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PROGRAM/放送作品
愛人/ラマン
[R-15]刹那のフランス人美少女と退廃の中国人青年が織り成す愛欲の日々。これぞロリータ映画の最高峰
アノー監督に見出された公開当時18歳のジェーン・マーチが、痩せっぽちの未成熟な肉体と奇跡のベビーフェイスで、刹那の15歳美少女役を演じきって堂々たる映画デビューを果たした、ロリータ映画の最高傑作!
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COLUMN/コラム2017.09.03
先史時代の人類にリアルに迫ったエポックメイキング『人類創世』〜09月14日(木) ほか
■立ち遅れていた「原始人もの」というジャンル 『人類創世』といえば2017年の現在、40歳代後半から上の世代にとって、かなり強い印象を与えられている作品かもしれない。「映画と出版とのミックスメディア展開」を武器に映画業界へと参入し、初の自社作品『犬神家の一族』(76)を大ヒットさせた角川書店が、その手法を活かして宣伝協力を図った洋画作品(配給は東映)だからだ。1981年の日本公開時には原作小説がカドカワノベルズ(新書)より刊行され、おそらく多くの者が、原作とセットで映画を記憶していると思う。 とりわけ文学ファンには、この原作の出版は歓喜をもって迎えられたことだろう。著者のJ・H・ロニー兄(1856〜1940)はベルギー出身のフランス人作家で、ジュール・ヴェルヌと並び「フランス空想科学小説の先駆者」ともいうべき重要人物だ。映画『人類創世』の原作である「火の戦争 “La Guerre du Feu”」は、そんな氏が1910年に発表した、先史時代の人類を科学的に考察した小説として知られている。物語の舞台は80,000年前、ネアンデルタール人の種族であるウラム族が、ある日、大事に守ってきた火を絶やしてしまう。彼らは自分自身で火を起こす方法を知らなかったため、ウラムの長は部族の若者3人を、火を取り戻す旅へと向かわせるーー。 物語はそんな3人が大陸を放浪し、恐ろしい猛獣や食人部族との遭遇といった困難を経て、やがて目的を果たすまでを克明に描いていく。日本では16年後の1926年(大正15年)に『十萬年前』という邦題で翻訳が出版されたが(佐々木孝丸 訳/資文堂 刊)、そんな歴史的な古典が、映画の連動企画とはいえ55年ぶりに新訳されたのである。 このように年季の入った著書だけに、じつは『人類創世』が「火の戦争」の初の映画化ではない。最初のバージョンは原作が発表されてから5年後の1915年、フランスの映画会社であるスカグルと、プロデューサー兼俳優のジョルジュ・デノーラによって製作されている(モノクロ/サイレント)。スカグル社は当時、文芸映画の成功によって意欲的に原作付き映画を量産していた時期で、そのうちの一本としてロニーの「火の戦争」があったのだ。ちなみに、このベル・エポック時代のサイレント版は以下のバーチャルミージアムサイト「都市環境歴史博物館」で抜粋場面を見ることができるので、文を展開させる都合上、まずはご覧になっていただきたい。 http://www.mheu.org/fr/feu/guerre-feu.htm この映像を見る限り、先ほどまで力説してきた「科学性の高い原作」からはかけ離れていると感じるかもしれない。このモノクロ版に登場するウラム族は、原始人コントのような獣の皮を着込み、戯画化された古代人のイメージを誇示している。映画表現の未熟だった当時からすれば精一杯の描写かもしれないが、それでもどこかステレオタイプすぎて、どこか滑稽に映ってしまうのは否めない。 ■二度目の映画化はミニマルに、そしてリアルに ーー監督ジャン・ジャック・アノーのこだわり この「火の戦争」を例に挙げるまでもなく、こういった文明以前の描写というのは、過去あまり真剣に取り組まれることがなかった。例外的に『2001年宇宙の旅』(68)が「人類の夜明け」という導入部のチャプターにおいて有史以前の祖先を迫真的に描いていたものの、基本的にはアニメの『原始家族フリントストーン』や『恐竜100万年』(66)、あるいは『おかしなおかしな石器人』(81)のように、いささかコミカルで陳腐な原始人像が充てがわれてきたのだ。 『人類創世』は、そんな状況を打ち破り、先史時代の人類の描写を一新させた、同ジャンルのエポックメイキングなのである。 監督は後に『薔薇の名前』(86)『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(97)で著名となるジャン=ジャック・アノー。彼は本作を出資者に売り込むさいのプレゼンで「この映画は『2001年宇宙の旅』における「人類の夜明け」の続きのようなものだ」と説き、「火の戦争」再映画化へのステップを踏んでいる。『2001年〜』を例に出さないと理解を得られない、それほどまでに前例の乏しいジャンルへの挑戦だったのだ。 さらにアノーは作品のリアリティを極めるため、原作にあった登場人物どうしの現代的な会話をオミットし、初歩的でシンプルな言語を本作に導入。それらをジェスチャーで表現するボディランゲージにすることで、あたかも文明以前の人類の会話に間近で接しているような、そんな視覚的な説得力を作品にもたらしている。 そのために専門スタッフとして本作に招かれたのが、映画『時計じかけのオレンジ』(71)の原作者で知られる作家のアンソニー・バージェスと、イギリスの動物学者デズモンド・モリスである。バージェスは先の『時計じかけ〜』において独自のスラング「ナッドサット語」を構築した手腕を発揮し、またモリスは動物行動学に基づき、ウラム族の言語と、彼らが敵対するワカブー族の言語を、この作品のために開発したのだ。 映画はこうした著名な作家や言語学者のサポートによる、アカデミックな下支えを施すことで、80,000年前の先祖たちの様子を、まるで過去に遡って見てきたかのように描き出している。 また、ウラム族をはじめとするネアンデルタール人の容姿にも細心の注意が払われ、極めて精度の高い特殊メイクが本作で用いられている。特に画期的だったのはフォームラテックスの使用で、ラバーしか使えず全身体毛に覆われた表現しかできなかった『2001年宇宙の旅』と違い、体毛を細かく配置できる特殊メイク用の新素材が導入された(本作は第55回米アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞)。他にも広大な原始の世界を活写すべく、スコットランド、ケニア、カナダなどにロケ撮影を求めるなど、古代人の放浪の旅にふさわしい、悠然たるビジュアルを提供している。 こうしたアプローチが功を奏し、本作は言語を必要としない、映像から意味を導き出すミニマルな作劇によって、人類が学びや経験によって進化を得るパワフルなストーリーを描くことに成功したのだ。 ■公開後の余波、そしてロン・パールマンはこう語った。 しかし、そのミニマルな作りが、逆に内容への理解を妨げるのではないかと危惧された。そこで日本での公開時には、地球の誕生から人類が現代文明を築くまでを解説した、短編教育映画のようなアニメーションが独自につけられた(どのようなものだったかは、当時の劇場用パンフレットに画ごと掲載されている)。こうしたローカライズは今の感覚では考えられないが、そのため我が国では、この『人類創世』を本格的なサイエンス・ドキュメンタリーとして真剣に受け止めていた観客もいたようだ。 しかし、原作が書かれた時代から1世紀以上が経過し、再映画化がなされてから既に36年を経た現在。いまの先史時代研究の観点からは、不正確と思われる描写も散見される。同時代における火の重要性、存在しない種族や使用器具etcーー。もはやこのリアリティを標榜した『人類創世』でさえ、偏見に満ちた、ステレオタイプな先史時代のイメージを与えるという意見もある。 ただそれでも、この作品の価値は揺るぎない。描写の立ち遅れていたジャンルに変革を与えるべく、意欲的な作り手が深々と対象に切り込んだことで、この映画は他の追随を許さぬ孤高の存在となったのだ。 『人類創世』以後、監督のアノーは動物を相手とする撮影のノウハウや、自然を舞台とした演出のスキルを得たことから、野生の熊の生態をとらえた『子熊物語』(88)や、同じく野生の虎の兄弟たちを主役にした『トゥー・ブラザーズ』(04)などを手がけ、そのジャンルのトップクリエイターとなった。また俳優に関しても、例えばイバカ族のアイカを演じたレイ・ドーン・チョンは本作の後、スティーブン・スピルバーグの『カラーパープル』(85)や、今も絶大な人気を誇るアーノルド・シュワルツェネッガー主演のカルトアクション『コマンドー』(85)に出演するなど、80年代には著しい活躍を果たしている。 そしてなにより、ウラム族のアムーカを演じたロン・パールマンは『ロスト・チルドレン』(95)『エイリアン4』(97)といったジャン=ピエール・ジュネ監督の作品や『ヘルボーイ』(04)『パシフィック・リム』(13)などギレルモ・デル トロ監督作品の常連として顔を出し、今も名バイプレイヤーとして幅広く活躍している。筆者は『ヘルボーイ』の公開時、来日したパールマンにインタビューをする機会に恵まれたが、そのときに彼が放った言葉をもって結びとしよう。 「(ヘルボーイの)全身メイクが大変じゃないかって? キャリアの最初にオレが出た『人類創世』のときから、特殊メイクには泣かされっぱなしだよ(笑)」■ ©1981 Belstar / Stephan Films / Films A2 / Cine Trail (logo EUROPACORP)
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(吹)愛人/ラマン
刹那のフランス人美少女と退廃の中国人青年が織り成す愛欲の日々。これぞロリータ映画の最高峰!
アノー監督に見出された公開当時18歳のジェーン・マーチが、痩せっぽちの未成熟な肉体と奇跡のベビーフェイスで、刹那の15歳美少女役を演じきって堂々たる映画デビューを果たした、ロリータ映画の最高傑作!
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COLUMN/コラム2012.03.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年3月】飯森盛良
ベトナムが仏領インドシナと呼ばれていた時代。貧しいフランス人少女と裕福な華僑の青年との、刹那的な愛の日々を描くロリータ映画の傑作。主演女優ジェーン・マーチの一瞬の“旬”を逃さずフィルムに記録した奇跡。蒸すような東南アジアの白昼、脂テカテカになりながら繰り広げられる、臭うようなセックスの生々しさ。そして、今や永遠に失われてしまった、若さと美しさ、ひとつの恋愛、懐かしきコロニアル様式への、狂おしいような追憶。以上が三位一体を成し、強い磁力を形成。当時高校生だったワタクシのハート(股間ではない)を直撃し、以来20年、ずっとマイベストな1本になっている。 ©Renn Productions,Burill Productions,Films A2 all rights reserved
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PROGRAM/放送作品
薔薇の名前
[R15+]中世のある教会を舞台に、謎の連続殺人事件解明にのり出す中年僧と見習修道士の推理を描く
『愛人/ラマン』のジャン・ジャック・アノー監督が描いたキリスト教の「正統」と「異端」の世界。映画本編を通して、異端や魔女のエピソードもあり、ゴシックな雰囲気が満ちている作品だ。
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PROGRAM/放送作品
愛人/ラマン メイキング
ロリータ映画の最高傑作、その奇跡の誕生秘話を、ジャン=ジャック・アノー監督自らが明かす!
映画『愛人/ラマン』は女優の魅力が全てというような作品。本作は、ジェーン・マーチという女優経験ゼロの美少女が奇跡のように制作陣の前に現れる瞬間を克明に記録した、本編と併せて必見のメイキングだ。
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PROGRAM/放送作品
セブン・イヤーズ・イン・チベット
聖地チベットにたどり着いた登山家の崇高な実体験を描く、ブラッド・ピット主演ヒューマンドラマ
実在したオーストリア人登山家の実体験を基に、彼と若きダライ・ラマ14世の交流を崇高なタッチで描く。アルゼンチンの丘陵地帯でのロケやセット撮影によって、聖地チベットの神秘的な雰囲気が鮮明に再現されている。
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PROGRAM/放送作品
スターリングラード(2000)
史上最大の市街戦を凄腕スナイパーが戦いぬく!戦火の中で燃えあがる愛と友情の感動作!
圧巻!ド迫力の戦闘シーンが激戦地の凄まじさを物語る!第二次大戦中に実在した凄腕スナイパー、ヴァシリ・ザイツェフの青春を描く戦争映画。ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ豪華共演!
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人類創世
[PG12相当]人類の歴史は“火”から始まった。セリフを一切排して原始人たちの冒険を描く異色作
『薔薇の名前』の巨匠ジャン=ジャック・アノー監督が、“火”を求めることから始まった人類のルーツに迫る。欧米系の俳優たちを原始人らしく見せるメイクなどリアリズムを徹底。アカデミー賞メイクアップ賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
(吹)セブン・イヤーズ・イン・チベット
チベットの聖地へ導かれた登山家がダライ・ラマ14世の家庭教師に──ブラッド・ピット主演の一大叙事詩
アイガー北壁初登頂を果たした登山家ハインリヒ・ハラーの自伝を、ジャン=ジャック・アノー監督が雄大な映像美と共に映画化。ダライ・ラマ14世との交流を経て人間的に成長する主人公をブラッド・ピットが熱演。