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NEWS/ニュース2012.07.10
アクションスター列伝【ヴァンパイア対決】結果発表!
『ブレイド2』&『ブレイド3』(ウェズリー・スナイプス)人間とヴァンパイアの混血 ブレイドに扮するウェズリー・スナイプス。人間に害するヴァンパイアを抹殺するため戦い続けるヴァンパイアハンター。 VS 『ニア・ダーク/月夜の出来事』(ジェニー・ライト)吸血鬼の少女メイに扮するジェニー・ライト。セクシーな振る舞いで今夜も生き血を求め、男を誘う。 最強のヴァンパイアはどっちだ!?いざ、対決! 『トワイライト』シリーズや『アンダーワールド』シリーズの最新作、リメイク版『フライトナイト』にジョニー・デップ主演の『ダークシャドウ』、岩井俊二監督の新作『ヴァンパイア』など、今年は吸血鬼映画が花盛り。ここでも、やはり吸血鬼を戦わせないといけない! というワケで、吸血鬼なのにヴァンパイアを憎む異能のヒーローの活躍を描いた『ブレイド』シリーズPart2&3のウェズリー・スナイプスと、美少女ヴァンパイアと青年の危険な恋を描く『ニア・ダーク/月夜の出来事』のヒロイン、ジェニー・ライトの対決である。 マーベル・コミック原作の『ブレイド』シリーズでスナイプスがふんする主人公ブレイドは、ヴァンパイアと人間の混血で、吸血鬼を撲滅することに命を懸けている戦士。2作目では同族の血をも求める凶悪な新種スーパー・ヴァンパイア、3作目ではヴァンパイア族の無敵の始祖を相手に、それぞれ壮絶な死闘を繰り広げる。その戦いぶりは、もう豪快そのもので、刀を振るい、ブーメラン型のナイフを放っては、ヴァンパイアをシュワッと粒子化して消滅させる気持ち良さ。カラテの有段者であるスナイプスらしく、肉弾戦の見せ場もふんだんで、頭部よりも上に決まるスピード感たっぷりのハイキックだけでなく、滞空式ブレーンバスターまで見せつけるのだから、これはもう超・総合格闘技と呼びたい。トレードマークのサングラスもクールで、オレ様指数の高い活躍にエキサイトさせられる。■一方の『ニア・ダーク/月夜の出来事』は『ハート・ロッカー』でアカデミー賞を射止めた女流監督キャスリーン・ビグローのデビュー作として知られている。 ビグロー監督といえば同作はもちろん、『ハート・ブルー』や『K-19』などの女性らしからぬ超・硬派な作品で知られているが、描かれる女性キャラも精神的にタフだ。本作でジェニー・ライトが演じるヒロイン、メイは一見、ショートカットのキュートなヴァンパイア。荒くれ者ぞろいの吸血鬼集団の中ではか弱くも見えるが、愛する男を守るためには仲間を敵に回す覚悟がある。それだけでなく、彼のためなら命を懸けて、日光の下にも飛び出す一途さ。こんなにも想われる男は幸せ者だ。さて勝敗だが、ガチでぶつかったら、そりゃあもうスナイプスの圧勝だろう。しかし牙を剥いてくる敵には容赦しない男の中の男ブレイドにも人間味があって、ワケありの可憐な女子を、たとえ彼女がヴァンバイアであってもボッコボコにするはずがない。それはどう考えても、“俺様”の美学に反するじゃないか。とういうわけで、ジェニー嬢がスナイプスに勝ちを譲られる、という結末で締めたい。 以上のように、【ヴァンパイア対決】を制したのは、「ニア・ダーク/月夜の出来事」のジェニー・ライト! 明日7/11(水)のアクションスター列伝は【アジア人対決】!こちらもお見逃しなく!■ ©2002 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.「ブレイド3」 ©MMIV NEW LINE PRODUCTIONS,INC. (c)MMV NEW LINE HOME ENTERTAINMENT,INC.ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2012.06.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年7月】ラブコメラブ漢 飯森盛良
ワタクシ、無類のラブコメ好きである。特に、「ブスっ娘大変身で萌え」な醜いアヒルの娘ジャンルが、ハートに直角に突き刺さっちゃうのである。大変身シーンで「よかったね」と胸の前で指を組みつつ他人ごとながら涙を流せちゃうのである。これを、ビューティー・コロシアム症候群と言う(ウソ。言わない)。この手のジャンル、問題は、ブスっ娘が大してブスではないことだ。地味でダサくてモテない、というキャラ設定なのに、女優本人の顔ポテンシャルが高すぎちゃってて、どう辛めに見ても可愛いのだ。にもかかわらず"ブス"という設定でストーリーが進んでいく点、残念ながら、まことに無理があると申し上げざるをえない。…のだが、我が愛しのドリュー・バリモアよ!よくぞここまで汚れた!! ドリュー・ラブコメぜんぶ好きだけど、強いて選べばこれがマイ・ベストかな。 © 1999 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2009.07.04
こうして戦争は始まる>『13デイズ』
どういうわけか、当ブログではわりとまじめな作品について駄文を書くことの多い僕だが、その中身はというと、相当にいい加減で不真面目な性格である。それゆえに「社会派ドラマ」にカテゴライズされる作品を、積極的に観る機会がとりたてて多いということもない。むしろ、ちょっと近寄りにくい、肩がこりそう。そう考えるタチなのだ。大体において「社会派」と呼ばれるような作品は、コメディ映画とは異なり、観る側にもエネルギーがいる。ウヒャヒャと笑えばいいだけのコメディ映画に比べると、気を抜くとストーリーについていけなくなりそうなので、頭を回転させる必要もある。作品時間も長い傾向にある。それだけに駄作を観たときの落胆度は大きく、大きな後悔と損失を被ることになる。しかしながら、そんなひねくれた視点から観ても『13デイズ』は、間違いのない、きちんと作り込まれた社会派ドラマでありポリティカルサスペンスである。 今作の舞台は1962年、冷戦まっただなかのアメリカ。世界が核戦争に最も接近したと言われる13日間「キューバ危機」を描いている。時の大統領は、ジョン・F・ケネディ。ケネディを支える司法長官に実弟のロバート・ケネディがつき、大統領特別補佐官として、ケネス・オドネルがいた。言うまでもないことだが、冷戦時代のアメリカとソ連は同等の武力=核兵器を持ち合うことで均衡を保っていた。巨大な力を持つ二つの国の、どちらか一方だけが圧倒的な武力を持つことは、世界を危機にさらすことになると考えていたからである。キューバ危機はアメリカの侵攻を恐れたキューバが、友邦のソ連に武器の援助を申し込んだことに端を発する。しかし、戦争にも使われかねない武器を渡してしまうのはさすがにマズイと判断したソ連は、代わりに、核ミサイルをキューバ国内に配備した。核は戦争のための兵器ではなく戦争を抑止するための兵器である、という、冷戦時代特有の、今日では理解できない発想だ。だが結果として、これにアメリカが猛反発して、危ういバランスで成り立っていた均衡が崩れそうになるのである。『13デイズ』は“ケネディ・テープ”と呼ばれるケネディ大統領自ら13日間の会議の模様を録音したテープや、ロバート・F・ケネディの回想録『13日間』、機密文書、そしてケビン・コスナーが演じた実在の人物、ケネス・オドネルへの100時間にも及ぶロング・インタビューなどを基に練り上げられたという。もちろん、映画である点、そして極めて政治色の強い事件を扱っているだけに、事実と異なる点もあるはずだ。だがどのようにしてソ連とアメリカの緊張が高まり、どのようにして最悪の事態、つまり第三次世界大戦を免れることになったのかが、非常にわかりやすく、かつスリリングに描かれている。僕はこの映画を観るまで、結局のところ、戦争は圧倒的な権力を持った国家のリーダーの意思によって始まるものだと思い込んでいた。事実、ヒトラーのようにそういったケースもある。しかし『13デイズ』では、アメリカにとって「キューバ危機」は対ソ連であると同時に、アメリカ内部との戦いでもあった点が詳細に描かれており、それが非常に興味深い。アメリカ内部とは、国防総省やCIAなど、戦争回避=軟弱な態度として、空爆を主張する主戦派の人々のことである。彼らの強硬論をケネディ兄弟とオドネルが、いかにして抑えたか。それが『13デイズ』を緊迫感ある作品に仕立てている理由である。戦争の引き金となるのは、必ずしも対外的な要因ばかりではなく、部下や周囲に対する権力の誇示、自分の地位や立場を守るための見栄やプライドといった、誰もが持っている要因が積み重なって、大きな力となったものなのかもしれない。いつだったか忘れたが、こんな言葉を聞いたことがある。「一人一人の希望を聞いてできあがったものは、結局誰も望んでいないものである」もしかするとその一つが戦争なのかも知れない、と考えさせられる映画だった。ついでに言うと、主演のケビン・コスナーは1995年の『ウォーターワールド』で大コケする前後あたりから、『ボディ・ガード』のようなラブ&ヒーロー路線にいくのか、『フィールド・オブ・ドリームス』のようなヒューマンドラマ路線に行くのか、迷走が続いている感があるが、たぶん『JFK』や『パーフェクトワールド』、そして今作のようなわりとシリアスな作品で、ヒーローになりすぎない、ちょいシブメの役が一番しっくりくる気がする。そんなわけで、僕のように「政治・社会派」作品でミスはしたくない!と強い決意を持っている人にも、『13デイズ』は間違いなくオススメできる作品でありますので、ぜひご覧下さい!■(奥田高大) ©BEACON COMMUNICATIONS,LLC.ALL RIGHTS RESERVED