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COLUMN/コラム2014.12.26
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年1月】にしこ
「素晴らしい映画」とは?プロットが良い、映像美が素晴らしい、音楽が泣ける、等々あるかと思いますが、やはり劇映画の場合、「役者の演技が素晴らしい」というのは非常に観客をその世界に引き込む重要なファクターかと思います。いつだってお芝居を観ている事を忘れる様な神的演技を繰り出す役者さんもおりますが、それ以上に「いいもん観たなぁ」と思うのは、役者さんのその時代、その瞬間しかできないよね!という演技をスクリーン越しに感じる時だったりいたします。まさに、この「マイ・ガール」はそんな演技が全編にちりばめられた、素敵な作品です。1972年。赤ちゃんの時にお母さんをなくし、お父さんとおばあちゃんの3人暮らしのベーダ。学校の先生にお熱の11歳。周りの女の子とは気が合わず、親友のトーマスと男の子の様に遊ぶ方が楽しい。ある日、お父さんの営む葬儀店に、死に化粧の担当としてやってきたシェリーがお父さんといい感じになっているのも気に食わない。大人はみんな恋をして何をするんだろう?キスってどんな感じがするんだろう?例えあくびが出る様な作品だったとしても、自分に刺さるシーンやセリフ、エピソードや小物だったりが登場する作品は、自分にとってかけがえのない映画になったりします。思春期の女の子の「わかるわかる」が詰まったエピソードの数々に、自分を重ねあわせて観ていた記憶があります。ベーダのつけている気分によって色が変わる「ムードリング」。欲しかったなぁ… Copyright © 1991 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2014.12.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年12月】キャロル
南アフリカ共和国の人種融和を図るネルソン・マンデラ大統領が、黒人・白人混成のラグビー代表チームに祖国団結を託した実話を名匠クリント・イーストウッドが映像化。本人からマンデラ役を熱望されたというモーガン・フリーマンの醸し出す絶対的な安心感とマット・デイモンの絶妙な清涼感が、重厚なテーマの本作にすがすがしい空気を送り込んでいる。また、監督イーストウッドのなせる技なのだろうが、押しつけがましい感動演出がなく静かに物語が進行していくので、観終わった後の重苦しさは全くない。なかなか触手が伸びにくいジャンルだが、実際に見てみると案外重くないので、未見の方はこれを機会に一度ご覧頂きたい一品。 © Warner Bros. Entertainment Inc. and Spyglass
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COLUMN/コラム2014.12.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年12月】にしこ
「ロマンチック・コメディの女王」と言えば、古くはメグ・ライアン、現役続行中のキャメロン・ディアス、実力派リース・ウィザースプーン、はたまたエマ・ストーン?と名前が挙がってくるのでしょうが、真にこの名にふさわしいのはこの人しかいません。ノーラ・エフロン。2012年に急逝されたこの偉大なロマンチック・コメディ界の巨星の最高傑作と言い切りたい!それが『恋人たちの予感』です。彼女はこの作品の脚本家でありますが(監督は『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナー。ノーラが監督し、大ヒットした『めぐり逢えたら』に、トム・ハンクスの親友役としても出演しています)、この作品は会話劇と言っても過言ではないほど、登場人物がしゃべるしゃべるしゃべる。ずばりと男女の考え方の違いをウィットに富んだ表現でしゃべるしゃべる。ハリーとサリーはシカゴ大学を卒業し、就職の為にNYへと向かう車の相乗り相手として知り合います。サリーは理想主義の優等生タイプ。ハリーは世の中を斜に構えて見ているペシミスト。自分は恋人の友人であるにも関わらず口説いてくるハリーにサリーは嫌悪感を抱きつつ、合うはずもない2人、NYに到着し「もう二度とお会いすることもないでしょう」的お別れをします。車の中での会話も男女の考え方をユニークでありながら、端的に主役二人に語らせます。「男女の友情なんて存在しない。男は女に魅力を感じた時点でヤリたいと思ってる」「そんな事はない、私には男友達が沢山いる」という2人の会話が後半部分の伏線となっていきます。それから5年後、2人はばったり空港で再会。サリーがハリーの友人の恋人だった為気づいたものの、それがなければ気づかなかった程、相手に関心のない2人。挨拶のみでさようなら。さらに6年後、ハリーの離婚直後にNYの本屋で再会。ちょうどサリーも恋人と別れたばかり。最初の出会いから11年経って初めて、お互いに心を開き合い、2人は親友になります。「魅力的だけど寝たいと思わない初めての女性だ」。ハリーはサリーに言います。数々の名シーンはあれど、1つあげるのであれば、伝説の名シーン。「自分の過去の彼女は皆、自分とのセックスに満足していた!」と言い張るハリーにサリーが「女は誰でも人生に1度はオーガズムに達するフリをした事がある」と主張。「そんなばかな事あるか!」と取り合わないハリーに、お客が大勢いるカフェの中で、あられもないオーガズムの演技を披露する。というアレです。サリーが大熱演を終えた後、1人の中年の女性にカメラが。オーダーを取りに来た店員に「彼女(サリー)と同じものをちょうだい」というシーンがあります。その中年の女性を演じているのは監督、ロブ・ライナーの実のお母様!!お互いの違うところを理解した上で受け入れ、嬉しいことはもちろん、悲しいことも何でも共有したいと思う間柄になった2人。そんな2人の素晴らしい親友ライフは、2人がなんとなく流れでセックスしてしまった事件によってぎくしゃくしたものに…「男女の友情は成立するのか?」映画+「男女の頭の中のギャップ」映画でもある本作。テーマは男女の性差、ですが、性別関係なく、確実に楽しめます!そして必ずやハッピーな気持ちになれる事請け合い!!いつ見ても楽しめますが、ぜひクリスマスに観ていただきたい1本。 WHEN HARRY MET SALLY © 1989 CASTLE ROCK ENTERTAINMENT. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2014.10.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年11月】おふとん
フィリップ・ロスのデビュー作を1969年に映像化した珠玉の名作。青春の輝きと痛みが凝縮されたストーリーと、瑞々しく透明感に溢れた映像。夏のプールの水面のきらめき、遠い記憶の匂い、少女たちの熟れた胸とおしり、アソシエイションの主題歌、小麦色の肌と真っ白なテニスウェアのアリ・マッグロー、パステルカラーのママたちの服、ゴーギャンが大好きな少年。やっぱり69年は特別な年!オープニングのプールシーンは映画史に残る名場面。 TM & Copyright © 2014 by Paramount Pictures. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2014.10.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年11月】にしこ
原題は"JEFF, WHO LIVES AT HOME"。30歳のジェフは、実家住まいのニート。 「ハッピーニート」という邦題ですが、物語の冒頭、ハッピー感はあまり感じられないいちニートです。さらに、M・ナイト・シャマラン監督(『シックス・センス』の監督)の『サイン』という映画に傾倒しておりここがまた残念感を助長しているわけですが、日々、自分への「サイン(神の啓示)」が落ちてこないか、ぼーっとテレビみながら探しているという「俺はまだ本気出してないだけ」状態というか、まぁ淡々とではありますが、それなりにあがいている日々。ある日「ケビンはいねーか?」という暴力的な間違い逆切れ電話が。思い当たるケビンという知人はいないものの、「これってサインじゃない?」というトンチンカンな雷に打たれて、「ケビン」探しにソファから腰を上げ、街へと繰り出します。バスで。バスケのユニフォームを来たB系の青年がバスに乗車してきて、目を疑うジェフ。なんと背番号には「KEVIN」という名前が!「運命みつかったし!」と彼をストーカーのごとく追いかけますが、あっという間に見つかり、ボコられ、命からがら逃げ出し…ジェフの兄パットもこれまた大人になりきれない中年男で、妻に黙って高級車を購入したりと万事が万事「楽しい事だけしていたい」タイプ。妻は彼の幼稚さに結婚生活継続の自信を無くし、激ギレ。そんなダメダメを息子に持った母(スーザン・サランドン)も「あの子たちをかわいいと思えない。子供の頃はかわいかったけど…」。そうでしょうとも。おっさんのナリをした子供なんてかわいいはずない!と、周囲の女性は彼らの精神的未熟さを持て余し、憤りを抱えているわけです。家族でも許せないダメさ加減なのか、家族だからこそ許せないのか。女性の現実を生きる強さと、男性のふわふわしてたい願望が、小気味よく描かれております。文字面にするともう逃げ場がないダメさ加減ですが、全体的にオフビートな笑い満載の本作。作り手が「憎めないよね、こいつら」という目線で愛情を持って2人を描いているのが伝わります。それは最後に起きる「小さな奇跡」でも証明されるのでお見逃しなく。意外と「おお!」と思う奇跡です。日本ではあまり知名度がない2人のコメディアン。ジェフ役のジェイソン・シーゲルはシットコム『ママと恋に落ちるまで』のレギュラーとして全米では大人気。1999年~放送の『フリークス学園』で注目され、『フリークス学園』の製作総指揮を務めたジャド・アパトーとはその後『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』『寝取られ男のラブ♂バカンス』『40男のバージンロード』『40歳からの家族ケーカク』など、低予算ながらも確実に「面白い!」と思わせる作品でタッグを組む事に。ジャド・アパトーは2014年現在、全米の女性への影響力1番と言っても過言ではないレナ・ダナムを一躍スターにしたドラマ『GIRLS』の製作総指揮を務めています!そんな「才能のある人間をかぎ分ける」名プロデューサーに見いだされたシーゲル。その才能は折り紙つきで『寝取られ男のラブ♂バカンス』では脚本も担当。ディズニーのヒットシリーズ『マペット』の劇場版映画『ザ・マペッツ』では脚本と共に、製作総指揮も務めています。そして今をときめくミシェル・ウィリアムズの元カレでもあります!兄のパット役は「ハング・オーバー」シリーズのスチュ役でお馴染みのエド・ヘルムズ。2人のおっさん・ネクスト・ドア的な「いるいる」感が◎です! TM & Copyright © 2014 by Paramount Pictures. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2014.09.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年10月】キャロル
『アバター』のジェームズ・キャメロン製作総指揮で贈る、究極のアドベンチャー・サスペンス。世界最大の洞窟を、世界的探検家フランク率いる一行が調査を進めていた。しかし運悪く巨大サイクロンが発生。洞窟内は増水し鉄砲水によって出口を塞がれてしまう。閉じ込められた一行は、まるで迷路のように水路が入り組んだ巨大洞窟のトンネルを彷徨いながら海への出口を探すのだが・・・。迫力満点の映像美はもちろんのこと、「もしも自分の身に起きたら・・・」と思わず考えてしまうような、人間の内面をえぐり出すリアルな人物描写が緊張感を一層高めます。是非部屋を暗くして、大音量で究極のサバイバルを体験して下さい! © 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2014.09.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年10月】にしこ
1950年代から1960年代にかけて、アメリカで人種差別の撤廃を求めて行われた公民権運動。白人公民権運動家2人と彼らが保護した1人の黒人青年が、ミシシッピ州で行方不明になる。この事件に動いたFBIからウィリアム・デフォーとジーン・ハックマン演じる2人の捜査官がミシシッピに送られる。事件の真相に近づけば近づくほどに、彼らは想像を絶するほどの非人道的な差別と対峙する事になり…失踪事件の捜査とうい一級のサスペンスでありながら、60年代、南部で横行していた差別主義者による黒人差別がいかに非人道的で、許しがたいものであったかを「目をそらすな」という強いメッセージと共に観る者に訴えかける傑作です。差別を生む要素が決して単純なものでない事を説得力をもって語るジーン・ハックマンの演技が光ります。 MISSISSIPPI BURNING © 1988 ORION PICTURES CORPORATION.All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2014.09.03
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年9月】おふとん
1987年世界興収トップ納得のサイコホラー。なんといっても怖いのはグレン・クローズ、あんたの顔!お風呂のシーンなんて夢に出てきちゃう!こわい! それでまた、日本語版吹き替えの沢田亜矢子の声がぴったりで、洋画でありながら、日本の話かのように感じてしまうのです。こんな女ありえないと思いつつも、グレン・クローズの狂気や嫉妬は少なからずなーんとなく理解できてしまうのでは、、 しかし一方でマイケル・ダグラスの「やべー!こえー!」みたいなところから「こいつマジで殺す…」と感情が変化していく様子も見事かつ、がっつり感情移入させるんですね。男女の気持ちをどっちも理解できるということでまさかの恋愛バイブルな一本なのでは!? ちなみに2004年の「ステップフォード・ワイフ」でもグレン様の同じような不気味な御尊顔を拝むことができます。 COPYRIGHT © 2014 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2014.09.03
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年9月】うず潮
マカロニ・ウエスタンの大スターとなったクリント・イーストウッドが帰国後、ハリウッドに復帰した第1作。冤罪で私刑された復讐に燃える男を、持ち前のニヒルな無表情で熱演した西部劇。牛追いをするクリント・イーストウッドが川を渡っていたところ、謎な男たちに、一方的に襲われ縛り首に。たまたま通りかかった連邦保安官に救われ、判事によって冤罪を認められたクリント・イーストウッドは、元保安官という前歴を買われ町の保安官に任命される。そこから自分を縛り首にした男たちを追い詰める、無表情のクリント・イーストウッドの復讐劇は必見です! HANG 'EM HIGH ©1968 ROSE FREEMAN REVOCABLE TRUST AND LEONARD FREEMAN TRUST. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2014.08.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年8月】キャロル
「犬LOVE」な映画かと思いきや、実はまじめなヒューマンドラマ。オーウェン・ウィルソン演じる主人公は、必ずしも思い通りに進まない日々の生活の中でも、常に自分と家族にとって幸せな選択をし続けます。周りからどんな風に見えても、自分が愛する家族を思って選んだ道であれば強くいれる。そんな前向きな姿に勇気づけられます。軽快で朗らかに描かれる本作は、仕事と家庭のバランスが崩れそうなとき「これでいいんだ」と前向きな気持ちになれる、おすすめの一本です。 © 2008 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.