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PROGRAM/放送作品
ブラス!
炭坑夫たちの生きる喜びと誇り、それは音楽!実在するブラスバンドの奇跡を基に描いた感動ドラマ
閉鎖へと追い込まれた炭坑街の希望となった実在の炭坑夫バンド“グライムソープ・コリアリー・バンド”がモデル。不況にあえぐ90年代イギリス社会をリアルに綴り、その苦難を乗り越える音楽の素晴らしさを伝える。
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COLUMN/コラム2013.11.29
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年12月】招きネコ
今年亡くなったサッチャー首相が推進した痛みを伴う経済再生政策が行われた後の1990年代初頭のイギリスの炭鉱町のお話。今まで社会を支えてきた衰退産業である炭鉱は閉鎖に追い込まれ、炭鉱労働者たちは職を失おうとしている。すっかり活気を失った町で、彼らは誇りと生きる希望を取り戻すために炭鉱労働者の伝統あるブラスバンドで全英選手権優勝を目指す!どうにもならない現実の中で彼らを支える音楽の力と、仲間との友情に胸が熱くなる感動作です。実在の炭鉱バンド、グライムソープ・コリアリー・バンドをモデルにした実話の映画化ですが、この映画が描く世相や気分、そして人々の置かれた状況などは、雇用や市民の生活を激変させた経済改革、リーマンショック後の不況、そして3.11後の社会不安を経てきた今の日本とダブります。私がこの作品を見た97年は、まだまだ一億総中流と言われた幻想が生きていた時代。感動した大好きな映画ですが、それは遠いイギリスのお話でした。今、当時とは比べものにならないくらい切実にこの映画は胸に迫ります。どんな中でも希望を持つことの大切さ、人と人とのつながりの暖かさを描く映画は、今こそ見て欲しい作品です。 ©Channel Four Television Corporation and Miramax Film Corp.1996 All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2013.12.01
2013年12月のシネマ・ソムリエ
■12月7日『インファナル・アフェア』 ハリウッド映画『ディパーテッド』元ネタとなった香港ノワールの傑作。警察からマフィアへ、マフィアから警察へ送り込まれた潜入者2人がたどる壮絶な運命を描く。 麻薬捜査のさなかにモールス信号や携帯を用いたスパイ戦の息づまる緊迫感! 濃密な心理サスペンスと重層的な人間ドラマを融合した映像世界は極めて完成度が高い。 現題の「無間道」とは“終わりなき地獄”の意味で、複数の主要人物が意外な形で死亡する展開が衝撃的。その根底に流れる東洋的な死生観が深い余韻を生み出している。 ■12月14日『ドーベルマン』 ドーベルマン”の異名を持つ凶悪犯罪者、ヤン率いる武装グループがパリに出現。彼らに翻弄された警察は、血も涙もない極悪警視クリスチーニに一味の撲滅を委ねる。 数々のCMや音楽クリップを手がけてきたオランダ出身のヤン・クーネン監督が放ったバイオレンス映画。イカれた悪と悪の抗争劇が疾風怒濤の勢いで展開していく。 日本製アニメを愛する気鋭監督がコミック調の映像とテクノ音楽を融合。観る者の好き嫌いが極端に分かれる怪作だが、その猥雑でアンモラルな世界は一見の価値あり。 ■12月21日『ブラス!』 炭鉱閉鎖問題に揺れる英国ヨークシャー州の町を舞台にしたヒューマン・ドラマ。英国映画ブームさなかの1997年に日本公開され、多くの観客の涙を誘った感動作である。 生活苦にあえぎながらも、頑固な指揮者のもとで活動を続けるブラスバンド団員たちの心意気を描出。痛烈な社会風刺とともに、人間臭いユーモアが映画を活気づける。 実在のグライムソープ・コリアリー・バンドが、「ダニー・ボーイ」などの挿入曲の演奏を担当。2011年に他界したP・ポスルスウェイトの名演技も観る者の胸を打つ ■12月28日『ロスト・アイズ』 ギジェルモ・デル・トロが製作を務めた恐怖映画。視覚障害を患う女性が姉の自殺の真相を探るうちに、自らも危機に陥っていく過程をミステリー仕立てで描き出す。 『永遠のこどもたち』の女優B・ルエダが徐々に視力を失っていく主人公フリアを熱演。その周辺に謎の人影を暗躍させ、観る者の不安を増幅させる演出が実に巧妙だ。 主人公の限られた視界を表現した映像も秀逸で、スペイン製スリラーのレベルの高さを再認識させられる。『裏窓』などの古典映画への目配せも盛り込まれた一作だ。 『インファナル・アフェア』© 2002 Media Asia Films (BVI) Ltd.All Right Reserved. 『ドーベルマン』©1997 Noe Peoductions - La Chauve - Souris - France 3 Cinema. 『ブラス!』©Channel Four Television Corporation and Miramax Film Corp.1996 All Rights Reserved. 『ロスト・アイズ』© Rodar y Rodar Cine y Television, S.L / A3 Films, 2010