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NEWS/ニュース2019.04.27
【ロッキー一挙放送記念コラム】GW最終日5/6(月・休)はザ・シネマで「ロッキー」! 一挙放送を記念して濃厚コラムを大量投下!
■一挙放送記念コラム大量投下!「ロッキー」&「クリード」シリーズの魅力を濃厚解説! 令和元年のゴールデンウイーク最終日に、 「ロッキー」シリーズ全6作品とCSベーシック初放送の『クリード チャンプを継ぐ男』を一挙放送、元ボクサー・竹原慎二さんのインタビュー特別番組を放送します。 そして放送に先立ち、ザ・シネマのWEBサイトでは「ロッキー」&「クリード」シリーズのコラムを公開しました。ザ・シネマとザ・シネマ4Kで愛と希望と勇気をお届けします! ■濃厚コラムはこちら! 「ロッキー」&「クリード」シリーズの魅力や見所のみならず、筆者のロッキーへの想いや体験談もあわせて濃厚に解説!映画を見た方も!これから見る方も必見です!5月6日(月・休)の放送とあわせて、お楽しみください。 ●尾崎一男さん 再評価の兆しを感じる、我が人生を伴走した極熱の一本『ロッキー4/炎の友情』 ●高橋ターヤンさん 『ロッキー』シリーズを不動の名作にしたある登場人物とは? ●なかざわひでゆきさん ファンと共に成長してきた『ロッキー』シリーズ40年の歩みを振り返れ! ●長谷川町蔵さん 「やれるまでやる」スタローンはそう教えてくれた ●松崎まことさん 「もういいよ~」を乗り越えて… 『ロッキー』シリーズの40年余 ●村山章さん スタローンが”本気”の幕引きを見せた「理想の続編」~『ロッキー・ザ・ファイナル』 ●にしこ(ザ・シネマ ロッキー担当) にしこ 突然の告知です。失礼します。 ※五十音順 ■GW最終日5月6日(月・休)朝8時半から15時間強の一挙放送! いち早く!ザ・シネマのYoutubeにて公開中! 『クリード チャンプを継ぐ男』「ロッキー」放送記念:竹原慎二の選択」 特集の記事はコチラ番組を視聴するにはこちら
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NEWS/ニュース2019.04.23
竹原慎二さん特番放送へのコメント到着!動画あり! 「ロッキーから勇気や希望をもらうんじゃないですかね」 番組「『クリード チャンプを継ぐ男』「ロッキー」放送記念:竹原慎二の選択」 ザ・シネマにてGW最終日5/6(火・休)放送! 竹原慎二さんの格言付き直筆サイン入り色紙をプレゼント!
洋画専門CS放送ザ・シネマとBS4K放送ザ・シネマ4Kは、令和元年のゴールデンウィーク最終日に、 「ロッキー」シリーズ全6作品とCSベーシック初放送の『クリード チャンプを継ぐ男』を一挙放送いたします。放送にあわせ元ボクサー・竹原慎二さんのインタビュー特別番組の放送が決定! この度、特別番組の放送を記念し竹原慎二さんにインタビューを行いました。 山あり谷ありロッキーさながらの人生を過ごしてきた、竹原さんが語る自身の半生と、『ロッキー』への熱い想いがこもったインタビューとなりました。 そして竹原さんの格言付き直筆サイン入り色紙をプレゼントキャンペーンも実施します。 「ロッキー」シリーズと『クリード チャンプを継ぐ男』の一挙放送とあわせてお楽しみください! ■元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二、「『ロッキー』は勇気や希望をもらえる作品」 ★ 竹原慎二さんインタビュー!特別番組「『クリード チャンプを継ぐ男』「ロッキー」放送記念:竹原慎二の選択」 40年以上もの間、多くの人に勇気と希望を与えてきたシルヴェスター・スタローン主演の映画「ロッキー」シリーズ。ザ・シネマとザ・シネマ4Kでは、その「ロッキー」シリーズ全6作と、ロッキーのライバルであり親友だったアポロの息子アドニス・クリードを主人公にした新章「クリード」シリーズの第一弾『クリード チャンプを継ぐ男』(CSベーシック初放送)を5月6日に一挙放送する。この放送にあわせて、元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二さんが自身の半生について大いに語った特別番組「『クリード チャンプを継ぐ男』「ロッキー」放送記念:竹原慎二の選択」も放送される。少年時代から、ボクシングとの出会いで人生を変えて世界王者になった竹原氏。人生を変えた父の言葉。上京。世界戦への挑戦。また、近年は癌との過酷な戦いなど……。数々の困難にも、不屈の精神で立ち向かってきた竹原氏は、まさにリアル・ロッキーとも言うべき存在だ。竹原氏自身はその言葉に「単に不良だったとか出来損ないだった、という点が一緒だというだけでしょ」と笑ってみせるが、それでも氏の言葉は多くの人の心を揺さぶるハズだ。 ★竹原慎二さんコメント 「ロッキー」シリーズは、幼少時からビデオや映画館などで観てきたという竹原氏。 <竹原さん> 「現役の時も、試合前に自分を奮い立たせるために『ロッキー』を観ていました。本当に感動や夢、すべてをくれる映画。僕の場合は高校にも行けなくて。夢も希望もなかったんですけど、そういう僕みたいな奴らが『ロッキー』や「あしたのジョー」なんかを観て、夢を抱いていたんです。ボクサーになれば、この現状を変えられるかもしれないと。今の子はどうか分からないですが、僕らの頃は、ほとんどのボクサーが『ロッキー』を観て感動していたと思いますよ」。 しかし今回の企画に挑むにあたり、改めて「ロッキー」シリーズを鑑賞し直してみたところ、その印象に変化があったという。 ■『クリード チャンプを継ぐ男』&「ロッキー」シリーズ特別番組情報 『クリード チャンプを継ぐ男』「ロッキー」放送記念:竹原慎二の選択放送日:5月6日(月・休) 20:45~/5月18日(土) 20:45~元ボクシング世界王者・竹原慎二氏。リアル・ロッキーが「ロッキー」シリーズと自身の半生を語り尽くす! 番組情報はコチラ 番組を視聴するにはこちら ■「『クリード チャンプを継ぐ男』「ロッキー」放送記念:竹原慎二の選択」 放送記念プレゼントキャンペーン! ★竹原慎二さん格言付き直筆サイン入り色紙を3名様にプレゼント! ザ・シネマのWEBサイトプレゼントページより応募ください。※ザ・シネマの会員「ザ・シネマメンバーズ」へ会員登録(無料)が必要です。応募期間:2019年4月23日(火)~2019年5月31日(金) プレゼント応募先ページはコチラ 番組を視聴するにはこちら
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COLUMN/コラム2018.12.19
“映画史”の転換点に立ち会った2人…“スライ”と“ボブ”がスクリーン上で邂逅『コップランド』
「スタローン壮絶。デ・ニーロ超然。」 これが本作『コップランド』が、1998年2月に日本公開された際のキャッチフレーズ。そこからわかる通り、本作最大の売りは、シルベスター・スタローンとロバート・デ・ニーロ、2大スターの“初共演”だった。 そもそもこの2人、同時代のアメリカ映画を牽引して来た存在ながら、共演など「ありえない」ことと、長らく思われてきた。それは偏に、スターとしての、それぞれの歩みの違いによるものだった。 シルベスター・スタローン、通称“スライ” 。スターとしての全盛期=1980年代から90年代に掛けては、鍛え上げたムキムキの肉体で、ボディビルダー出身のアーノルド・シュワルツェネッガーと、“アクションスターNo1”の座を争っていたイメージが強い。 そんな中でも代表作はと問われれば、誰もがまずは『ロッキー』(1976~ )シリーズ、続いて『ランボー』(1982~ )シリーズを挙げるであろう。特にプロボクサーのロッキー・バルボア役は、スタローンが最初に演じてから40年以上経った今も、『ロッキー』のスピンオフである『クリード』シリーズに、登場し続けている。 一方のロバート・デ・ニーロ、愛称“ボブ”の場合は、“デ・ニーロ・アプローチ”という言葉が一般化するほどに、徹底した役作りを行う“演技派”といったイメージが、まずは浮かぶ。 “デ・ニーロ・アプローチ”の具体例は、枚挙に暇がない。出世作『ゴッドファーザーPARTII』(1974)では、前作でマーロン・ブランドが演じたドン・ヴィトー・コルレオーネの若き日を演じるため、コルレオーネの出身地という設定のイタリア・シチリア島に住み、その訛りが入ったイタリア語をマスター。その上で、ブランドのしゃがれ声を完コピした。 『タクシードライバー』(1976)の撮影前には、ニューヨークで実際にタクシー運転手として勤務したデ・ニーロ。街を流して乗客を乗せたりもした。 特に有名なのが、実在のプロボクシングミドル級チャンピオン、ジェイク・ラモッタを演じた『レイジング・ブル』(1980)での役作り。まずトレーニングで鋼のような肉体を作ってボクサーを演じた後、引退後に太った様を表現するため、短期間に体重を27キロ増やすという荒業をやってのけた。 そんなこんなで、パブリックイメージとしては、マッチョなアクションスターのスライと、全身全霊賭けて役になり切るボブ。そんな2人の共演など、「ありえない」ことになっていたわけである。 しかしこの2人の俳優の歩みを振り返ると、スタートの時点では、そんなに縁遠いところに居たわけではない。 その起点は、1976年。 まずはマーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』が、2月にアメリカで公開された。主演のデ・ニーロが演じたのは、「ベトナム帰りの元海兵隊員」を名乗る、不眠症の孤独なタクシー運転手トラヴィス。彼はニューヨークの夜の街を走り続ける内に、次第に狂気を募らせて、やがて銃を携帯。過激で異常な行動へと、走るようになる…。 デ・ニーロは、この2年前の『ゴッドファーザーPARTⅡ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞して、「最も期待される若手俳優」という位置を既に占めていたが、『タクシー…』はメジャー作品としては、初の主演作。公開後の5月には『タクシー…』が、「カンヌ映画祭」の最高賞である“パルム・ドール”を受賞したことなどもあり、その評価を更に高めることとなった。 同じ年の11月に公開されたのが、スタローンが脚本を書き主演を務めた、『ロッキー』である。うだつの上がらない30代の三流ボクサーであるロッキーが、世界チャンピオンから“咬ませ犬”として指名され、挑戦することになる。とても勝ち目がない勝負と思われたが、「もし最終ラウンドまでリングの上に立っていられたら、自分がただのゴロツキではないことが証明できる」と、愛する女性に告げて、ファイトに挑んでいく…。 この作品が製作され公開に至るまでの経緯は、もはやハリウッドの伝説になっている。ある時、プロボクシングの世界ヘビー級タイトルマッチを、偶然に視聴したスタローン。偉大なチャンピオン=モハメド・アリに、ノーマークのロートルボクサー=チャック・ウェプナーが挑んで、大善戦したのを目の当たりにして感動。3日間で『ロッキー』の脚本を書き上げた。持ち込まれたプロダクション側は、スター俳優の起用を前提に、脚本に数千万円の値を付けた。しかし当時まったく無名の存在だったスタローンは、自らが主演することを最後まで譲らず、結局は最低ランクの資金で製作されることとなった。 そうして完成した『ロッキー』は、公開されるや誰もが予想しなかったほどの大ヒットに!正に、“アメリカン・ドリーム”を体現する作品となった。 デ・ニーロとスタローンにとって、“主演スター”としての第一歩になった、『タクシードライバー』と『ロッキー』は、その年の賞レースを席捲。翌77年の3月に開催されたアカデミー賞で、2人は“主演男優賞”部門で覇を競うこととなった。 両作は“作品賞”部門にも、共にノミネート。この激突はいま振り返れば、映画史的に非常に興味深い。 1967年の『俺たちに明日はない』以来、70年代前半まで映画シーンをリードしてきたのが、“アメリカン・ニューシネマ”というムーブメント。ベトナム戦争の泥沼化やウォーターゲート事件などで、アメリカの若者たちの間で自国への信頼が崩壊する中で、アンチヒーローが主人公で、アンチハッピーエンドが特徴的な作品が、次々と作られていった。 『タクシー…』は、そんな夢も希望もない内容の、“アメリカン・ニューシネマ”最後の作品と位置付けられている。 一方で『ロッキー』は、当初は“ニューシネマ”さながらに、主人公が試合を途中で投げ出す展開も考えられていたというが、結局は、“アメリカン・ドリーム”を高らかに歌い上げる結末を迎える。今では、翌年の『スター・ウォーズ』第1作(1977)と合わせて、“ニューシネマ”に引導を渡す役割を果たしたと言われている。 そんな因縁はさて置き、1976年度のアカデミー賞“主演男優賞”部門に、話を戻す。海外のニュースがネットで瞬時に伝わる今とは違って当時は、アカデミー賞の戦前予想は、月刊の“映画雑誌”などで読む他はなかった。それによると、“主演男優賞”はデ・ニーロ本命、対抗がスタローンといった雰囲気が伝わってきた。 ところが、ところがである。蓋を開けてみると、“主演男優賞”を獲得したのは、『ネットワーク』に出演したピーター・フィンチだった。 シドニー・ルメット監督が、視聴率獲得競争を描いてメディア批判を行ったこの作品に於いて、徐々に狂気に蝕まれていく報道キャスターを演じたフィンチは、役どころ的には、本来は“助演”ノミネートが相応しいと言われていた。しかしノミネート発表直後に、心不全で急死。同情票を集めることとなり、アカデミー賞の演技部門史上初めて、死後にオスカー像が贈られることとなったのである。 『ネットワーク』もフィンチの演技も、腐す気はまったくない。しかし40余年経った今、この結果と関係なく、『タクシー…』のデ・ニーロや『ロッキー』のスタローンの方が、未だに熱く語られる存在であることを考えると、賞など正に水物であることが、よくわかる。 とはいえ“アカデミー賞”が、映画人にとって最大の栄誉の一つであることには、疑いもない。『タクシー…』で本命と目されながらも逃したデ・ニーロは、1978年度にマイケル・チミノ監督の『ディア・ハンター』での2度目のノミネートを経て、80年度にスコセッシ監督の『レイジング・ブル』で、遂に“主演男優賞”のオスカー像を手にすることとなる。 これ以降もデ・ニーロは、名コンビとなったスコセッシ監督作品他で、多くの者がお手本にするような俳優として、キャリアを積み重ねていく。そしてアカデミー賞にも、度々ノミネートされることとなる。 一方のスタローン。『ロッキー』では“主演男優賞”に加えて、“脚本賞”にもノミネートされていたが、こちらも『ネットワーク』脚本のパディ・チャイエフスキーに攫われてしまった。『ロッキー』自体は、“作品賞”、“監督賞”、“編集賞”の3部門を制覇。『タクシードライバー』が無冠に終わったのに対し、大勝利と言える成果を収めたが、以降スタローンとアカデミー賞は、長く疎遠な関係となる。 『ロッキー』で大成功を収めた後の主演作となったのが、『フィスト』(1978)。スタローンは、労働組合の大物指導者でありながら、マフィアとの癒着が噂され、最終的には謎の失踪を遂げた実在の人物、ジミー・ホッファをモデルにした主人公を演じた。監督に起用されたのは、『夜の大捜査線』(1967)でアカデミー賞監督賞を受賞し、他にも『屋根の上のバイオリン弾き』(1971)『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1973)などの作品を手掛けてきた、ノーマン・ジュイスン。 明らかに賞狙いの作品であった『フィスト』だが、大きな話題になることもない失敗作に終わった。同じ1978年には、スタローンが初監督もした主演作『パラダイス・アレイ』も公開されたが、『ロッキー』に続くスタローン主演作のヒットは、翌79年の続編、『ロッキー2』まで待たねばならなかった。 このように、暫しは『ロッキー』シリーズ以外のヒットがなかったスタローンだが、1980年代に、ベトナムから帰還したスーパーソルジャーを主人公にした、『ランボー』シリーズがスタート!スタローンは、アクションスターとしての地位を確立していくと同時に、1984年以降は、毎年アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の映画を選んで表彰する、“ゴールデンラズベリー賞=ラジ―賞”受賞の常連となっていった…。 “マネーメイキングスター”としては、常にTOPの座を争いながらも、その“演技”が評価されることは、まず「ない」存在となったスタローン。しかし彼もスタート時点は、マーロン・ブランドのような性格俳優に憧れて、初主演作では“アカデミー賞”にノミネートされた、立派な“俳優”である。アクションではない“演技”で注目されたいという気持ちは、常にあったものと思われる。 そんな彼が、50代を迎えて主演作に選んだのが、本作『コップランド』であった。ニューヨーク市警の警官が多く住むため、“コップランド”と呼ばれる郊外の町ギャリソンを舞台にしたこの作品で、スタローンが演じたのは、落ちこぼれでやる気のない中年保安官。しかし、殺人まで絡んだ警察内の不正に目を瞑ることが出来なくなり、遂には孤高の戦いを繰り広げることとなる。 スタローンは、低予算ながらドラマ性の高い本作への出演を、ほぼノーギャラで受けた。そして主人公の保安官の愚鈍さを表すために、15キロも体重を増やす、“デ・ニーロ・アプローチ”ばりの役作りを行ったという。 一方本作でのデ・ニーロは、ニューヨーク市警の内務調査官役。コップランドの警官たちの不正を暴こうとする中で、スタローンの正義感を利用する、狡猾な役どころである。とはいえ、「2大スター共演」を売りにした割りには、登場シーンもさほど多くはない、ゲスト的な出演の仕方と言える。劇場公開時には、その辺りが何とも物足りなかったが、いま見返すと、短い出番ながらさすがに的確で印象的な演技をしていることに、感心する。 余談だが、スタローンとデ・ニーロは、『コップランド』から16年後に、『リベンジ・マッチ』(2013)という作品で再共演を果たしている。こちらは本格的なW主演作品で、2人の役どころは、30年前の遺恨のために、リング上で対戦する老齢のボクサー。作品的な評価は高くないが、2人の若き日が、『ロッキー』シリーズや『レイジング・ブル』のファイトシーンから抜き出されてコラージュされている辺りが、“楽屋落ち”のように楽しめる作品ではあった。 さて本作『コップランド』の話に戻ると、公開時に“俳優”スタローンの挑戦は、それなりに高く評価はされた。しかしその演技が、賞レースなどに絡むことはなかった。 スタローンとアカデミー賞との関わりは、2016年度の『クリード チャンプを継ぐ男』で“助演男優賞”にノミネートされるまで、『ロッキー』第1作以来、実に40年ものブランクを空けることとなる。候補となったのが40年前と同じく、ロッキー・バルボア役だったというのは、逆に特筆すべきことだと思うが…。◼︎ © 1997 Miramax, LLC. 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COLUMN/コラム2017.04.09
Mr.ズーキーパーの婚活動物園
「動物園の飼育員となんて結婚できないわ!」恋人ステファニーにプロポーズをするも、そんな捨てゼリフでフラれたグリフィン。それから5年。仕事に打ち込んだ彼は飼育係のリーダーになっていたものの、心は打ち砕かれたままだった。そんなある日、グリフィンは兄の結婚披露宴会場として動物園を貸し出したのだが、そこに彼女がゲストとして招かれているではないか!「一緒にカー・ディーラーをやろうぜ。そうすれば彼女を取り戻せるぞ」いまだにステファニーを諦めきれないグリフィンは、そんな兄の誘いに乗って、本気で退職を考えるようになってしまう。 困ったのは動物たちだ。「あんな最高の飼育員を辞めさせるわけにはいかない。彼の仕事を辞めさせずに婚活を成功させようぜ!」 動物界のルールを破って人間語で話しかけて来た動物たちから、ワイルドな恋のアドバイスを伝授されたグリフィンはステファニーへの再アタックに挑戦するのだが……。 動物が人間の言葉を話す映画は星の数ほどあるけれど、大抵アニメっぽいキャラ。それを打ち砕いたのが、エディ・マーフィ主演の『ドクター・ドリトル』シリーズ(98〜01年)だった。同作は、当時最先端のCGを駆使して、リアルな動物が人間の言葉を喋るのを違和感なく見せて大ヒットを記録したのである。 2011年に公開された『Mr.ズーキーパーの婚活動物園』は、この手法をさらに進化させて約1億7000万ドルもの興行収益を叩き出したメガヒット・コメディだ。ディズニー製作の大ヒット作『ジャングル・ブック』(16年)は間違いなく本作の延長線上にある。 ここで『ジャングル・ブック』を連想するのは、同作の監督で俳優でもあるジョン・ファヴローが、本作でクマの声優を務めているからだ。ファヴローがあの傑作を演出できたのも、本作で色々とノウハウを得たからではないだろうか。 そのひとつが声優選び。『ジャングル・ブック』ではビル・マーレイやイドリス・エルバ、スカーレット・ヨハンソン、クリストファー・ウォーケンといった人気俳優が、声色にぴったり合う動物の声優を務めていたけど、『Mr.ズーキーパーの婚活動物園』はそれを先駆けたかのようなキャスティングが行なわれているのだ。そのメンツをざっと挙げてみよう。 まず『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』(91年)でゴールデングローブ賞を受賞したシリアスな俳優でありながら『48時間』(82年)では前述のエディ・マーフィと共演し、ファヴローともアニメ『森のリトル・ギャング』(06年)で動物声優として共演していたニック・ノルティがストーリーの鍵を握るゴリラ役。 アクション・ムービー界の伝説シルヴェスター・スタローンと、シンガーであり『月の輝く夜に』(87年)でアカデミー主演女優賞を獲得しているシェールという濃厚なコンビはライオンの夫婦を演じている。 『サタデー・ナイト・ライブ』出身のコメディエンヌでポール・トーマス・アンダーソンのパートナーでもあるマーヤ・ルドルフがキリン、『40歳の童貞男』(05年)や『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』(15年)を監督する傍ら、セス・ローゲンやジェイソン・シーゲルといった若手コメディ・スターの育ての親として知られるジャド・アパトーがゾウ、そしコメディ・レジェンド、アダム・サンドラーがサル(演じているクリスタルは、前述の『ドクター・ドリトル』をはじめ、『ナイト・ミュージアムシリーズ(06〜14年)や『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(11年)『幸せへのキセキ』(11年)にも出演している名優サル!』の声を担当している。 通常、主演映画にしか出演しないサンドラーがこんな地味なポジションを務めているのは珍しい。実はこれにはワケがある。本作のプロデューサーはサンドラーで、製作会社は彼が主宰するハッピー・マジソンなのだ。そしてこれほどゴージャスな声優陣を招いてまでサンドラーがバックアップしようとした才能こそが、本作の主演俳優ケヴィン・ジェームズなのである。 ケヴィンはサンドラーと同じニューヨーク出身で、彼よりひとつ上の65年生まれ。スタンダップ・コメディアンとして活動し始め、兄貴分のレイ・ロマーノが主演したシットコム、『HEY!レイモンド』(96〜05年)への出演をきっかけに、やはりシットコム『The King of Queens』(98〜07年)の主演に抜擢。下町クイーンズで宅配業者として働く中年男役でブレイクした男だ。 本格的な映画出演は、ウィル・スミスが非モテ男に恋愛術を指南する<デートドクター>に扮したロマンティック・コメディ『最後の恋のはじめ方』(05年)から。この作品でケヴィンは、スミスの顧客となる究極の非モテ男アルバートに扮して、笑いを根こそぎかっさらうパフォーマンスを披露。スミス目当てに映画館を訪れた観客にも「あの面白いデブ、誰?」と評判を呼び、大ヒットに貢献したのだった。 その勢いで出演したのが、旧知のアダム・サンドラーとのダブル主演作『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』(07年)だった。ここでケヴィンは、子どもに残す年金問題に悩むあまり、サンドラー扮する結婚願望ゼロのプレイボーイと偽装同性婚をする男ヤモメの消防士を好演。すでにスーパースターだったサンドラーに負けない存在感を示した。そしてサンドラーのプロデュースのもと、遂に『モール★コップ』(09年)で単独主演を実現したのだった。 警官採用試験に挑戦しては失敗を続けているドジなショッピングモールの警備員が、モールを占拠した強盗団相手に丸腰で立ち向かうこのアクション・コメディは、ケヴィンのメタボなボディを駆使したギャグに笑わされながら、『ダイ・ハード』の流れを汲むマッチョ系アクション映画としても見れるという二刀流でメガヒットを記録した。 そしてサンドラー、クリス・ロック、デヴィッド・スペード、ロブ・シュナイダーら人気コメディ俳優が集結した同窓会コメディ『アダルトボーイズ青春白書』(10年)を経て公開されたのが本作『Mr.ズーキーパーの婚活動物園』だったというわけだ。 その後もケヴィンは、総合格闘技に挑戦する教師に扮したアクション・コメディ『闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ』(12年)やそれぞれシリーズの続編となる『アダルトボーイズ遊遊白書』(13年)と『モール・コップ ラスベガスも俺が守る!』(15年)、そしてサンドラー主演のSFXコメディ『ピクセル』(15年、何と米国大統領役!)といったヒット作に立て続けに出演。一方で16年からテレビに逆上陸し、製作も兼ねたシットコム『Kevin Can Wait』に主演して人気を博している。つまりケヴィンはかれこれ20年以上もコメディ界の第一線に立ち続けていることになる。 同世代でこれだけコンスタントに長期間活躍しているコメディ・スターは前述のサンドラーやベン・スティラーくらいだろう。ふたりに比べると日本では知名度がだいぶ下がるけど、これはもはやコメディ・レジェンドとして扱っていいレベル。見かけはどこにでもいそうなデブだけど、実は頭が切れるスマート・ガイ、それがケヴィン・ジェームズなのだ。 そんな彼のパーソナリティに動物たちのチャームも加味された『Mr.ズーキーパーの婚活動物園』はケヴィン初心者にとって入門編にふさわしい作品だと思う。ヒロインのロザリオ・ドーソンとのコンビネーションの良さも心に残る仕上がりだ。 ZOOKEEPER, THE © 2010 ZOOKEEPER PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2017.01.26
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2017年2月】キャロル
v動物園の飼育員グリフィンの婚活を、言葉を話せる動物たちが全力でサポートする!?人気コメディアン、ケヴィン・ジェームズ主演で贈るハートウォーミング・ラブコメディ。 奥手な中年男のグリフィンは動物園の飼育員。超イケイケの恋人ケイトに「結婚相手に動物園の飼育員はイヤ」とあっさりプロポーズを断られてしまう。振られたショックを5年も引きずった挙句諦めきれないグリフィンは、再び彼女にアタックするため転職を考える。ところが、自分たちにとって最高の飼育員を失うことに危機を感じた動物園の動物たちは、彼の転職を阻止しようと必死になるあまり、なんと“掟”を破って人間の言葉で彼に話しかけるのだった!ケイトとうまくいけばグリフィンは動物園を辞めずにすむと考えた動物たちは、グリフィンを男前に仕立てるべく一生懸命応援するのだが、動物本能むき出しのアドバイスはどれもこれも的外れ。それどころか、ケイトのハートを射止めるためにイケイケになろうとしたグリフィンは、動物たちの努力むなしく高級車ディーラーに転職してしまう。自分らしさをすっかり失ってしまったグリフィンだったが、ついにケイトから逆プロポーズされる日が来て・・・! 見てくれや社会的地位に振り回されなくても、人間、中身が大切だよね。と、動物たちに教わる心温まるコメディ。それはそれとして十分楽しめるこの作品、実はシルヴェスター・スタローンやニック・ノルティといった超豪華キャストが動物たちの声を熱演しているのです!普段はいぶし銀な彼らの、ファンキーでちょっと笑える演技も見どころ。ぜひ2月のザ・シネマ、バレンタイン特集でお楽しみ下さい! ZOOKEEPER, THE © 2010 ZOOKEEPER PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2013.08.02
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年8月】飯森盛良
ザ・シネマ恒例の懐かし吹き替え企画、8月はアンコールとゆーことで、以前放送したタイトルを蔵出ししちゃうゾ。 いっちゃんおススメしたいのは、ネアカな凸凹刑事2人組がMANZAIみたいにアホな掛け合いばっかしてる、ごキゲンなアクションもの『デッドフォール』! 悪役が超アッタマ悪いのもケッサクですゾ!レイト80’sコップ・アクションの、このバカっぽさ。よっぽどドーカしてるウカレた平和な時代でなけりゃ、こんな映画は生まれてきっこない。それが、今のネクラな時代には、逆にキモちEのデス! そんな本作の持ち味を際立たせるのが、ささきいさおスタローン&安原義人カート・ラッセルの妙技。特に、公開時やVHS化時、知名度がスタより劣るためポスターやジャケでの扱いが失礼なぐらい小さかったカート・ラッセルが、吹き替えだとサイコーなんだもんね!FIX声優・安原サンのかもすチャラっチャラ感によって、活きまくってて、立ちまくってて、もう、オリジナルよりかオモロくなっちゃってるかもよ。(筆者注:本作公開時には、以上のような昭和軽薄体による文体はすでに流行遅れとなっており、実際には使われなくなっていましたが、時代精神として通ずるものがあると考え、此の度採用いたしました。なお、レイト80'sコップ・アクションも、前年のエポック・メイク作『ダイ・ハード』のリアリズム路線の登場により一気に時代遅れとなり、本作公開時は若干のイタさも漂っていました。時代が一巡した今こそ、正当にバカが再評価されて欲しいと切に願います。バカでなぜ悪い!)
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NEWS/ニュース2012.07.03
アクションスター列伝【対テロリスト対決】結果発表!
『ナイトホークス』(シルヴェスター・スタローン)ニューヨークの刑事ディークに扮するシルヴェスター・スタローンが国際テロリストに挑む! VS 『ダブルチーム』(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)CIAの対テロ秘密工作員だったクインに扮する、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが家族を守るために宿敵に挑む!果敢にテロリストに立ち向かうのはどっちだ!?いざ、対決!今秋劇場公開される『エクスペンダブルズ2』で、待望の共演を果たすシルヴェスター・スタローンとジャン=クロード・ヴァン・ダム。どちらもテロリストと戦うには貫録十分な、マッチョ・ボティのアクション・スター。はたして、勝者はどっちだ!? 今でこそアクション・スターのイメージが強いスタローンだが、『ナイトホークス』に主演した頃は『ロッキー』シリーズが軌道に乗るも、まだ『ランボー』は生まれておらず、いわばキャリアの模索期。ヨーロッパからやってきたカリスマ的なテロリストに挑む、NY市警のおとり捜査官にふんした本作では珍しくヒゲ面で、『ランボー』以後ほどヒロイズムが強調されているワケではなく、むしろ『セルピコ』のアル・パチーノを連想させる血の通ったキャラクターだ。実績を買われてインターポールの特別捜査チームに編入されるが、市警の刑事が切れ者のテロリストと対峙するのは荷が重い。しかも、テロリスト役のルトガー・ハウアーは、この後の『ブレードランナー』でのブレイクが必然であったことを証明するかのように手ごわさを見せつけるのだから。しかし、だからこそスタローンのいつにない人間臭さが光っているのも事実。不器用だがガッツのある主人公像に、見る側の判官びいきも刺激されるというモノだ。■ 対する『ダブルチーム』も、ヴァン・ダムふんする対テロ・エージェントの身重の妻が敵の脅威にさらされ、そのテロリストにミッキー・ロークというクセ者俳優がふんしており、これらの構図だけで面白くなる点は共通する。しかし、こちらはヴァン・ダム出世後の作品だから、誰もが見たがっている彼のアクションを大々的にフィーチャー。得意のマーシャルアーツはもちろん、開脚ポーズをはじめとするアクロバティックな立ち回りをこれでもかと繰り出す。元NBAのスーパースター、デニス・ロッドマンを相棒役に迎え、“ドラッグ・クイーンか!?”と見まがうそのルックスと同様にアクションもトコトン、派手。ローマを旅行中の観光客は銃撃戦の犠牲になり、歴史的な文化遺産も爆破で吹き飛ばしてしまう、やり過ぎなほどの凄まじさだ。人間味の『ナイトホークス』とド派手な『ダブルチーム』。こうもタイプが異なると、正直どちらに軍配を上げるべきか迷ってしまうが、期待どおりの活躍を見せるヴァン・ダムはやや予定調和的だが、スタローンには潜入捜査のための“女装”という驚きがある。そんなアクション・スターらしからぬレアな見せ場があるぶん、スタローンの勝ちとしたい。男臭くなること必至の『エクスペンダブルズ2』で、ヴァン・ダムはおそらく得意の開脚を披露してくれるだろうが、スタローンの女装は、もはやありえないだろうから。以上のように、【対テロリスト対決】を制したのは、「ナイトホークス」のシルヴェスター・スタローン! 明日7/4(水)の『アクションスター列伝』は【復讐対決】!こちらもお見逃しなく!■ © 1981 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.Copyright © 1997 Mandalay Entertainment. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.05.25
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年6月】銀輪次郎
ひげもじゃのシルヴェスター・スタローンが警官に扮し、国際的なテロリストに立ち向かうクライムサスペンスムービー。アクションシーンは全てスタローン自身がこなしたと言われており、走る地下鉄への飛び乗りシーン(スピードが結構速い!)や、空中に静止するゴンドラへ引き上げられるシーン(イーストリバーの遙か上空!)は、おもわず感嘆の声を上げてしまいます。シルベスターの元妻役には「地上最強の美女!バイオニック・ジェミー」のジェミー役でお馴染みのリンゼイ・ワグナーが出演!リンゼイファンにも嬉しい一作です。(ただ残念ながら、本作ではバイオニック・パワーは全く登場しません。ご了承下さい。) © 1981 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
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NEWS/ニュース2011.09.09
【最強男トーナメント】一回戦・第三試合、結果発表!!
トーナメント一回戦最後の試合は、元祖肉体派アクションスターのシルヴェスター・スタローンと、ヨーロッパ最強の中量級キックボクサーとして鳴り物入りでハリウッドに進出し、90年代に一時代を築いたジャン=クロード・ヴァン・ダムの対戦という注目の一戦。ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区で生まれ育ったスタローンは、アメリカで最も危険な地域と称され、日中からマフィアやギャングが跋扈するヘルズ・キッチンで少年時代を過ごしてきた。両親の離婚を機に不良としての才能を一気に開花させたスタローンは、小学校から高校までの間に14の学校から放校処分となった札付きの荒くれ者。出生時にアル中の医師により顔の左側の神経を傷つけられたため、崩れた容姿によって受けるいじめから脱却するために始めたボクシングは、地獄のような地域で生き延びるための武器となった。また、俳優としてブレイク後も身体を鍛え続け、『ランボー』シリーズでは徒手格闘術までを身に着け、俳優とは思えない戦闘能力を持つ男となっている。対するヴァン・ダムは、裕福な家庭に育ちながら、身体を鍛えるために始めた松涛館空手で18歳にして黒帯を取得。10代の頃からヨーロッパ各地の空手・キックボクシングの大会を荒らしまわっている。その後、アメリカのフロリダで行われた世界空手選手権を経て、1980年には全欧プロ空手選手権ミドル級王座を獲得している強豪キックボクサー、という経歴を持つ本格派。スタローンは、『エクスペンダブルズ』で直接出演交渉して以来の仲となる、元PRIDE・UFCのヘビー級王者であるアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラをセコンドに帯同。またヴァン・ダムは、ノゲイラのライバルで、ヴァン・ダムとは昔から親交のある世界最強のヘビー級MMA選手エメリヤーエンコ・ヒョードルと、『ユニバーサル・ソルジャー』シリーズで競演している元UFCヘビー級王者のアンドレイ・アルロフスキーを、セコンドとして帯同している。レフェリーのルール説明の間、ボクシング出身のスタローンとキックボクシング出身のヴァン・ダムのにらみ合いに、観客もヒートアップ!異様な雰囲気の中、試合開始のゴングが鳴った!蹴り技を持たないスタローンは、キックボクサーとして輝かしい経歴を誇るヴァン・ダムの蹴り技を警戒し、早々に距離を詰めて近距離での打ち合いを挑む格好で試合がスタート。空手の経験のあるヴァン・ダムも応戦するが、『ランボー』などの特殊部隊映画でCQC(クローズ・クォーター・コンバット:近接格闘術)も学んだスタローンは、組み技も積極的に使って決定打をもらわない。さらに、ボクシング仕込みのショートレンジのフックやアッパーで、ヴァン・ダムはフラフラの状態にされてしまう。何とか1ラウンドを堪えることが出来たヴァン・ダムだったが、ここではヘビー級とミドル級というウェイトの違いも大きなハンデとなってしまった形だ。インターヴァルの間、ヒョードルから何かのアドバイスをもらい、大きく頷くヴァン・ダム。ヒョードルは氷のような微笑を浮かべている。果たして、2ラウンドはどのような作戦で来るのか? 2ラウンド、距離を詰めるスタローンに対して、ヴァン・ダムの強烈なローキック一閃。遠距離でのハイキックのような大技を警戒していたスタローンは、このローキックをモロに食らってしまう。「あのヴァン・ダムがローキックのような地味な技を使うとは……!」とスタローンが思ったときには遅かった。ヴァン・ダムはローキックを次々と放ち、下半身への攻撃など受けたことのないスタローンは、一気に失速。腿は赤く腫れ上がり、ついに立ち上がれなくなってしまったスタローンを見て、レフェリーが試合を止めた。勝利者インタビューでは、「インターヴァル中、ヒョードルから、これまで大作での一発逆転ばかり狙って失敗した自分の人生を振り返させられ、地味だが効果のあるローキックで戦うことを決めた」と涙ながらに語ったヴァン・ダム。手に汗握るまさに“クリフハンガー”なシーソーゲームに敗れたスタローンは、笑みを浮かべて「今度は『エクスペンダブルズ2』に出てくれよ!」と、見せ場の少なさから一作目への出演を断ったヴァン・ダムに、再度出演をオファーするも、ヴァン・ダムは「オレが主役じゃないなら……」と、まだ一発逆転に未練がタラタラであることを露呈してしまった。以上の結果通り、一回戦・第三試合はジャン=クロード・ヴァン・ダムが勝利し、準決勝に進むことに。次戦、準決勝・第一試合は、9月12日(月)21:00-23:00/23:00-25:00チャック・ノリス『野獣捜査線』 VS スティーヴン・セガール『暴走特急』 2作目「暴走特急」の本編終了後に、こちらのブログにて試合レビューを公開!作品鑑賞と合わせてお楽しみください!!
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COLUMN/コラム2011.08.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2011年9月】THEシネマン
主演はご存知スタローン。昨年の「エクスペンダブルズ」で“まだままやれる感”を見せ付けたが、本作のスタローンは現役バリバリ。監督はレニー・ハーリン。「ダイ・ハード2」で抜擢されスピルバーグを追う次世代ヒットメーカーと期待されながら結果的に本作がピークだった。大味だけどダイナミックな演出が、山脈が舞台の本作には見事にハマっている。主演スターと監督それぞれのキャリアのピークが重なった奇跡の名作を是非! © 1993 Cliffhanger B.V.