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COLUMN/コラム2014.01.31
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年2月】飯森盛良
車名がタイトルになってるくらいの本作。72年型フォード グラン・トリノというクラシック・カーが、物語上、重要な意味を担わされてます。ただしそのウンチクは、公開時からいろんな所で語られてきましたので各自ググっていただくとして、今回ここではもう一つの、あまり言及されてこなかった超重要アイテムが持たされてる意味について書きます。 イーストウッド演じる主人公が、若かりし軍隊時代に授与された、勲章。これは「シルバー・スター勲章(銀星章)」というもので、「敵武装勢力との戦闘中に示された勇敢さ」に贈られる、いわば“勇気の勲章”です。イーストウッド演じる主人公は、朝鮮戦争中、敵を独りで全部斃した。まるで若い頃イーストウッドが演じていたヒーロー役のように。で、この勲章を授与されたんですが、殺戮の記憶はトラウマとなって残り、戦後の長い歳月ずっと彼の心を蝕み続け、彼に最晩年はレイシストの偏屈ジジイになるしかない人生を歩ませてしまった…実は“呪いの勲章”なのです。 それを、近所の小僧にあげちゃう、という展開になります。なぜイーストウッドはこの勲章を小僧にあげちゃうのか? これを贈られるのは、敵との抗争において、普通の人間にはまず絶対に真似のできない勇気ある振る舞いを見せた者に限られます。イーストウッドのように敵を斃しまくる(そしてその後ずっと悪夢に苛まれる)、そのさらに上を行くほどの、真に“勇気の勲章”に相応しい途方もない勇敢さとは、一体どんな行いなのでしょう!? 余談ながら、ご存知ランボーって漢はシルバー・スターを2度授与され、その上の最高位勲章までもらってる。まさに超人。あと、以前当チャンネルにて放送した『アーマード 武装地帯』の主人公も、イラク戦争でシルバー・スターをもらってました。彼は強盗団と戦います。ビビりながらも、たった独り命を賭けて、何の得もないのに正義のため悪漢どもと戦う、という「オレなら絶対しねー」ということを主人公はやってのける。なぜならシルバー・スター受勲者だから!これだけでもう、ロジックとして十分成立しちゃうんです。説得力あるんです。と、いう訳で、勲章の意味をちょっと知ってると、アメリカ映画がさらによく解って楽しめるようになりますよ、というお話でした。 ©Matten Productions GmbH & Co. KG
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COLUMN/コラム2013.12.18
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年1月】にしこ
説明不要、オススメ不要かもしれませんが「アンタッチャブル」です!! 禁酒法時代のシカゴ。悪事の限りを尽くし、シカゴの帝王であったアル・カポネを財務省から肝いりでやって来た調査官エリオット・ネスはなんとかして捕まえようと息巻いていますが、警察内部までカポネの息がかかっているため、当然空回り。意気消沈のネスの前に現れたのはショーン・コネリー演じる巡回警官のマローン。マローン「この年でパトロール警官だ」ネス「どうしてだ?」マローン「この腐りきった街で唯一汚れてない警官だからさ」。 二人がスカウトする警察学校の生徒、若きアンディ・ガルシアのはにかみ笑顔もキュート。そしてそして、見所はたくさんありますが、ロバート・デ・ニーロ演じるアル・カポネの笑ってしまうほど絵に描いた様な悪役ぶりが、いろいろな意味ですごいです。ヒーローの前に立ちはだかる壁→尊敬する師との出会い→成長→悪との対決。シンプルだっていいじゃない。勧善懲悪だっていいじゃない。だって「アンタッチャブル」だもの。観終わった後の爽快感はピカ一!!そして!!この名作がザ・シネマではなんと元日1月1日に放送です!!新年の幕開けにこれほど相応しい作品があるでしょうか!!ザ・シネマでは12/28-1/5の9日間、年末年始の特別編成でヒット作から良作まで渾身のラインナップでお送りします。どうぞお楽しみ下さい!! TM & Copyright © 2013 Paramount Pictures. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2013.12.18
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年1月】うず潮
とある町に1人の無宿者が流れ着く。その男は、絡んできたチンピラを虫けらのようにに射殺し、通行人の女性を襲うなどの無法っぷり。 しかし誰一人として彼を追放しようとはしなかった。実は町の住人を逆恨みする犯罪者を恐れるあまり、この無宿者に頼るしかなかった。手厚くもてなされる男は、住人に秘策を伝授し始める。 イーストウッドの監督第2作目。主人公の無法者は本人のハマリ役。脚本は「フレンチ・コネクション」でアカデミー脚本賞受賞したアーネスト・タイディマンが手がけた。ファン必見のカルト的ウエスタン!若かれし頃のイーストウッドの渋さが光るぜひ見て頂きたい作品です! © 1973 Universal Studios, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2013.12.18
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年1月】招きネコ
アメリカの保守的な田舎町、ロック音楽やダンスも不道徳と禁止されるようなこの町に都会から転校してきた高校生レンが、まわりの大人と戦いながら、ダンスを通して仲間を変えていく青春ストーリー。当時、MTVのミュージッククリップが日本の若者文化にもメチャクチャ影響を与えた中、映画と音楽の融合ということで映画のテーマ曲が大ヒットし、映画も記録的な大ヒットを記録した作品です。この作品で見のがしてならないのは、映画のスタッフやキャストが表示されるオープニングのクレジット部分。この映画は遅れていってはいけないと口コミされたくらいの、「ダンス」と「足」を表現したカッコイイ映像は今見ても映画を見る前に盛り上がり感すごいです。そして、30年前のケビン・ベーコン!ちょっと上を向いたお鼻と下がり目に、写真だけでは全然魅力を感じませんでしたが、映画の中のかっこよさといったら、当然アイドル。その後、極悪人から渋いヒーローまでこなす、魅力的な本格俳優になろうとは夢にも思いませんでした。『ミスティック・リバー』や『スリーパーズ』しか知らない方も、この作品の彼を見て、俳優という職業の深さ、キャリアの重さを感じることと思います。一人の俳優のキャリアに注目するという映画の見方もいいものです。 TM & Copyright © 2013 by Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2013.11.29
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年12月】銀輪次郎
シアトルのナイトクラブを舞台にジェフ・ブリッジスと、その実兄であるボー・ブリッジスが映画の中でもジャズ・ピアニストの兄弟を演じる本作。人気に陰りの見えたピアニストの兄弟デュオにボーカルとして加わった女性シンガーをミシェル・ファイファーが演じます。物語の雰囲気や内容もさることながら、本作で特に注目をしたいのが、アカデミー主演女優賞にノミネートされた(惜しくも受賞はならず。)ミシェル・ファイファーの演技。とりわけ歌唱力がすごい!“The Look of Love”(恋の面影)の他、“My Funny Valentine"等のジャズスタンダード曲を全編にわたり披露してくれます。聞くところに寄れば、役が決まるまでは特に歌の練習はしておらず、役が決定してから毎日10時間の猛練習をしたとか。音楽担当がデイヴ・グルーシンというところも、小粋なジャズ・フュージョンが所々に聞こえて心地よい。音楽にも是非注目してご覧頂きたい作品です! © Copyright ITV plc (ITV Global Entertainment Ltd)
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COLUMN/コラム2013.11.29
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年12月】うず潮
ひょんなことからが瞬間移動能力に気付いたデヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)。成人した彼は、その能力を駆使してリッチな生活を送っていた。しかし、瞬間移動能力者“通称ジャンパー”を抹殺する謎の組織がデヴィッドを追い詰める!監督は『ボーン・アイデンティティー』のダグ・リーマン。ローマのコロッセオやエジプトのスフィンクスなど世界各国で撮影し、最新VFXを駆使した謎の組織とのSFバトルは圧巻です!さらに東京銀座界隈でも撮影され、都内を走り回るカーアクションも必見。また、ザ・シネマでは、特殊能力者主人公にした『ジャンパー』『PUSH 光と闇の能力者』『バタフライ・エフェクト』を【超能力者たち】と題して12月に特集放送しています。こちらもぜひご覧ください! © 2008 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2013.11.29
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年12月】招きネコ
今年亡くなったサッチャー首相が推進した痛みを伴う経済再生政策が行われた後の1990年代初頭のイギリスの炭鉱町のお話。今まで社会を支えてきた衰退産業である炭鉱は閉鎖に追い込まれ、炭鉱労働者たちは職を失おうとしている。すっかり活気を失った町で、彼らは誇りと生きる希望を取り戻すために炭鉱労働者の伝統あるブラスバンドで全英選手権優勝を目指す!どうにもならない現実の中で彼らを支える音楽の力と、仲間との友情に胸が熱くなる感動作です。実在の炭鉱バンド、グライムソープ・コリアリー・バンドをモデルにした実話の映画化ですが、この映画が描く世相や気分、そして人々の置かれた状況などは、雇用や市民の生活を激変させた経済改革、リーマンショック後の不況、そして3.11後の社会不安を経てきた今の日本とダブります。私がこの作品を見た97年は、まだまだ一億総中流と言われた幻想が生きていた時代。感動した大好きな映画ですが、それは遠いイギリスのお話でした。今、当時とは比べものにならないくらい切実にこの映画は胸に迫ります。どんな中でも希望を持つことの大切さ、人と人とのつながりの暖かさを描く映画は、今こそ見て欲しい作品です。 ©Channel Four Television Corporation and Miramax Film Corp.1996 All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2013.11.29
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年12月】にしこ
クリスマスといえばこの映画。2003年の映画ですが既に「定番」と言えなくもない、そんなかわいらしい1本です。舞台はもうすぐクリスマスを迎えるロンドン。世代、立場が違う様々な人物が登場しますが、皆一様に小さくて大きな悩みを抱えています。夫の浮気に心を痛める妻、長年職場の同僚に片思いしている女性。妻を亡くし義理の息子の元気の無さにあたふたする父。そして恋と職務の間で悶々とする英国首相まで!!多彩な登場人物だれかしらに、観る人は感情移入できるはずです。観終わった後、自分の周りにある、ささやかな「LOVE」に気づかされる1本。外は寒くても心はホカホカに。ザ・シネマでは「ちょっといい映画を見るクリスマス」題し珠玉のクリスマス映画5本をお届けします。こちらも併せてお楽しみ下さい!! © 2003 Universal Studios. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2013.10.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年11月】招きネコ
スパイ小説の英国の巨匠、ジョン・ル・カレの傑作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化作品。小説と映画原題は、スパイのコードネームです。 映画邦題の「裏切りのサーカス」の”サーカス”は、英国情報部(通称MI6)の隠語。東西冷戦下の苛烈なスパイ合戦を背景に組織に潜り込んだソ連の二重スパイをあぶり出す丁々発止の作戦が繰り広げられる。まあ、「裏切り者は誰だ!?」という話なのですが、よくあるドンパチ・エンターテイメント作品とは違い、二重三重に張り巡らせた伏線が次々に出現し、全神経を集中させる映画鑑賞の醍醐味を味わえます。この感覚、しばらく忘れていました。そして、キャストがまたすごい。クセ者、悪役をやらせたら最強のゲイリー・オールドマン、アカデミー賞俳優コリン・ファース、そして、今、大ブレイク中の「スタートレック イントゥ・ダークネス」のベネディクト・カンバーバッチ、他にも、トム・ハーディ、ジョン・ハートなど、英国の「味のある顔」見本市のような渋い演技派俳優が勢揃い。ものすごく画面密度が濃いです。私は見るたびに新しい発見がある映画が好きなので、二度三度見る価値のあるこの作品をオススメします。でも、とにかく集中第一なので、疲れた時は見ないでね。。 ©2011 KARLA FILMS LTD, PARADIS FILMS S.A.R.L. AND KINOWELT FILMPRODUKTION GMBH. ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2013.10.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年11月】銀輪次郎
悪者のように描かれながらも、NASA(アメリカ航空宇宙局)協力の下で作られた本作。よくある宇宙ものSF作品かと思いながら物語に引き込まれていると、物語は終盤、いつのまにかにアクション映画と化します。SFとしてもサスペンスとしてもアクションとしても秀逸なこの作品。臭いものには蓋をしろ的なお話から、乗組員達の葛藤、そして彼らの生き残りを賭けた戦いへ・・・と脚本が素晴らしい。序盤の政府&NASA幹部の隠蔽工作のお話も、現実にありえそうなところにまとめているところが上手い。見る価値に値する作品でこれはオススメです。 ©ITV plc (Granada International)