指導に迎えて制作された『グリーン・デスティニー』は、最上級のカンフー&剣劇アクションだけでなく、アン・リーの紡ぎ出す抒情的な物語、タン・ドゥンとヨーヨー・マの美しい劇伴、ピーター・パウによる幻想的な画作りが高次元で融合し、映画史を塗り替える化学反応が起きた作品となった。 『グリーン・デスティニー』以降、多くの文芸映画の巨匠が武侠映画にチャレンジするようになっていく。『紅いコーリャン』(87年)のチャン・イーモウは、ジェット・リー主演の『HERO』(02年)を制作。チン・シウトン指導の美しいアクションも話題となり、日本でも興行収入40億円を超える大ヒット作品となった。チャン・イーモウは続けて『LOVERS』(04年)を制作し、直近ではエンタメ方面に振り切ったモンスター武侠映画『グレート・ウォール』(16年)も制作している。 またウォン・カーワイは金庸の『射鵰英雄伝』を原作とする『楽園の瑕』(94年)、近代中国を舞台にした武侠映画『グランド・マスター』(13年)を制作。『さらば、わが愛/覇王別姫』(93年)のチェン・カイコーは『PROMISE 無極』(05年)を発表している。 さて、ホウ・シャオシェン監督。二・二八事件を扱った『非情城市』(89年)でヴェネツィア映画祭金獅子賞を獲得して世界中から注目を集め、『好男好女』(95年)で台湾金馬奨の最優秀監督賞を獲得した、台湾を代表する名監督だ。そして社会派ドラマを得意とするホウ・シャオシェンが、2015年に発表したのが『黒衣の刺客』(15年)。寡作で知られる監督の8年ぶりの新作が武侠映画とのことで、大きな話題となっていた。 唐の時代。美しいインニャンは13年ぶりに帰郷する。しかしインニャンは、あらゆる殺人術を学んだ最強の暗殺者であった。インニャンの帰郷は、軍閥の節度使ティエンを暗殺するためであったが、かつての許嫁であるティエンを暗殺することをためらうインニャンは……。 5年にも及ぶ長期の撮影を経て完成した本作は、カンヌ映画際のコンペティション部門への出品作品としてプレミア上映され、監督賞を受賞する快挙を達成。2015年の台湾金馬奨を総なめにし、アジア・フィルム・アワード、香港電影金像奨でも旋風を巻き起こした。 本作の特徴は、武侠映画としてはあまりにも静かで、あまりにも美しい展開。前述の文芸監督たちが制作したエンタメ系武侠映画とはまったく異なり、ホウ・シャオシェン監督のこれまでの作品の延長線上から一歩も踏み外さずに作られた武侠映画ということで、まさに稀有な作品と言えよう。 とにかく主人公インニャンのセリフが圧倒的に少ない。インニャンを演じたスー・チーの美しさを最大限に引き出し、「後はお察しください」とでも言うように突き放しておきながら、あまりにも豊かな表現力に圧倒されること請け合い。直観的に“感じる”ことで映画的快楽に浸る新感覚武侠映画なのである。 ホウ・シャオシェン作品のファンだけでなく、武侠映画ファンだけでなく、多くの映画ファンに堪能してほしい傑作である。■ ©2015光點影業股份有限公司 銀都機構有限公司 中影國際股份有限公司
-
PROGRAM/放送作品
黒衣の刺客
孤独な女殺し屋が任務と愛の間で揺れる…日本人俳優や日本ロケが彩りを深める、美しき武侠アクション
妻夫木聡ら日本人俳優が参加し、さらに京都や奈良で寺院を撮影。スー・チーの寡黙な演技と相まって、静かな空気に包まれた映像美を織りなす。台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督がカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。
-
PROGRAM/放送作品
ヘリオス 赤い諜報戦
中国・韓国・台湾のスター俳優が集結!東アジアの存亡を揺るがす核兵器争奪戦を描くサスペンス巨編
初監督作『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』で絶賛された監督コンビが、中国・韓国・台湾のスター俳優を集めて描く一大巨編。壮絶なアクションだけでなく、各国の思惑が交錯するサスペンスにも息を呑む。
-
PROGRAM/放送作品
クーリンチェ少年殺人事件
[PG12]将来への希望が持てない少年たちの焦燥が暴発する…台湾の名匠エドワード・ヤンの青春叙事詩
1961年に台北で実際に起きた殺人事件を基に描く、台湾の名匠エドワード・ヤン監督の傑作。当時演技経験ゼロのチャン・チェンが主役の少年に抜擢され、青春期特有のきらめきと葛藤を瑞々しく熱演する。
-
PROGRAM/放送作品
項羽と劉邦 鴻門の会
華麗な武侠アクション満載で描く英雄たちの人間模様──有名な項羽と劉邦の戦いを豪華スター競演で映画化
数々の小説や漫画の題材にもなった項羽と劉邦の戦いを、皇帝となった晩年の劉邦が回想する形で描写。華麗な武侠アクションを随所に交え、ダニエル・ウーらアジア圏を代表するスターが戦乱期の英雄を魅力的に熱演。
-
PROGRAM/放送作品
(吹)グランド・マスター
[PG12]伝説の武術家イップ・マンの戦いを再現!名匠ウォン・カーウァイの映像美が際立つ歴史絵巻
ブルース・リーの師である武術家イップ・マンの闘いの日々を、史実に忠実に再現。4年間に及ぶトレーニングを受けて撮影に臨んだトニー・レオンの身のこなしや、ウォン・カーウァイ監督らしい華麗な映像美は必見。
-
PROGRAM/放送作品
グランド・マスター
[PG12]伝説の武術家イップ・マンの戦いを再現!名匠ウォン・カーウァイの映像美が際立つ歴史絵巻
ブルース・リーの師である武術家イップ・マンの闘いの日々を、史実に忠実に再現。4年間に及ぶトレーニングを受けて撮影に臨んだトニー・レオンの身のこなしや、ウォン・カーウァイ監督らしい華麗な映像美は必見。
-
PROGRAM/放送作品
ブエノスアイレス [4Kレストア版]
トニー・レオンとレスリー・チャンがゲイカップルを熱演!ウォン・カーウァイが退廃的に描く切ない愛の物語
惹かれ合いながらも傷つけ合ってしまう男同士の切ない愛と苦悩を、ウォン・カーウァイ監督が退廃的なムードを漂わせながら映し出す。菊池武夫が衣裳デザインに協力している。カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。
-
PROGRAM/放送作品
(吹)ブレイド・マスター
秘密警察の義兄弟たちが朝廷の陰謀に巻き込まれる!チャン・チェン主演で描く歴史ソードアクション大作
明朝末期の中国を舞台に、王朝直属の秘密警察・錦衣衛で義兄弟の誓いを交わした男たちの哀しき運命を、壮絶な死闘を交えて映し出す。『レッドクリフ』のチャン・チェンらが魅せる美麗なソードアクションは必見。