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PROGRAM/放送作品
大人は判ってくれない
トリュフォーのみずみずしい感性が滴る、ヌーヴェルバーグの始まりを告げる記念碑的作品
フランソワ・トリュフォーが27歳の時に手がけた初めての長編で、ヌーヴェルバーグの始まりを告げる記念碑的作品。主役は12歳のジャン=ピエール・レオ。今作でトリュフォーはカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。
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COLUMN/コラム2012.11.28
2012年12月のシネマ・ソムリエ
■12月1日『戦場のアリア』 戦況が泥沼化していた第一次世界大戦下、フランス北部の村。そこで対峙するドイツ軍と、フランス&スコットランド連合軍との間に起こった信じがたい実話の映画化。戦場にオペラ歌手の歌声が響き渡ったことをきっかけに、両軍の間でまさかの休戦協定が実現。一触即発の緊迫感と人間臭いユーモアとともに、その顛末が描かれる。澄んだ歌声とバグパイプの音色が、クリスマスを背景にした物語を荘厳に彩る。映画向けの脚色が施されているとはいえ、誠実な反戦メッセージが心に響く一作である。 ■12月8日『ドリーマーズ』 5月革命に揺れるパリのシネマテークで、アメリカ人留学生の青年が双子の姉弟と出会う。映画が縁で意気投合した3人の関係は、危ういアバンチュールに発展していく。巨匠B・ベルトルッチが60年代カルチャーと映画の引用を詰め込んだ青春映画。若者たちが織りなす官能的で遊戯的な映像世界は、まさにはかなくも甘美な“夢”のよう。ベルトルッチがヒロインのイザベル役に抜擢したのは当時新人のエヴァ・グリーン。のちにボンドガールになった美人女優が、惜しげもなく豊麗な肢体を披露している。 ■12月15日『存在の耐えられない軽さ』 チェコ人作家ミラン・クンデラが、1968年の“プラハの春”を背景に紡いだ恋愛小説の映画化。監督は「ライトスタッフ」で名高いアメリカ人のフィリップ・カウフマン。 主人公トマシュは優秀な医師だが、奔放なまでに女好きの独身男。ヒロインのテレーザが、彼の“軽さ”と人生の“重み”を対比させるセリフが題名の意味を表している。3時間に迫らんとする長尺だが、男女の摩訶不思議な関係を掘り下げた物語には得も言われぬ魅惑が横溢。名手スヴェン・ニクヴィスト撮影の詩的な映像美も印象深い。 ■12月22日『ジンジャーとフレッド』 アメリアとピッポは、ハリウッド・ミュージカルの名コンビにあやかった芸名で人気を博した元有名人。30年前に引退した2人は、クリスマスのTV局で再会を果たす。作曲家ニーノ・ロータ亡き後の巨匠フェリーニが発表した晩年の一作。常連俳優M・マストヤンニと監督夫人J・マシーナは、意外にもこれが初めての共演作となった。TVのコマーシャリズムを痛烈に批判しつつ、猥雑なサーカスのようにショーの裏側を映像化。最大の見せ場は、主役2人が終盤に披露する哀歓豊かなダンスである。 ■12月29日『敬愛なるベートーヴェン』 近作「ソハの地下水道」も好評だったポーランドのA・ホランド監督の代表作のひとつ。聴覚障害を抱えた晩年のベートーヴェンと、彼を支えるひとりの女性の交流劇だ。1824年のウィーン。ベートーヴェンのもとに派遣されたアンナは、曲を譜面に書き起こすコピイスト。「第九」の歴史的な初演を間近に控えた2人の創作活動を描く。アンナは歴史上実在しない架空の女性だが、ベートーヴェンの伝記としても、痛切な師弟のドラマとしても見応え十分。中盤の「第九」演奏シーンは心震わす迫力だ。 『戦場のアリア』©2005 Nord-Ouest Production/Photos:Jean-Claude Lother 『ドリーマーズ』©2002 Miramax Film Corporation. All Rights Reserved Initial Entertainment Group 『存在の耐えられない軽さ』©1987 The Saul Zaentz Company. All Rights Reserved. 『ジンジャーとフレッド』© 1985 PEA Produzioni Europee Associate. 『敬愛なるベートーヴェン』© 2006 Film & Entertainment VIP Medienfonds 2 GmbH & Co. KG
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PROGRAM/放送作品
ドリーマーズ
1968年5月革命のパリを舞台にイタリアの鬼才ベルナルド・ベルトルッチが描く愛の三角関係
妖艶な美貌を持つ『007/カジノ・ロワイヤル』のエヴァ・グリーン、仏で圧倒的支持を得る俳優ルイ・ガレル、『ラストデイズ』のマイケル・ピット主演。ヌーヴェルヴァーグへのオマージュを散りばめた美しき名作。
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COLUMN/コラム2012.11.28
2012年12月のシネマ・ソムリエ
■12月1日『戦場のアリア』 戦況が泥沼化していた第一次世界大戦下、フランス北部の村。そこで対峙するドイツ軍と、フランス&スコットランド連合軍との間に起こった信じがたい実話の映画化。戦場にオペラ歌手の歌声が響き渡ったことをきっかけに、両軍の間でまさかの休戦協定が実現。一触即発の緊迫感と人間臭いユーモアとともに、その顛末が描かれる。澄んだ歌声とバグパイプの音色が、クリスマスを背景にした物語を荘厳に彩る。映画向けの脚色が施されているとはいえ、誠実な反戦メッセージが心に響く一作である。 ■12月8日『ドリーマーズ』
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PROGRAM/放送作品
男性・女性
仕事と恋ですれ違う60年代パリの若者たちを、ヌーヴェル・ヴァーグの鬼才ゴダールが綴る青春群像
ジャン=リュック・ゴダール監督が“15の明白な事実”と銘打ち、60年代パリの若者たちの青春群像をドキュメントタッチのシネマ・ヴェリテ形式で綴る。ジャン=ピエール・レオがベルリン国際映画祭男優賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
ラストタンゴ・イン・パリ
[R15相当]名も知らぬ男女が本能的に体を重ねる…鬼才B・ベルトルッチが現代社会の孤独を問う衝撃作
監督のアイデアに共鳴したマーロン・ブランドが、当時無名のマリア・シュナイダーと迫真のセックスシーンを熱演。その過激さゆえイタリアでは公開4日で上映禁止に。映像を彩る黄色とオレンジの幻想的な光も印象的。
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PROGRAM/放送作品
オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-【4Kレストア版】
詩人ジャン・コクトーが時をさまよい自らの人生をたどる。現実と虚構が入り混じるファンタジックな映像詩
ジャン・コクトーが監督・主演を務め、養子エドアール・デルミと共演した遺作。時空をさまよい続けながら自らの姿を変容させていく詩人を、コクトー自身の芸術作品を引用しながら綴る。ピカソ夫妻もカメオで出演。
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PROGRAM/放送作品
中国女
5人のパリの若者たちが夏休みに革命思想の学習に乗り出す── ゴダールの新たな歩みの兆しとなる作品
毛沢東の革命思想に傾倒したジャン=リュック・ゴダール監督が、その運動が世界の青年に与えた影響をカラフルでキッチュな映像センスで再構築。五月革命を予感させる作品。ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
コントラクト・キラー
自殺に失敗した男が殺し屋を雇う?アキ・カウリスマキ監督のシニカルなユーモアが光るサスペンス
アキ・カウリスマキ監督がヌーヴェルヴァーグの名優ジャン=ピエール・レオを主演に迎えたサスペンス。人生に絶望した男の悲哀をレオが寡黙かつ端正に演じ、カウリスマキ作品独特の間とユーモアに絶妙にマッチ。
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PROGRAM/放送作品
ママと娼婦【4Kレストア版】
[R15+相当]奇妙な三角関係の行方は―。伝説の映画作家ジャン・ユスターシュの鮮烈な長編第1作
42歳で早世したジャン・ユスターシュ監督の長編第1作。実体験を基にした奇妙な三角関係を、16ミリモノクロ長回しで長時間じっくり綴る。カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリと国際映画批評家連盟賞を受賞。