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PROGRAM/放送作品
L.A.大捜査線/狼たちの街
相棒を殺され復讐に燃える捜査官のタフな生きざまをスタイリッシュに描いたサスペンス・アクション
『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキン監督がスタイリッシュな映像で描くサスペンス・アクション。主演はドラマ『CSI:科学捜査班』のウィリアム・L・ピーターセン。
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COLUMN/コラム2014.09.04
あまりにも短すぎたキャリア絶頂期が過ぎ去った後、孤高の鬼才ウィリアム・フリードキンが放った刹那的な輝き〜『L.A.大捜査線/狼たちの街』、『ジェイド』
1960年代半ばにドキュメンタリーからフィクションの世界へと転身し、『誕生パーティー』(69)、『真夜中のパーティー』(70)という舞台劇に基づく異色作2本を発表。続いて『ダーティハリー』(71)と双璧を成すポリス・アクションの最高峰『フレンチ・コネクション』(71)で作品賞、監督賞を含むアカデミー賞5部門を制し、その2年後にはオカルト・ホラーの歴史的な金字塔『エクソシスト』(73)を発表して空前の社会現象を巻き起こした。 ところがフリードキンの時代は長く続かなかった。『エクソシスト』の後は『恐怖の報酬』(77)、『ブリンクス』(78)、『クルージング』(79)といった意欲作を世に送り出したものの興行的にパッとせず、あれよあれよという間に威光が衰えたフリードキンは、同世代のフランシス・フォード・コッポラ、ひと世代下のスティーヴン・スピルバーグらに追い抜かれ、置き去りにされてしまう。器用な職人監督にはなりきれず、なおかつ常人には理解しがたいこだわりを内に秘めたこのフィルムメーカーは、1980年代以降もメガホンを執り続け、トミー・リー・ジョーンズと組んだ軍事サスペンス『英雄の条件』(00)、筆者が愛してやまないナイフ・アクションの快作『ハンテッド』(03)、マシュー・マコノヒー主演の異色ノワール『キラー・スナイパー』(11)などで健在ぶりを示すが、その合間には数多くの失敗作を手がけている。 巨匠と呼ぶにはあまりにもキャリアの絶頂期が短かったフリーンドキンだが、このたびザ・シネマで放映される『L.A.大捜査線/狼たちの街』(85)は、彼が全盛時のパワーを取り戻したかのような刹那的輝きに満ちた力作である。物語は連邦捜査官のチャンスが、偽札製造のプロに定年退職寸前の相棒を殺害されるところから始まる。怒りの弔い合戦を決意したチャンスは、経験の浅い新たな相棒ジョンとともに犯人エリックを追い、執念深い捜査を繰り広げていく。 陽光眩いアメリカ西海岸が舞台とあって、フリードキン流の泥臭いドキュメンタリー・タッチが全開だった『フレンチ・コネクション』とはヴィジュアルのルックがまったく異なっている。とことんドライで、そこはかとなく「マイアミ・バイス」風のスタイリッシュ感をまとった映像を手がけたのは、この前年にヴェンダースの『パリ、テキサス』(84)とアレックス・コックスの『レポマン』(84)、翌年にジャームッシュの『ダウン・バイ・ロー』(86)に携わった撮影監督ロビー・ミューラー。砂漠などのロケーションが鮮烈な印象を残すこの映画は、やがてフリードキン作品らしく思いもよらない方向へと屈折し、法を遵守する立場のはずの主人公の凄まじい暴走を描いていく。 そのハイライトは、憎きエリックをあぶり出すための偽札作りの手付金の調達を上司に却下されたチャンスが、相棒をむりやり従わせて誘拐強盗を犯す場面だ。何とか5万ドルの入手に成功したものの、犯罪組織に追われる身となったチャンスとジョンは、車に飛び乗って逃走を図る。ところが逃げても逃げても敵がわき出してくるため、チャンスの車は行き当たりばったりで水路や線路を突っ走った揚げ句、高速道路を猛スピードで逆走し、一般市民の対向車を山のようにクラッシュさせていく。囮捜査の資金調達をめぐるプロット上のささいなエピソードをはてしなく肥大化させ、映画史上希に見る異様なカー・アクション・シークエンスを実現させたフリードキンの型破りな剛腕! 『フレンチ・コネクション』や『ハンテッド』にも色濃く見られたチェース・シーンへのただならぬ執着に圧倒され、唖然としつつも理屈を超えた感動を覚えずにいられない。 この怒濤のカー・チェイスに加え、エリック役の若きウィレム・デフォーのカリスマ性も見逃せない。序盤、エリックが砂漠の工場でひとり黙々と偽札製造を行うシークエンスは、まるで至高の芸術作品の創造に没頭するアーティストを連想させる。エレガントな狂気と神出鬼没の狡猾さを兼ね備えた出色の悪役を体現したデフォーは、これが出世作となって『プラトーン』(86)、『最後の誘惑』(88)、『ミシシッピー・バーニング』(88)といった話題作に相次いでキャスティングされることになる。エリックの運び屋に扮したジョン・タトゥーロの助演も要チェックである。 初見の方のために物語の行く末は伏せておくが、チャンスとエリックがついに直接相まみえるクライマックスには異常な展開が待ち受けている。法の裁きや復讐、偽札による金儲けといった思惑を超え、奇妙なまでに曲がりくねって行き着く男たちの壮絶な運命は、驚くほど呆気ないがゆえに極めてフリードキン的だ。おまけに、これほど登場人物が顔面に被弾する銃撃シーンの多い映画は珍しい。北野武監督のデビュー作『その男、凶暴につき』(89)に影響を与えたとも言われ、実際いくつかの共通点が見られる本作は、あらゆる点において何かが確実に狂っている映画なのである。 そしてザ・シネマにお目見えする、もう1本のフリードキン作品『ジェイド』(95)も紹介しておきたい。ある大富豪がアフリカ製の斧で惨殺されるという奇怪な猟奇事件が発生し、検事補コレリの調査によって“ジェイド(淫婦)”の異名を持つ井正体不明の美女の存在が浮かび上がる。カリフォルニア州知事のセックス・スキャンダルにも絡んでいる“ジェイド”とは何者なのか。ジョー・エスターハスが脚本を担当している点からも、『氷の微笑』(92)の二匹目のドジョウを狙ったことが明らかなエロティック・サスペンスである。 ところが男と男の因縁を描かせると天下一品のフリードキンに、男と女の淫らな秘密をめぐるこの企画を委ねるのは少々筋違いであった。いろんな出来事がめまぐるしく起こるので退屈はしないが、フリードキン的な濃厚さは乏しく、ストーリー上必要不可欠な官能性もいまひとつ。にもかかわらず本作には、“チェイス狂”フリードキンの本領発揮たるカー・アクションが盛り込まれている。主人公コレリの車が何者かにブレーキを破壊され、サンフランシスコの坂道を転がり落ちるシーン。さらに証人を殺害した運転手不明の車を追跡し、大勢のアジア系市民によるパレードでにぎわうチャイナタウンに乱入するシークエンス。もはや本筋のミステリー劇そっちのけで繰り広げられるこれらのカー・チェイスは、『L.A.大捜査線~』と同じく名スタント・コーディネーター、バディ・リー・フッカーとのコラボレーションによるものだ。また本作はジョン・ダール監督の傑作『甘い毒』(94)とともに、セクシー女優リンダ・フィオレンティーノの艶めかしい魅力が拝める代表作でもある。 ふと思えば『L.A.大捜査線~』のウィリアム・L・ピーターセン、『ジェイド』のデヴィッド・カルーソといういささか影の薄い主演男優ふたりは、それぞれのちに「CSI:科学捜査班」のギル・グリッソム、「CSI:マイアミ」のホレイショ・ケインという当たり役で名を馳せることになる。奇人とも暴君とも呼ばれる孤高の鬼才フリードキンは、ピーターセンやカルーソにどれほど現場で無茶な要求を突きつけ、彼らのキャリアにいかなる影響を与えたのか。そんな想像を思い巡らせながら鑑賞するのも一興かもしれない。■ COPYRIGHT © 2014 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
エクソシスト
悪魔に憑かれた少女の変貌に息を呑む!悪魔vs.悪魔祓い師の死闘を描くオカルト・ホラーの金字塔
『フレンチ・コネクション』の名匠ウィリアム・フリードキン監督が、精巧な特殊メイクやSFXを駆使しながら、悪魔と悪魔祓い師の死闘を重厚なドキュメンタリー・タッチで描く。アカデミー脚色賞、音響賞を受賞。
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PROGRAM/放送作品
ハンテッド(2003)
追う男トミー・リー・ジョーンズVS逃亡者ベニチオ・デル・トロ!追跡サスペンス・アクション!
コソボで目の当たりにした大量虐殺によって心を病み殺人鬼と化した元兵士と、特殊部隊の元教官。かつての師弟の壮絶な追跡劇を『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキン監督がダイナミックに描く。
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PROGRAM/放送作品
英雄の条件
任務成功と引き換えに民間人83名を犠牲に…それでも彼は英雄か?緊迫の軍事法廷サスペンス
中東駐在の大使を救出するため民間人を無差別銃撃…その罪を問う軍事裁判の行方を、トミー・リー・ジョーンズら演技派俳優の競演で描く。ドキュメンタリータッチの戦闘シーンが、物語のリアルな緊迫感を高める。
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PROGRAM/放送作品
ジェイド
[R15相当]過去に心から愛した女性が事件の容疑者に…。『氷の微笑』の脚本家による情欲のサスペンス
『氷の微笑』の脚本家、ジョー・エスターハスが脚本を手掛け、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督とともに放つエロティック・サスペンス。
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PROGRAM/放送作品
(吹)L.A.大捜査線/狼たちの街
復讐に燃える捜査官のタフな生きざまをスタイリッシュに描いたサスペンス・アクション
『フレンチ・コネクション』、『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督が、復讐のため偽札犯を追う捜査官が繰り広げるサスペンス・アクションをスタイリッシュな映像で描く。高速道路逆走のシーンは必見!
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PROGRAM/放送作品
(吹)L.A.大捜査線/狼たちの街※厳選吹き替え
復讐に燃える捜査官のタフな生きざまをスタイリッシュに描いたサスペンス・アクション
『フレンチ・コネクション』、『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督が、復讐のため偽札犯を追う捜査官が繰り広げるサスペンス・アクションをスタイリッシュな映像で描く。高速道路逆走のシーンは必見!
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PROGRAM/放送作品
ジェイド [R15相当]
[R15相当]過去に心から愛した女性が事件の容疑者に…。『氷の微笑』の脚本家による情欲のサスペンス
『氷の微笑』の脚本家、ジョー・エスターハスが脚本を手掛け、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督とともに放つエロティック・サスペンス。
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フレンチ・コネクション
鬼刑事が麻薬密輸組織を追い詰める!アカデミー賞5部門に輝いたジーン・ハックマン主演の傑作刑事ドラマ
麻薬密輸組織の壊滅に執念を燃やす鬼刑事をジーン・ハックマンが熱演し、アカデミー主演男優賞に輝いた。他にも同作品賞・監督賞・脚色賞・編集賞を受賞。電車で逃げる殺し屋を自動車で追うカーアクションは語り草。