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COLUMN/コラム2012.12.22
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年1月】飯森盛良
蝶になった夢を見た人の疑問。「もしかしたら自分は蝶で、人間になった夢を見ているのではないか?」…いわゆる「胡蝶の夢」というこの哲学的テーマを、数々の傑作SFが取り上げてきました。本作まさにそれ。結局、夢オチなのか現実だったのか曖昧に終わりますが、実はよく見ると劇中に答えが隠されてます。たとえば本編開始15分後頃、リコール社で施術を受けるシーン。ほらほら、モニターに何が映ってます? シュワは何のコース選びました?シュワの女の趣味は?さらに、映画はどう終わりましたっけ?ハッピーエンドのキスシーンから白くフェード・アウトしていきますよね。映像のお約束では「白いフェード・アウト」の意味するところとは…?本作、ぜひ録画して確認しながらご覧ください! © 1990 STUDIOCANAL
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COLUMN/コラム2012.12.22
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年1月】招きネコ
フランスの田舎を舞台に、戦争孤児となった5歳の都会の少女ポーレットと、彼女の面倒をみる農家の少年ミシェルの物語。死というものを解らない2人は、ポーレットの死んだ愛犬を埋葬したのを最初に、次々と様々な生き物の命を絶ってお墓作りと十字架を集めることに熱中します。この作品と同名のナルシソ・イエペスのギターのテーマ曲を知らない人はいないであろう有名作品で驚異的な子役2人の演技が可能にした涙なくして見られない感動作。でも、この作品のスゴさは、純粋に映画として面白く、かつ、戦場シーンなし、戦時下の子供たちの姿を通してのみで反戦というテーマを強烈に描けていることです。お涙ちょうだいの子供映画と思ってパスせず、ダマされたと思って見て下さい。特にラスト・シーンの余韻はマイ・ベスト3作品。映画の続きのストーリーを見る度に泣きながら考えていました。初めてテレビで見たのは小学生で某TV洋画劇場でしたが、その解説者が終わりの解説で映画で描かれなかった子供たちの未来について推理して断言。それは私としては許せない内容だったことは強烈な思い出で、それ以来その解説者を敵視。解説解釈は自由でも、見る人のイマジネーションを奪ってはダメだと現業の中で個人的にポリシーにしていることの原点の出来事です。 © 1952 STUDIOCANAL
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COLUMN/コラム2012.11.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年12月】銀輪次郎
アーサーさんの牧場で繰り広げられる動物コメディ決定版。牧羊“豚”を目指す主人公ベイブと牧場主のアーサーさんとの心暖まるストーリー。動物たちを見ているだけでも微笑ましく癒される一品。1995年度アカデミー視覚効果賞受賞作です。 「どうせ一昔前のVFX映画なんでしょ?昔のCG映画なんていまさら見ても・・・」と思って、今日まで見ず嫌いのあなた。騙されたと思って一度見てみて下さい。動物たちの自然すぎる演技に、いつの間にかにVFXのことなんて気にならなくなって、「ベイブ」の世界に吸い込まれていくはずです。牧羊“豚”の仕事を任されたベイブは、羊を追い込む極意を教えもらいます。それは牧羊犬のように吠えたり噛み付いたりすることではなく、丁寧にお願いすること。この極意で気持ちいいほど羊たちを従える牧羊豚として活躍を見せ始めるベイブの未来やいかに。ザ・シネマでは、日本語吹き替え版も合わせて放送しますので、ご家族みんなでベイブを応援して下さい! © 1995 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.11.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年12月】飯森盛良
原題は「サッフォー」。サッフォーとは愛の詩を数多く遺した古代ギリシアのレスボス島(Lesbos)の女流詩人。レズビアンの元祖という伝説もあり、LesbosはLesbianの語源になった。で、本作である。1920年代(=フラッパーなど女性解放時代の幕開け)、サッフォーの名を持つ米国女性がレスボス島を訪れ、白系ロシア美女ヘレンから、古代の性の営みについて教え込まれる。それがいかに自由奔放なものであったか。やがて彼女は古代のサッフォーに自らを重ね、レヘンとともに古代ギリシア的な性を実践していく…ということで、単なるエロ映画ではありません。宗教倫理やら社会通念やらに縛られる前、古典古代のヘレニズム世界における、原初的快楽としての、どこまでも明るくおおらかなセックスを礼賛し、性のルネサンスを図る、時空を超えた壮大なエロ映画、なのであります!もっとも、末路哀れは覚悟の前やで。 © 2008 CROMBIE FILM, LTD.
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COLUMN/コラム2012.11.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年12月】招きネコ
大恐慌の時代、仕事を求めて無賃乗車で大陸を渡り歩く季節労働者(ホーボー)たち。そんな彼らが恐れて近づかないのが、殺してでも彼らを乗せまいとする鬼車掌シャックの車両19号。だが、そんなシャックの車両に何度も乗り続け、仲間の尊敬を一心に集める無賃乗車の帝王、Aナンバーワン。 この二人のバトル、知恵比べと文字通りの肉弾戦が延々と繰り広げられる。鬼車掌VS無賃乗車男のプライドを賭けた闘いという意味不明の設定で、これで映画は成立するのかと?正直不思議だが、これがメチャメチャ面白い。走る蒸気機関車を舞台に、リー・マービンとアーネスト・ボーグナインの生身の演技を越えた迫力のアクションの連続に手に汗握り、なぜか共感できてしまう男の意地とプライドにニヤニヤしながら忘れられない1本になりました。再見して以来、もうボーグナインの鬼の形相が悪夢に出てきそうです。この映画と同じような映画は思いつかないオリジナル度300%の映画です。 © 1973 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 2001 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】飯森盛良
外国で逮捕され劣悪な刑務所で壮絶な体験をする青年の物語だが、主人公、何で捕まるかというと、麻薬の密輸。それが半端ない分量で、どう見ても重罪犯。で懲役30年を喰らうのだが、判決を受けると「お前らの国を恨んでやるー!ブタどもめー!!」と絶叫。…これ、世間でよく言う逆ギレでは? さらにクライマックス、刑務所を出るまでの展開もすごい。罪を償ってなくないか!? だが、アメリカではアカデミー作品賞ノミネート、社会派ドラマの傑作とされる。さて、あなたは、この主人公に同情できるかできないか!? ぜひ吹き替え版で、キャスバル兄さんの声で確かめてみてください。さっきの判決シーンとカノジョ面会シーンでの池田秀一さん、キレ芸と泣き芸、必聴です! Copyright © 1978 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】銀輪次郎
ヴィム・ヴェンダースが、尊敬する小津安二郎の捉えた風景を探す私的ドキュメンタリー。ヴェンダース自身の東京への旅を通して、東京の映像を収めていく。小津映画に出演した俳優の笠智衆と撮影監督であった厚田雄春への撮影当時のインタビューは必見の内容。 ヘルツォークが、失われた東京の風景について、東京タワーで熱く語るシーンもあります。撮影された時期は、近いようで遠い1983年春。新幹線、地下鉄駅、パチンコ屋、ゴルフ練習場、どれも今もある東京の風景だが、今のそれとは違うような不思議な印象が残る作品。80年代の東京のアーカイブ映像作品としても観るのも一興です。 © 1985 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH, CHRIS SIEVERNICH
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】招きネコ
名作舞台『シカゴ』を手がけたブロードウェイの大物演出家、ボブ・フォッシーが監督した自伝的作品。ミュージカル製作への苦悩と狂乱の私生活の中で生きる猛烈中年男ジョーが過労で倒れ、死の淵をさまよううちに、あの世から、この世の自分の日常と人生を俯瞰するというファンタジーと、エネルギッシュなショウビズ界の活写がダブル構造で描かれます。 初めて見た時、このジョーを演じるロイ・シャイダーが、あの『JAWS』の田舎町の警察署長とは同一人物とは思えぬかっこよさにビックリしました。黒ずくめ、鋼のような細身でセクシーな体型、クールなまなざし、そしてダンス!見事な変身はプロですね。監督フォッシーは、自分をモデルとした役なので、キャスティングにはすごいこだわりがあったらしく、有力候補だったリチャード・ドレイファスには、「俺のイメージじゃない」と大反対。結局、ロイ・シャイダーに決まったことから見て、やっぱり「カッコイイ俺」にこだわったのかな?でもそれで正解だったと思いますよ!! Copyright © 1979 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】山田
映像化不可能といわれたベストセラー小説を、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督が映画化。14歳で殺された少女が、天国から現世の家族と交流を試みるという異色のファンタジー。サスペンス要素も十分に、人間ドラマありSFありで、ピージャクの圧倒的な映像美とあいまって、ファンタジーといえばファンタジーなのだが、色々な意味で“想像を裏切られる”はず。 主演はシアーシャ・ローナン。本作公開時まだ15歳だったが、デビュー作『つぐない』(当時13歳!)で既にアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている実力派!11月のザ・シネマでは、「特集:ハリウッド21世紀ヤングスター」と題して、今旬のハリウッド若手スターから大ブレイク間違いなし!?のスター候補生まで、出演作を大特集! Copyright© 2012 DW STUDIOS L.L.C. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】飯森盛良
今はIKEAがあるあたりだ。バブル崩壊から数年後、当時はバブルの徒花の巨大屋内スキー施設が建っていて、深夜にはそのシルエットが黒々と天高くそびえ、不気味だった。ふもとは港湾倉庫街。二浪が確定し、終夜バイトをしていたオレ。人生ドン詰まり感、世に出れない焦燥感を抱きながら、海からの寒風吹きすさぶスキー施設の足元を、M-65の襟を立て、バイト先の倉庫まで週6日通った。なんだか解らんが何かに凄まじくムカついてたオレは、トラヴィスにおのれを重ねながら、何十回もこの映画を観た。家ではパッチン腕立てと東京ガスで鉄拳焙りをしてたのは言うまでもない。厨二ではなく二十歳の頃の話だ。そのおかげか、今どうにかこんな仕事で喰えてる。M-65は黄緑に色褪せたが、20年来オレのバディであり続けてくれてる。で、だ若者よ!不景気と閉塞感に窒息しそうな今日の若者よ!とりあえず、M-65を着なさい。全てはそこからだ。そしてトラヴィスを胸に、とりあえずパッチンと東京ガスをしながら、雌伏の今日を生きるのだ!そのうちなんとかなるだろう。 Copyright © 1976, renewed 2004 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.